その魔力、代替品につき(おつきさま)
翌日。
普段は剣の稽古をサボるために使っている別館の噴水前。しかし、今回は珍しくサボり以外の目的で私はここに来ていた。
今日はエリザベータが直々に魔法を教えてくれる日だ。
私は、何故うちの大人たちは子供に魔法を隠しているのかを聞いた。それに対するエリザベータの回答は簡潔で、単にウルフェンは自分の使える、エヴァンレイズの魔法を嫌っているってだけとの事だった。
ウルフェンが使えるということは私だって、ヴァルリだって血が繋がってるんだから同じ魔法を使えるだろう。だから嫌らしい。
「どんな魔法も使い方次第なんだけどね。傷を治す魔法だって毒になるし、結界を張る魔法だって守るだけじゃなくて破壊が伴う。難しい言い方をしちゃったけど、絶対に良い事しか起こらない魔法なんてないんだよ」
エリザベータの魔法に関する考え方は、私が思う化学や医学といった物と同じだった。本質はどれも一緒だ、それは人に使われる手段に過ぎず、それ自体に善悪はない。
まあでも、そんなの思想の違いだ。悪い奴が魔法を使うから魔法は悪くないって考える事も出来れば、魔法が人に驕りを与えて凶暴にしてしまうから魔法は悪いって考える事も出来るっていう、ただそれだけの話。
大した事無かった。そんな程度の理由ならと、私は話し終えた瞬間にエリザベータに魔法の使い方を教えてと乞うた。
そして今日、というわけである。
「あら、リアちゃん早いね。数学の授業はもう終わったの?」
「ひゃはは、いや〜。勿論だよ、私頭いいからね!」
嘘である。頭は良くない。ただ、流石に2桁の掛け算と割り算は出来る。前世ブーストがあるからね。
木剣を振る時は動きやすいように出来るだけ軽装にするが、魔法を使うのに別に服装は関係ないとの事なので普通の私服で来たわけだが。
なんか、なんだろう。
エリザベータは私服とは言い難い服装をしている。
やたら紐がびろびろしてるボンテージ? みたいな紫色のドレス。
エロい。エログッズ屋さんに置いてあるタイプのコスプレみたいだ。
痴女っぽい格好したら魔法力とやらにブーストがかかるんだろうか? 私も薄着になった方が良さそう? 全然寒いけど、今日。
「ん、どうしたの〜リアちゃん。目がいやらしいよぉ?」
「いやあ、そんな格好してる母上に言われても……」
「あらっ! あ〜、まあ確かに、子供には刺激が強かったかな? 一応これ、ママの勝負服なんだけどなあ」
「やめて?」
何言い出すのこの人。こわぁ。
薄々そんな気はしていたが、やっぱ元いた世界とこの世界じゃ、性的な倫理観も結構異なってるな。
裏でレイプする悪者は湧いて出てくるくらい居ても、表で露出する一般人はレアキャラだもんな〜。あっちの世界。
……てか、私が生まれてからミリも見た目が成長していないと思っていたエリザベータだが、胸や体付きの女性らしい凸凹はちゃんと変化しているようだ。
授乳を受けていた頃よりずっと胸が成長している、3カップ位は育ってそう。
「ふんっ」ベチッ
「リアちゃん? どうしたの、ほっぺに虫でも止まった?」
「うーんそう。顔ダニが噛んできて痛かったから」
自分の頬を叩いた私の姿にエリザベータは目を丸くしていた。
母親の姿につい女を見出しかけた自分のキツさに一喝を入れただけだがそんなこと言えないし、テキトーな事を言って誤魔化す。
「それで、リアちゃんは魔法を使うにあたってどこでつまずいているの?」
そして何事も無かったかのように魔法の特訓へとステップが進んだ。
どこで躓いているのか。魔法を使うにあたって、まずなにが難しくて行き詰まっているか。
ふむ。
「それはもう、そもそも魔力ってものを感じる所からつまずいてるよ」
「えっ?」
「えっ」
「えっ??」
「……えっ?」
「ああ……」
なんですかその反応は。なんですかその間は。くどいですよ。
「あの、どしたの?」
「いや、えーっ……と。うーん、とね。意外と初歩の初歩でママびっくり……」
そんな反応するレベル〜?????
