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お嬢様たちのお泊まり会

 本日は休日、お屋敷の使用人たちはとても忙しそうにしている。

 それは、セシルが王様の許可を勝ち取って我が家に来るからだ。


 わたしは、使用人たちに淡いピンクのふんわりとした綺麗なドレスに着替えさせられる。


 お着替えが終わると、トントンとノックの音が鳴った。


「どうぞ」

「メリアお嬢様、お客様がお見えになりました」


 使用人が、ノエルとミリーナをわたしの部屋に案内してきた。


「メリア様、ごきげんよう」

「ノエル、ミリーナ、ごきげんよう。お越しくださりありがとうございます」


「メリア様、とてもお美しいですわ」

「まるで花の天使のようでございますわ」


 ノエルとミリーナのわたしを見る目が眩しすぎますわ。


「ありがとう、ノエル、ミリーナ。それと、お二人にもお着替えをしていただきますわ」

「えっ?」


 ノエルとミリーナは使用人たちに連れられ、お着替えが始まった。

 お着替えが終わると、二人はわたしの前に姿を見せた。


 ノエルは水色を基調にしたドレスでまるで水の妖精さんのよう、ミリーナは黄緑色を基調にしたドレスでこれもまた森の妖精さんのようだわ。


「メリア様、このようなドレスを着させていただきましてありがとうございます」


「初めてお伺いして、このようなドレスを着させていただけるなんて。夢にも思いませんでしたわ。メリア様、ありがとうございます」


「ドレスに着替えていただいたのは、セシルをお迎えするためですわ。あと、ドレスはお二人にプレゼントいたしますわ」


 ノエルはセシルが来るかもしれないとわかっていたのでそれほど驚いていなかったけれど、ミリーナは強張った顔をした。

 緊張するのも無理はない。


 わたしたちの支度が整った頃、間も無くセシルが到着すると連絡があった。

 家族、使用人総出で玄関口でセシルの到着を待つ。


 しばらくすると、王宮の豪華な馬車が入ってきて玄関口で止まる。

 馬車の扉が開くとセシルはフィーリア騎士団長にエスコートされながら降りてきた。

 いつ見ても優雅で可憐ですわ……。

 

 今日の護衛騎士は、フィーリア騎士団長のようだ。

 お互いに優雅な挨拶を終えた後、わたしのお部屋にセシルたちをお連れした。

 

