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へんな子たち  作者: 楠羽毛
異世界から来た少女
23/103

異世界から来た少女(8月2日 下田桃花) ①

挿絵(By みてみん)

 思い出したのだ。

 わたしが、どこから来たのか。



 夏休み──、


 梅雨つゆはとっくにあけたのに、朝から大雨。

 大粒の雨が、叩きつけるようにアスファルトを打つ。

 熱帯低気圧。こんな日の昼間に、傘をささずに立っている人はいない。


 ふつうは。


「……なにしてるの?」

 赤と黒のチェック模様の、ちいさな傘。まっすぐに持って、レインブーツをはいた少女が、近くで立ち止まる。知り合いのような気もする。顔をみても、よく思い出せないが。

 桃花とうかは、落とした傘の柄に、右手の指で触れたまま、ぼんやりと空を見上げていた。雷鳴らいめい。傘をさしていてもあまり変わらない大雨だが、もう全身、海にとびこんだようにずぶぬれで。

 もう、五分ほどもたっただろうか。時間の感覚が、わからなくなっている。

「ねえ!」

 少女は、ちょっと傘をふるわせて、眉根を寄せた。びちゃりびちゃりと無遠慮ぶえんりょな足音をたてて、近寄ってくる。

 手が、こちらに伸びる。指先が服にふれる。


 ──静電気!

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