とことん才能ないんだな私。素の困惑をここまで引き出せるとは思わなかったよ。
やっぱ魔法使いってインテリ系な匂いするし、頭を使うのとか向かない奴には使いようがないのかね。
「はあ……」
「あっ、あーっ! でもっ、最初の1歩で躓いたってだけでもしかしたら後々大魔法使いになれるのかも!?」
「私、もう結構練習したんだけどな……」
「その日の調子とかあるからっ! ねっ!? 大丈夫、これから頑張るんでしょ!! 気を落とさないでっ!」
いじける私を懸命に励まそうとするエリザベータ。その必死さがかえって辛い。優しさが胸にしみるよ……。
でも私の魔法、というか呪いはシャレにならない被害を出しかねない的な事をベルヴィさんは言っていた。
才能の有無に関係なく、やっぱりある程度コントロール出来るようになっておかないと駄目だよな。リスク管理ってやつだ。
気は進まないけど無理で元々。ダメ元で根気強く挑戦はしてみよう。即死魔法的なノリのやばげな奴があったら、それ自分で食らっちゃいそうで怖いし。
「それで、どうやったら魔力を感じれるようになるの? 母上は最初、どんな風に魔力を感じ取ってた?」
「あら、もういじけタイム終わっちゃったの? 可愛かったのに〜」
「からかわないでよ! いいから教えて! どうやって感じ取ったの!!」
「あはは、ごめんねぇ。じゃあまず、手を出して」
言われた通りに手を出す。
そういえば、ベルヴィさんも私に魔力を感じさせる時手を出すように言ってた。皆最初は同じ工程を辿るのかねぇ?
とりあえずエリザベータと手を繋ぐ。繋ぎ方は互いの指を絡める、所謂恋人繋ぎというやつだ。
「魔力っていうのは基本ずっと体内に満ちてる物だから、変に意識しようとしなくてもコツ1つで分かるものなんだよ」
「むむっ、具体的にそのコツというのは?」
「ズバリ、外部から刺激を与えてあげればいいのさ!」
「刺激」
心当たりがあった。ベルヴィさんと触れ合った時に光のなんとか? で弾かれた時のやつだ。
「ちょっとビリッとするよ〜。吸魔力」
エリザベータが単語を呟くと、彼女の宣言通り手にビリッと静電気のような軽い衝撃が走った。そしてやはりベルヴィさんの時と同じく、手の内側には不思議な熱が篭る。しかしそれだけではなかった。
「あれ? この感覚、知ってるのと違う……」
なんて言えばいいのか。熱を持った手のひらから肘、肩、胸を通り心臓、そして全身に至るまでまるで何か糸のような線が通ってるような感覚がする。
「一応魔力を感じた事自体はあるんだ。なぁんだ、才能ゼロってわけじゃないじゃんか〜」
「他の人に手伝ってもらったんだよ。ほら、近くに教会あるでしょ? そこの人に」
「そうなんだ。いつの間に1人で外に出れるようになったんだねえ〜」
「ぎくぎくぎくぅ!?」
いやまあ、別に悪いことしたわけじゃないからギクギクする必要は無いんだけどね。ノリ的なやつね。
「その話はまたの機会にするとして。知ってるのとは違うっていうのは、どういう風に違ったの?」
「ん、前に感じた時は弾かれてその後に自分の手の中だけが熱くなってる感じがしたけど、今はなんか全身に熱が行ったり来たりしてるような。そんな感じがする」
「なるほど。なら狙い通り! よかった〜」
エリザベータはニコッと笑いながらそう言った。どういう意味なのか、早く事の解説に移ってほしいものだ。
「この熱い感覚が魔力、なんだよね?」
「うん、その体の中にある暖かいのがリアちゃんにとっての魔力。でね、全身にその暖かいのが巡ってる感覚もあるんだっけ?」
「そうだね、なんて例えたらいいのか分からないけど、全身に数本のケーブルが通ってるみたいな……」
「ケーブル? ん、まあいっか。それは魔力経路って言うんだよ」
「魔力経路?」
魔力経路、血管みたいなものか? 魔力が血液みたいなものなら、それが通る為の道があるのは当たり前だもんな。
「魔力経路まで感じ取れるって事はやっぱり才能はあるよ! 魔法を使えない人の中には魔力経路を感じ取れないくらい小さな魔力しか持ってない人なんかも居るからね! リアちゃんは才能ありっ」
「なるほど? そういうもんなんだね」
よく分からないが、褒められているのは分かるので喜んでおく。やったあ!
