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ノエルは王国1番の諜報員ですわ!

 私が執務室に戻ると、荒らされていた部屋がノエルのお陰で綺麗に片付けられていた。


「ノエル、ありがとう」

「メリア様、お帰りなさいませ」

「ノエル、報告があるわ。私、執務官代理に任命されましたわ」

「え、メ、メリア様がですか? おめでとうございましゅ、す」


 ——ノエル、いろんな意味でありがとう。さて、これから大変になりますわよ。


「ノエル、しばらくエルミーナ執務官が復帰できそうにないようです。ですから、ノエルに代わりをお願いしようと思います。どうかしら?」

「え、えぇぇぇ! 私なんかでよろしいのでしょうか?」

「もちろん。やっていただけますわよね?」

「はい、かしこまりました」


 ちょっと強引だったかしら?

 でも、ノエルの力が必要なのよ。


「ノエルが最優先でやっていただくことがあるの」

「なんでございましょう?」

「ノエルに、小動物を使ってグワジール宰相とやり取りのある者のリストを作って欲しいの」

「かしこまりました。私の力がお役に立てるなんてとても光栄ですわ」


 ノエルは、小鳥やリスなど小動物に話しかけて王宮内を監視することになった。

 まさか、誰も小動物に監視されているとは思うまい。

 うふふ。

 

 私は執務室を出て、お父様の部下たちが作業する部屋へノエルと共に向かった。

 

 部屋に入ると、異様な空気が漂っていた。

 部下たちの顔色が悪すぎますわ。

 

 ここのリーダーに全員を集めてもらい、挨拶をする。


「この度、私、メリア・アルストールが執務官代理に国王陛下直々に任命されました。以後、よろしくお願いいたします」


 部屋中がざわざわ騒がしくなり始めた。


「お静かに願います。さらに、エルミーナ秘書官も不在になります。こちらの、ノエル・グロッサムが私の補佐をいたします」

「ノエル・グロッサムです。皆様、よろしくお願いいたします」


 それにしても部下たちの疲労感がものすごい。

 不眠不休で働いていたのかしら。

 これでは物事が上手く進みませんわ。


「執務官代理として、皆様に指示をいたします。今から抱えている課題を箇条書きで紙に記載して私に提出してください。提出が終わった者から帰宅を命じます。さらに、3日間の休養を取るように」


 また部屋がざわつきはじめた。部下たちはどうしてもと食い下がる。


「執務官代理、それでは業務が滞り王国が……」

「我々に業務を続けさせてください」


 気持ちはわからなくはない。

 だけど、今の状態で作業をしても非効率でミスが増えるばかりだ。

 部下たちの要求をのむことはできない。


「大丈夫です。国王陛下の承諾も得ております。休むことも仕事です。明日より3日間は出入りを禁じます。命令に従えぬ場合はわかりますよね?」


 部下たちは渋々命令に従い、自分達が抱えている課題を紙に記入していき、課題表の提出を終えた者から帰宅をしていった。


 お父様の直属の部下は30名、30枚の課題表を見ながら私は頭を抱える。


 そこへ、二度と見たくもない者が部屋にやってきた。


「おやぁ? やけに静かと思いきや、誰もいないではないか」

「宰相閣下、部下たちは先ほど全員帰宅させました」

「ふっ。小娘のやることは理解ができん。まぁ、せいぜいおままごとを精一杯頑張るのだな」


 グワジール宰相は私たちに嫌味だけを言って去っていった。


 私が何を意図して帰らせたのかは理解されないでしょうね。

 小娘と舐めてもらっている方が好都合だ。


「メリア様、大丈夫でしょうか?」

「ノエル。心配いらないわ。どのみち課題をまとめるのに数日はかかるから。みんながバラバラに動かれる方が私にとっては困るわ」


 ノエルはきょとんと首を傾げる。

 そのうちいろいろと教育させていただくわよ。


「さて、執務室に戻りましょうか」

「はい、メリア様」


 まだいろいろと根回しをしないといけないことがある。

 ちょっとカーナのところへ行ってこよう。


「ノエル、課題表を読んで同じようなことはまとめておいてちょうだい。ちょっと魔法工学研究所へ行ってくるわ」

「はい、わかりました。お気をつけて」


 私はノエルを残して魔法工学研究所へ向かう。


 えーと、どちらだったかしら。迷子ですわ……。


「メリア様、お久しぶりでございます」


 声をかけられて、振り向いて誰かと思ったらダリアだった。


「ダリア、ごきげんよう」


 ダリアもキリッとした素敵な女性に成長してますわ。

 うっとりしそう……。いやいや。


「ダリア、魔法工学研究所はどこかご存知かしら?」

「はい、わかります。ご案内いたしましょう」


 ダリアが魔法工学研究所まで案内してくれた。

 良かったぁ。

 一人だったら日が暮れても辿り着けなかったかもしれない。


 ダリアが魔法工学研究所の部屋の前でノックをする。


「どうぞ」


 カーナの声かな? 


「失礼します。メリア様をお連れしました」


 ダリアが扉を開け、室内に入る。


「メリア様、ダリア。お久しぶり」

「私は、メリア様をご案内しただけだ。これで失礼する」

「ダリア、案内してくれてありがとう」


 ダリアは軽く会釈をして部屋を出ていった。


「メリア様、どのようなご用件でしょうか?」

「カーナに作って欲しい物があるの。できますかしら?」


 少し挑発気味に話してみる。


「もちろん、私にできないことはございませんわ。おほほほ」


 私はカーナに作って欲しいものを伝えた。

 何に使うかの理由もこっそり話をしたらものすごく乗り気になってくれた。


 必要な素材はこちらから提供すると伝えて私は執務室に戻っていった……。

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