 わたしたち4人はテーブルにつき、フィーリア騎士団長はセシルの斜め後ろで待機をする。これから4人のお茶会が始まる。


「メリア、お父さまから許可を勝ち取ってきましたわ」


 セシルはどんな方法で許可を取ったのだろう。

 わたしなら可愛い笑顔でお願いされたら即許可を出してしまいそう。


「セシルが来てくれて本当に嬉しいわ」


 ミリーナが固まっているのを忘れていましたわ。紹介しないと。


「セシル、新しいお友達を紹介いたしますわ。Aクラスのミリーナです」


 わたしは、ぽんとミリーナの背中を軽く叩くと、ミリーナは、はっとして挨拶をした。


「お初にお目にかかります。王女様。わたくし、ミリーナ・エクストールと申します」


「初めまして、ミリーナ。学校や非公式の場ではもう少しくだけて話してもいいわよ。わたくしを『セシル』と呼んでちょうだい」


「セシル様、『様』付けだけはご容赦ください」


「ええ、それで構いませんわ」


 ——セシルの無垢な笑顔、ミリーナの少し恥じらいが混じった笑顔、たまらないですわ。


 本日の目的はミリーナの特訓だ。

 お茶を済ますとすぐにお勉強に取り掛かる。


「ミリーナ、こちらの本をお貸しいたしますわ」


 わたしが作った、貴族学校卒業するまでの座学の参考書である。

 セシルとノエルも欲しそうな目をしていたので渡すことにした。

 10冊は同じものを作っているので問題ない。


「メリア様、これほど分かり易い参考書はございませんわ。ありがとうございます」


 資料作成はわたしの得意分野なのよね。

 わたしたちはミリーナの苦手なところを手取り足取り教えていった。


 一度にたくさん詰め込んでも意味がないので、程々のところでお稽古に移ることにした。


 わたしたちは、稽古着に着替え稽古場に向かう。

 稽古場は以前までは屋外だったが、魔物襲撃の件で屋内用に改修されていた。


「ミリーナ、まずは魔力コントロールの練習をしましょう。わたくしの両手をとってください」

「はい、メリア様」


 ミリーナはわたしの両手をとる。セシルとメリアは個人練習だ。


「では、わたくしの魔力をミリーナに流しますので、目を閉じて感じ取ってください」

「はい」


 ミリーナは目を閉じる。

 わたしは、ミリーナにゆっくり強弱をつけて魔力を送る。


「あ、メリア様の魔力が流れてくるのがわかりますわ。とても温かいですわ」


 ——何度も言いますが、わたしの魔力ですからね。勘違いしないでくださいませ。


「はい、ミリーナ。目を開けてください」


 ミリーナは目を開ける。


「どうでした? この感覚を忘れずに自分の体内で魔力コントロールの練習を毎日してくださいね。これがちゃんとできるようになりますと身体強化も難しくありませんわ」


「はい、わかりました。ありがとうございます」


 魔法の稽古はこれくらいにして、剣の稽古をする。

 ミリーナのスタイルはレイピアを想定したものだった。

 剣の稽古は、セシルが面倒を見てくれた。


 稽古が終わると湯浴みをすることになった。

 脱衣室で使用人がわたしたちの稽古着を脱がす。

 浴室へはわたしたちだけで入る。


「セシル様、メリア様、お背中お流ししましょうか?」


 ノエルと、ミリーナが声をかけてきた。


「ありがとう、お願いするわ」


 わたしとセシルは快く受け入れた。

 わたしはミリーナが、セシルはノエルが背中を流してくれた。


「では、お返しをしないといけませんね。わたくしはミリーナのお背中を流しますわ」


「ええ、ではわたくしはノエルを」


「えぇぇ、申し訳ないですわ」


 ノエルとミリーナはお返しが来るとは思ってもいなかったようだ。


 ——そんな驚く姿も萌えますわ。


 体を洗い終わると、みんなで浴槽に浸かった。


「メリア、とてもいい香りがするわね」


「お湯に疲労回復と、リラックス効果のあるハーブを混ぜているのですわ」


「メリア様、ハーブにそんな使い方があったのですね。驚きました」


 流石のミリーナも考えつかなかったみたいだ。前世の知識だからね。


 浴室から出ると、使用人たちが控えていてくれて室内用のお洋服に着替えさせてくれた。


 夕食が終わると、わたしの部屋に戻り、一泊して明日はみんなで登校する。


 わたしたちは、みんなでベッドに入って寝ることになった。

 フィーリアは寝ずに護衛をする。

 王女様も一緒なので騎士の務めとして当然のことのようだ。


「メリア、みんなでベッドで寝るなんて初めてですわ」


「わたくしもですわ」


「お、おそれおおいですわ……」


 ——わたしはドキドキが止まりませんわ!


 わたしはセシルとノエルに挟まれ、ミリーナはノエルの隣にいる。

 わたしたちはお互い手を握り合う。

 しばらくすると、ノエルとミリーナは安心してくれたようだ。


「今日は、お父さまを説得して来れてよかったですわ」


「メリア様と一緒に寝させていただけるなんて感激ですわ」


「メリア様にお声をかけていただけて、本当に幸せですわ」


「ええ、わたくしも幸せですわ。またみんなでお泊まり会をしましょうね」


 フィーリアが、早く寝ろとばかりに布団をかけて灯りを消した。


 消灯後もくすくすとお話をしてた……はずだったのだが。

 知らない間に、わたしたちはみんなで手を繋ぎながら眠りについていた……。

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