ガッツポーズをしたらエリザベータと手が離れた。
「ふふっ。魔力経路は魔法を使う時に必要な感覚で、なんて言えばいいかな。例えば風の魔法で高く跳ねたいなって時は魔力経路を通じて足裏に魔力を集中させる、みたいな感じかな?」
魔法とやらを使う時の基点を指定する時に必要って事ね。
「うーん。でも魔法を使う度に一々体ん中の魔力経路に意識をやって部位を指定してたら、魔法を出すのにタイムラグが生じそうだけど」
「まあそうだね。そこは慣れかな」
「慣れなんだ」
当たり前か。一番最初に自転車に乗る時や鉄棒で逆上がりする時と同じだよな。
「当然、魔力の流れを感覚で掴むのが不得意な人や、出来はするけど時間をかけちゃう人って沢山いるんだけどね。その過程を簡略化する為に、詠唱や術式っていうものもあるんだよ」
「詠唱? 術式?」
「そう。詠唱は、魔法発動までの過程を言葉で表す事で肉体に感覚を刷り込む技術。術式は条件を指定することで、その条件を満たした場合に自動的に魔法を発動できるようにする技術、かな。今はこの2つで魔法を使うのが主流で」
「な、長いよ〜……」
分からないってそんな長文で言われても……。頭を抱えていたらその頭にポンッと手が置かれた。
「言葉にするから小難しく感じるけど、実際はそんな事ないから。物は試しだ、やってみよう!」
「えっ、そんないきなり!?」
「まあまあ。ほら、手を前に出してぇ? 手が照準になるからね、中指が横軸の中心手のひらの中心が縦軸の中心だよ〜」
「えっえっ、アイアンマン!?」
思い浮かんだのはアイアンマンである。確かアレ、手からビームみたいなの撃てるもんな?
どっちかと言うとスパイダーマン派だからあの糸射出ポーズを取ってみたいが、上手くいかないだろうし自重自重。
「よし、ターゲットロックオン! 目標はあそこの噴水! ぶっ壊しちゃお〜」
「ええええっ!?!? 何言って、やばいだろそれは!」
「だいじょぶよ〜、一発目の魔法なんて大抵不完全燃焼気味に終わるんだからさ。パーッとでっかい狙いをぶっ壊す勢いでやった方がスッキリ出せるってもんだよー!」
あれれ、こんな頭悪そうなキャラだっけ?? エリザベータ、貴族の妻ポジなのにそんな豪快なパワーキャラだった???
エリザベータは私の腕を抑え、耳辺りに顔を置いてスナイパーライフル気分で私の手の甲越しに噴水を狙っちゃってる。
エリザベータは耳元で何故か囁くように私に次の指示を出した。
「さっき言った軸を意識して、縦軸と横軸の交点が魔法の出る中心点だからね。そこをよーく意識して、魔力を手の中に集めてみて」
「え、うん……」
むずいむずいっ!!
