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邪神ちゃんはもふもふ天使  作者: 未羊


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第40話 邪神ちゃんとお説教

 ペコラとのいざこざののせいで、村人の介抱に追われるフェリスとメルとルディ。ちなみに当の本人(ペコラ)はまだ気絶している。感情的、特に不機嫌になると無意識的に発動するものだから、本当に厄介だ。一度へそを曲げるとなかなか直らないので、止めるとなるとこのように気絶させるしかないという。一連の騒動が落ち着いた時には、すっかり(精神的に)疲れていた三人であった。

「まったくこの羊は、まだ能力のコントロールができてないのか。だから未熟だっていうんじゃないの」

「でも、結構強力ですね。範囲がそれほど広くないのは助かりましたけど」

 ペコラの位置から半径10数m内に居た村人たちだけが見事に眠っている。多少揺さぶったところでまったく起きないので、本当に熟睡レベルの睡眠に陥っているようだった。

「まったく、フェリス様をからかうなんて許せませんね」

 メルは地味にお冠のようである。

「ですが、フェリス様の反応もはっきり言って大人げないです。リーダー格であるのならもう少しどっしり構えられた方がよいと思います」

「うっ……」

 容赦ないメルからの口撃に、思わず怯んでしまったフェリス。それでもメルからの攻勢は止まらなかった。しばらくお説教が続き、その間、ルディがげらげら笑っていた。ただ、フェリスとメルから同時に睨まれた時には、さすがに慌てていたようだ。

「にしても、これじゃあ村の案内は、日を改めた方がよさそうね……」

 フェリスは頭を抱えていた。目の前にはペコラに眠らされた村人。そして、頭にたんこぶを作って気絶するペコラ。他の村人からはじろじろと見られており、とても居た堪れない状態になっていたのだ。見学すべき人物がなかなか起きなさそうなので、フェリスとルディは手分けして村人を家まで帰した後、ペコラを回収して家へと戻った。

 ところが困った事に、相当にルディの一撃が重かったのか、その日ペコラが起きてくる事はなかった。


「うう、頭が痛いのだ……」

 そうやって翌朝には無事に起きてきたペコラ。ただ、もこもこの頭を撫でながらの起床である。あれだけもこもこでダメージがなさそうなのに、そこまで痛がるとはルディの踵落としは強力な技のようである。

「やあ、おはようペコラ。よく眠れたかしら……?」

 ペコラの前にフェリスが仁王立ちしていた。その表情は明らかに怒っている顔だった。

「うっ、おはようなのだ、フェリス。どうしたのだ、何をそんなに怒っているのだ?」

「……ペコラ、昨日、あんたが何をしたか覚えてないのかしら?」

 困惑顔をしてフェリスに事情を聞こうとするペコラだったが、それ以上の威圧でフェリスがペコラを睨み付けている。その気迫はまさに鬼気迫るものである。

「ひぃい、怖いのだ。ルディ、助けてくれなのだ。あーしには覚えのない事なのだーっ!」

「悪いが、俺は助けんぞ。お前を擁護する理由も利点もないからな。しっかりフェリスに怒られろ」

「うう、薄情者なのだーっ!」

 というわけで、朝から早々にこってりとフェリスに絞られるペコラなのであった。


 朝食を済ませた後は、とにかく村人に謝罪を入れに行く。今のフェリスは悪い事をしたちゃんと謝れるいい子なのだ。

「うう、ごめんなさいなのだ」

 村人を前に深々と土下座をしているペコラ。だが、謝られた村人たちの方はそれほど気にしていなかった。驚くほど軽く流されてしまった。

 ちなみに眠らされた村人は夕方には目を覚ましていた。それでも、ペコラ自身が気絶しても効果が切れないとは、さすがは邪神の能力である。

 それにしても、村人たちが気にしていない事には、さすがにフェリスたちも驚いていた。さすがは村、とてものんびりしているのである。

 とはいえ、ともかくペコラには今後気を付けさせる事を約束して、フェリスは村人たちと別れて牧場の方へと向かった。

「おー、牛がたくさん居るのだ」

 ペコラがはしゃいでいる。やって来たのはメルの実家の牧場だ。

「牛を見ているとクーの事を思い出すのだ」

「あー、クーねえ。言われると他のみんながどうしてるのか気になるわね」

 ペコラがさりげなく出した名前に、フェリスはとても反応していた。どうやら、クーというのはフェリスの邪神仲間の一人のようである。しかも、牛を目の前にして出た名前なので、おそらく牛がモチーフの邪神なのだろう。

「まあ、俺たちみたいにそのうち会いに来るだろう。フェリスの容姿は目立つから、嫌でも噂は広がるだろうぜ」

「はい、フェリス様はお美しいです」

 ルディが気楽な事を言っていると、メルが便乗してフェリスを褒めてくる。

「はいはい、メル。相変わらず口がうまいわね」

「えへへ」

 フェリスがメルを撫でると、メルは嬉しそうに目を細めていた。

「うう、フェリスに撫でてもらって羨ましいのだ。あーしも撫でてもらうのだ」

「だったら、ちゃんと役に立つんだな。下手な事やると朝みたいに雷落とされるぞ」

「うっ、もうそれは勘弁なのだ……」

 嫉妬するペコラに、しっかりとルディが釘を刺しておく。ペコラとルディなら、まだルディの方が常識度があるようである。邪神に常識とはこれいかに。

 この日はその後はひたすら牛と戯れたり、農場を見て回ったりと、ようやくペコラに村を案内できたのであった。

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