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ノエルがいじめ男子を撃退する!

 今日から貴族学校では、本格的な授業が始まる。


 午前中は座学中心で、午後からは実技となる。

 座学についてはほぼ聞いているだけの状態だ。

 わたしは当然として、セシルもノエルも3、4学年先まで学習済みだ。


 通学は馬車で、セリアが同乗して送ってくれた。

 馬車を降りて門をくぐるとセシルの姿があった。


「セシル、ごきげんよう」


 わたしはセシルに満面の笑顔で優雅に挨拶をする。


「メリア、ごきげんよう」


 セシルも眩しいほどの笑顔で挨拶を返してくれた。

 倍返しはずるいですわ……。


 おっとりしていると、ノエルも駆け込んできた。


「セシル様、メリア様、ごきげんよう」


 ちょっと息を切らしたノエルもたまりませんわ……。


「ノエル、ごきげんよう」


 わたしとセシルは優雅に挨拶を返す。


「今日から授業が始まりますわね」


「そうですわね。午前中の座学は物足りないかもしれませんね」


「私もメリア様のお陰で3年生まで座学は大丈夫です」


 ——わたしがノエルをみっちり鍛え上げたからね。


 私たちは、入学式の時と同じ光景を目にしながら教室へ向かう。

 高貴なお嬢様の宿命というものかしら。


 教室に入り、席に着くと段々と学生が揃っていく。

 教師が入ってきて、いよいよ初授業が始まる。


 最初の座学の授業は文学だった。

 文学といっても小学1年生レベルの国語だった……。算術も同様だった。


 しかし、比較的面白かったのが魔法の基礎理論の授業だった。

 ファンタジー要素がたくさん詰まった授業でとても楽しかったですわ。


 昼食は豪華な食堂でのランチだった。

 Sクラスの学生には指定席まで用意されていた。

 もちろん食事は自分でメニューから選んで自費で購入する。

 

 わたしとセシルはお揃いのメニューを選んだ。

 ノエルはメニューを見て悩んでいる。


「ノエル、どうしましたの?」


「メリア様、わたくし本当はお二人と同じものを頼みたかったのですけれど……」


 グロッサム男爵家はランチを渋るくらい厳しいのだろうか。


「ノエル、大丈夫ですわ。わたくしたちと同じものを食べましょう」


 わたしとセシルでノエルのお金で足りない分を補ってあげた。


「セシル様、メリア様、よろしいのでしょうか」


 大丈夫。先行投資も兼ねているからね。


「大丈夫よ、気にしないで。メリアの言う通り三人一緒がいいいわ」


 セシルは純粋無垢な笑顔で返した。わたし少し胸が痛いですわ……。


「セシル様、メリア様、本当にありがとうございましゅ」


 あ、また噛んだ。狙ってやってないよね?

 わたしたち三人は、同じメニューを選んで指定の席についた。


 ——お友達とお揃いのランチって、しかも美少女を眺めながらなんて幸せすぎますわ。


「それでは、いただきましょう」


『いただきます』「しゅ」


 ——ノエル、食べてる最中はやめてね。吹き出してしまいますわ。



 食事中、嫌な目線が気になった。

 敵意のある目線。その先はノエルだった。


「ノエル、席を交換しましょう」


「メリア様、よろしいのでしょうか?」


「よろしいも何も、わたくしが気づかないとお思い?」


 わたしとノエルが席を入れ替わると、わたしの目線に入った学生たちは目を逸らした。


「メリア様、ありがとうございます」


「さぁ、お食事を続けましょう」


 その後は何事もなく、食事を終えることができた。

 