てか交点て。うひゃひゃっ、パワー系なのかインテリなのかよく分からんくて笑えるわなにこいつっ、うひゃひゃははっ!
顔面がにやけるのを押さえて、言われた通りに。集中する。
……熱はついさっきまで感じてた、もう三回目だ、大丈夫、今なら魔力の感覚も集められる、筈だ。多分。きっと。めいびー。こーるみーめいびー。
「そう、ちゃんと魔力を集められてるね。なんだ、やっぱりリアちゃんは魔法の才能もちゃんとあるんじゃない」
「そう、かな。痛っ!」
熱を集めていると中でピキっと鋭い痛みが走った。大したことない痛みだが、何かが切れるというか、壊れるような。
「母上、今のって」
「ん、初めて魔法を使う時に走る痛みだよ。大丈夫、血が出たりはしないからね」
「わかった」
所謂破瓜的な事ね? 初めては少し痛いってやつね。ふむふむ。
「いい感じだよリアちゃん。その調子その調子、ゆっくりと手の中から外に、表面に魔力を集めていって」
この調子らしい。意外にも神経のいる作業だ、手の中の熱は繊細で、少し緊張が解けると弛緩して温度が下がってしまう。
「それじゃあそのまま、私の言った言葉を続けて言ってみて」
「……わかった」
「真理を拒絶する界外の混濁」
……?
今言ったことを言えって? キッツ。痛ましいぞなんか。
「リアちゃん?」
「う、うん」
「真理を拒絶する界外の混濁、どうぞ?」
「…… 真理を拒絶する界外の混濁」
「13番目の夜、明星により賜れた126の厄災が1」
「……」
「13番目の夜」
「13番目の夜……」
「明星により賜れた」
「あけぼしによりたまわれた……」
「126の厄災が1」
「ひゃくにじゅうろくの、やくさい……が、いち」
なんの呪文なんだろう。でも、言葉にしていると確かに、体内で私の意識を無視して勝手に何かが起こっている感覚がした。
分かる、分かるぞ。今ならなにか出せる気がする! 1週間にも渡る便秘が解けるような、そんな確かな確信が私の全身を巡っている!
いける、出せる、ブリリアントだ!!!
「金曜に石英。黒耀の刃」
「きんようにせきえい、こくようのやいば」
「告げる」
「告げる」
何を告げさせられるのだろうか。告解するべき事なんて何も無いが。清廉潔白の純真無垢なのでな。
「出づる刻淵」
「るきふぐす」
と、それだけ唱えるとただそれだけで。勝手に私の手の中にあった魔力が皮膚から出て、固まって、棘のようになって手から飛び出して噴水の縁をぶっ壊した。
びびった。バカァンッ! なんてド派手な音を立てるものだから、その破壊力に腰が引けてしまった。
言葉を吐くだけでバチバチに殺傷力のある攻撃出来るのやばすぎる。色々規制した方がいいだろ。
無意識に魔法なんか使う言葉なんていたら怖すぎるな……。
けど、これって、成功だよな!
