71/103
エスパー(12月16日 木田 保美) ⑤
からりと、ドアがあいた。
舞と、ひなた。舞が少し先に、ずんずんと大股で入って来る。そのあとを、ひなたが、ちょっと目を伏せぎみに。
「おはよ、」
ちいさく、通りすぎざまにそう呟いて、舞は席についた。目は、あわない。なんだか、様子がおかしい。
「おはよう。」
そう、声をかけて、それから何か言おうとして──、保美は黙ってしまう。
二拍おいて、気をとり直す。やっぱり、話題にしないのは不自然だ。
「……ねえ、きのうの……、」
「なに?」
ちょっと、とげのある目で、舞はこちらを見る。
「きのうのアレさ、……なんだったのかな。」
「さァ……、どうでもいいんじゃない」
舞は、そっけなく言って、ぱちぱちと目をしばたかせた。
やっぱり、なにか、おかしい。
「ねえ、マイちゃん」
先に席についていたひなたが、いつになく高い声で。
「……栗山くん、今日、かっこよくない?」
「……はぁ?」
おもわず、すっとんきょうな返事をしてしまう。自分に言われたわけでもないのに。
「朝から、……いや、その」
舞は、そっぽをむいて黙っている。
「え?」
「……なんでもない」
なんだろう。
なんだか、クラスが浮ついている。