「午後は実技のお稽古ですね」


「ええ、更衣室に行って稽古着に着替えましょう」


 振り返るとノエルが少し不安気で遅れて歩いていた。


「ノエル、大丈夫よ。ちゃんとお稽古したじゃない。剣のお稽古もアレを使えば問題ないわ」


「メリア、アレとはなんですの?」


「セシルにはできると思いますけど、後でこっそりお教えしますわ」


「ええ、楽しみにしていますわ」


 ノエルは魔法の素質は悪くなかった。

 けれど、体術系は体格のせいもあり苦手のようだった。


 ノエルにこっそり身体強化ができるように特訓させたのですわ。

 わたしは不安気なノエルの手を引っ張って更衣室へ向かった。


 更衣室で制服から稽古着に着替える。


「メリア、お待たせ」


 セシルの稽古着姿を見たら卒倒しそうになった。

 学校指定の稽古着は反則ですわ!


「セシル、とても凛々しくてお似合いですわ」


「あら、メリアこそ素敵ですわ」


「セシル様、メリア様、お待たせしました」


 ノエルも負けじと劣らずですわね。


「メリア様?」



 午後の最初は剣のお稽古からだ。

 稽古場にSクラスの学生たちが集まってくる。


 Sクラスの稽古を担当する教師は……パワード先生だった!


「皆さん、お初にお目にかかります。私、パワード・ソルジャーノと申します。Sクラスの担当として卒業までお世話いたします。よろしくお願いいたします」


『よろしくお願いいたします!』と学生全員が元気よく挨拶した。


「おお、メリアお嬢様。お久しぶりでございます」


「お会いできて嬉しいですわ。パワード先生」


 何か、みんなに注目されていない?



「それでは、今日は皆の実力を見させてもらいます。相手を組んで模擬戦をしていただきます。ちなみに、メリアお嬢様は私と組んでいただきます」


 パワード先生の発言に学生たちは驚いていた。

 まぁ、手加減しても他の学生に怪我をさせてしまう可能性が高すぎるからね。


 セシルは王女とあって対戦相手の申し込みが殺到していた。


 ノエルは……食堂で鋭い目線を送っていた男子学生三人に囲まれていた。


「パワード先生、少々失礼いたしますわ」


 わたしはノエルの元に向かった。


「グロッサム男爵家がいい気になるなよ」


「座学で3位になったからといって、いつまでもそこにいられると思うな」


「俺たちの相手をしてもらいましょうか、へっへっへ」


 ——テンプレ的モブキャラね。


 わたしはノエルと三人の男子学生の間に立った。


「あら、わたくしのノエルに何をなさるのでしょうか」


「め、メリア様……」


 ——あんなに威張っていたのに、目上の人間には弱いのね。


「ノエル、1対3でお相手して差し上げなさい。あなたなら大丈夫ですわ。わたくしが保証いたしますわ」


「メリア様……。わかりました。お受けいたします」


 ノエルは覚悟を決めたようだ。

 自分自身に身体強化を施して臨戦態勢になっている。


 ——頑張れ、ノエル!


「パワード先生、よろしいでしょうか?」


「うむ、メリアお嬢様が自信を持っておっしゃったことだ。認めましょう」


 ノエルと三人の男子学生との模擬戦が始まる。

 使用する武器は稽古用の木の剣だ。


 ノエルは剣を両手で握る。流儀はわたしと同じですわ。


「そんな妙な型で何をするのかな? お嬢様」


「弱いものほど、よく吠えると言います。黙ってかかってきてください」


「男爵家のくせに生意気な」


 男子学生は一斉にノエルに襲いかかる。

 ノエルは三人の動きを見極め、相手の攻撃を時間差で剣でいなしていく。

 

 ——流れるような動き、素晴らしいですわ。


 男子学生たちが動揺している隙をついて、胴、肩、腕と次々と突いていき相手を無力化させた。


「そこまで。勝者ノエル様」


 ノエルは「ふぅ」と息を吐いた。


「ノエル、素敵でしたわよ」


「メリア様のお陰です。これほど強くなっているとは思いませんでした」


 ——うん、わたしも予想以上でびっくりしましたわ。

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