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へんな子たち  作者: 楠羽毛
アイスクリーム
18/103

アイスクリーム(7月12日 松浦真優) ③

「……うげ、」

 午後8時。

 いつもの……いや、最近、後ろめたさからさぼりがちな習慣。風呂あがりの体重計。脱衣場から出てすぐ、リビングで。

「姉ちゃん、太ったん?」

 ソファに座っている弟が、さして興味もなさげに、まんが本から顔をあげる。

「……ちがう」

「え?」

 二人で、デジタルの数字を見下ろす。それから、顔を見合わせる。

「……壊れたんじゃね?」

「そうかも、……」

 一週間ばかり前の数字を思い浮かべて、比較する。さすがに、ありえない。

 まさか、肉をそぎ落としたわけでもないのに。



 さかのぼって、夕方。


「……ちょっと、舐めすぎたかなぁ」

 保健室のドアを、からりと閉めて。

 赤い髪留かみどめをした、背の低い少女が、ちょっと眉をひそめてつぶやいた。

 白い舌を出して、はぁっと、バニラの香りをするため息をついて。


(アイスクリーム 了)

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