「やっ、たあ! やった、出せた!! 魔法出せたあ!!!」
「あ、あはは〜! うん、さっすが私の可愛いリアちゃんだ!! なんだかんだやっぱり魔法は得意って事なんだよね〜!!」
エリザベータは私の脇に手を差し込んで持ち上げて、2度バンザーイバンザーイと頭上まであげた後に思い切り胸に抱き寄せた。苦しい。
「母上ぇ、どうしたの……? ちょっと大袈裟じゃない?」
「大袈裟じゃないよ〜!! リアちゃん、魔法の事で上手くいかなくって普段より元気なかったんだもん!」
「そうかな」
「そうだよ! 退屈だ、つまんないなって顔じゃなくて、なんでこんな事も出来ないんだって顔してたもん! 直接言うと傷つくと思うから言わなかったけど……」
「そうなんだ、そんな見られてたのか、私……」
確かに少しずつフラストレーションは溜まっていた、それは認めるが。それらが見られていて内心見透かさていたって知ると小っ恥ずかしい。
「やっ、でも詠唱術なんて割と誰でも出来るからね! こんなので満足しちゃだめだよ甘いよ〜!」
「むぎゅぎゅぎゅ」
厳しめな事を言ってはいるけど胸に顔面押し付けられてるからなあ。相殺余りあってもう何も考えられないよ〜。
……魔法、魔法か。
「ねえ母上、私でも使える魔法ってさっきの以外にもあるかな」
「うん? もちろんあるよ! ママの娘だもん、闇属性の魔法ならきっと何でも使えるよ!!」
「闇属性かあ」
さっきのもそうだけど闇属性ってなんか攻撃性高すぎるイメージあるんだよなあ。
もっとこう、草とか花とか? そういう優しいナチュラル系の魔法使いてえな〜。花の魔術師とかエモい感じの2つ名欲しいわ〜。
「でもリアちゃんは魔法に慣れるまでは練習する物も選ばないとだなあ。まずは……こう言うのとかやってみる?」
エリザベータは私を離して、拳を作って小さく『紫炎』と唱える。そして掌を開けると、蕾が花開くように紫色の炎が立ち上がった。
「あっそれ! 昔見たやつだ」
「えっ見た事あるの!? あれ〜?? パパに見せちゃダメって言われたから気をつけてたんだけどな……リアちゃん、夜更かししてたの?」
「夜更かしっていうか……」
「だめだよ〜! 夜更かしはお肌の大敵、それにおっぱいだって育たなくなっちゃうよ〜!!」
「あなた貧乳じゃないのよ」
「バカ! この形こそ最も美しいんだよ! ママは美乳なの、サイズじゃないんだからね戦いは!」
「はあ、そう」
何との戦いなんだろうか。確かに風の抵抗は少なそうな流線美ではあると思う。
その日は日が暮れるまでエリザベータに魔法練習に付き合ってもらい、火を出したり煙を出したり色んな魔法を使った。
天井あったら火事起こしそうな火柱になったり、火災現場くらいの爆煙が舞い上がったりした。
エリザベータ曰く、魔力の量がイカれてるとの事だった。エリザベータ譲りらしい、喜ばれると同時に「ここら辺の魔法は使用禁止にした方がいいなあ」と言われた。
言われるだけで済まず、なんか封印? っぽい事された。プラマイゼロ超えてマイナスである。
魔法全体を封印する訳ではなくて、魔法で使う時に引き出される魔力の上限値を制限したって言ってた。よく分からないが、魔法事故とやらを起こさないよう定められた法律に基づいた処置らしい。
ただ、この封印を施された後に炎を出そうとしたり煙を出そうとしたがそれらが使えなくなってしまった。これに関してはエリザベータも意味がわからないらしい。てか、魔力の上限値を半減するつもりが少し弄ったら一気に2割ぐらいまで低下しちゃったとも言っていた。
……わからんちんである。
わからんちんだし、8ヶ月後にはヴァルリと第2回チャンバラ喧嘩大会が控えてる。木剣振るのもそろそろ再開しないと、ワンチャンヴァルリに負けたりウルフェンにぶち怒られたりしかねない。
体なんて動かしたくないから魔法の方を優先したいが、まあ半々だ。自分の時間を減らしたくないからチャンバラ振りを半分、魔法使いごっこを半分。
「……」
めんっどくさいなあ〜。
好奇心上回ってめんどくさい。もういいよ魔法、満足した。達成感得れた。もういいよ木剣、満足した。今更握りたくない。
元々何者でもなかった、秀でた才能も無ければするべき事もないような奴だったのに、なーんでこんなスケジュールキツキツにしなきゃいけないんだ??
「よし」
布団を被って目を閉じる。寝る前のルーティン、その日その時に抱いた不満をそのままの言葉で反芻する。
おまじないを終えると私は睡魔に微睡んだ。




