金色の翼と天使と狼の意味
(温もりは、胸のなかで)
初陣を、終え、我々04分隊は、正式に財団所属の第472中隊01小隊付き04分隊と、配属された、その途中、道場には、噂を聞いた、他の中隊から、ヘッドハントが、訪れたが、皆この分隊で、やっていこうと決めていた。
そして、威信の3週間の謹慎明けの前日、香月達は、珍しくバリカンを持ち、威信を、囲んでいた、威信は、香月達のバリカンをみて、箒を持ち、中庭で、威信を追い詰めていた。
「トキー!観念して、そのぼさぼさの髪を切られる観念しろ。」
大倉が、にやにやしながら、威信に警告する。
「今なら、坊主は、見逃し。短髪にして、やる。」
「仲間だろ!髪形なんて関係ないだろ」
威信の叫びは、威信の髪形を見たら、門下生達も
「無いは~、その髪型は無いは~」
「え!皆まで!」
師範達も気になっていたようで、囲みに、師範達も加わり、縁側では、笑いながら、大先生が、はしゃいでいる。
その時、威信の後ろから忍び寄っていた、鬼姫が遂に威信を、捕まえた!
「捕まえた。」
「!」
同時に、威信は、04の仲間に、後ろ腕を縛られ、椅子に、座らされたのである。
「変な、髪形にしないから、動かないのよ、私は美容師の仕事もやってるし、この道場の子達の髪も切ってるから、安心しな」
「うぐうぐ~」
大先生は、何も猿轡まで、付けんでもと、思いつつ、威信の髪の散髪を皆で見ていた。
「さて、周りをバリカンで、借り上げてしまいましょう、次は、前髪を、眉毛に合わせてと」
アヤメは、その姿を見た時に、胸が高鳴ったのを、初めて経験した、それが、初恋であるのに気が付くのに、時間はかからなかった。
鬼姫は、髪のセットをし、短髪になった、威信を見て、中々の出来栄えねと、言う顔で、猿轡を取り、威信に、手鏡えお渡した。
「寒い」
龍色兄が、ツゥコミを入れる。
「最初の感想がそれかよ、中々の男前じゃねえか?」
日ごろから、床屋や、美容院には、興味がなかった、威信は、180度変わってしまった、自分を、手鏡でみながら、まさか、最後にこんな事を考えていたとは、不覚だった。
「さて、これで、実家に帰れるね、三週間の謹慎もあけて、明日から学校だから、頑張っておいで!」
「は~い」
ふて腐れている威信を見て、鬼姫は、眉間に怒り印を出しながら、『14!返事!』
「イエス!マム!」
大先生が、威信に、話しかける。
「お主は、もう実戦経験者じゃ、対外怖いもの無しじゃろうて、お主自身の目で、見てこい、このくだらないと思える、世界でも、そんな、世界に、色を付けてこい」
威信は、大先生が、世界を自分の一枚の絵にしてこいとは、中々の乙な言葉だと、思い、初めてのタッチを入れるには、髪形を変えるのもいいかもしれないと思い、手鏡を鬼姫師範に渡し、庭の掃除をはじめた。
そんな、イベントの折、同じ学校で、学校内の治安維持を目的として、組織されている、スクールの伊東君が、重い箒を、持ちながら、作戦はどうだったとか、興味津々で、聞いてくるが、威信は、任務の内容は、極秘事項の為、答えられず、困っていたが、彼の興味も解らないでもなかった、何故なら、本来、作戦参加には、彼も準メンバー入りしてたが、真剣の儀まで、あと一歩で、メンバー落ちしてしまって、いたからだ、代わりに、学校の治安維持の隊長として、三週間、首を長くして、修練と、治安維持活動に従事していてのだ、そのかいもあり、イジメの減少は、言うまでもなく、メンタルカウンセリングを、受ける生徒も減ってきていたのである。
しかし、伊東本人は、大きい作戦だったと聞いては、自分も参加できなかったのが、残念で仕方なく、サッパリした、威信に、質問攻めになってしまったのである、後、伊東君が、三週間の課題や授業内容等をまとめた、ノートを、持って来てくれてもいたのだ、流石の威信も作戦前の恐怖が、半端なかったし、変な同僚に、絡まれた事位は、掃除をしながら、話していた、時々鬼姫に、攻撃を食らうのは、長太刀の修練であり、流石にかわしながら等を、持ちながら、掃除と話しを、両立できず、道場に叩き込まれたり、霊木に引っ掛けられたりと、半分涙目で、対応していた。
それろ見かねた、剣師範が、伊東君を呼び、修練をつけていた。
そんな時、鬼姫に、威信は、悪夢とか、寝れないとか無いかを、聞かれたが、正直、睡眠不足である、初任務が終ってから、敵に攻撃が当たらないとか、仲間が、ボコボコにされる悪夢に、よく飛び起きる。
その事を、鬼姫師範に話したら、それも初陣の通過儀礼だとか、さすがに、厳しい師匠の言葉に、龍色君、稲垣君は、スクールで、そういった、事も経験してるのかと、道場を見つめると、鬼姫師範から、よそ見とは、いい度胸だなと、吹き飛ばされる、師匠が聞いてきた事じゃないですか、ピクピク
「まだまだ、甘いな、隙だらけだぞ!」
威信は、師匠が、降ったんっじゃないかと思いながら、基本動作の足運びにて、掃除を続けるのであった。
修練が、21時に終了し、周りを見ると、俺とアヤメさんだけに、目の下に、隈ができている事に気が付き、初めて、自分から、師匠以外の同年代のアヤメさんに話かける。
「失礼かもしれないけど、アヤメさんも、作戦の後から、寝れないの?」
アヤメは、驚きの中で、真顔で返答する。
「そうね、私はまだまだ、メンタルが弱いから、悪夢に振り回されるのよ、貴方も?」
「うん、お恥ずかしながら、熟睡できないかな。」
アヤメは、しらっと、兄貴達みたいに、女を抱いてないんだ?
「は?」
「男はいいわよね、女が癒してくれるから、私は、自力で、噛み破らないといけないから、損よまったく。」
いやいや、俺にそんな時、胸を貸してくれる、女性なんていないよ!じゃ他の隊員には、いるのか?凄い事実を知ってしまった。
「威信も、居るんだ?」
威信は、アヤメの一言に、間髪入れずに。
「いません、同年代の女の子と、話したのも、アヤメさんが、初めての女性に、そんなに都合が、よくいるわけないよ。」
「なら、何で、私に聞いてくるの?」
「何か良い方法か、打開策があれば、教えてくれないかなと、ごめん、軽率な発言でした、わびるよ、ごめん。」
「あの、えと、その、何、私も、イライラしてたし、兄貴達が、あれだから、貴方もそうなのかと、私も、ごめん、また道場でね」
と、言うとアヤメは、慌てて、その場を立ち去ってしまった。
翌日、威信は、寝不足を抱えながら、3週間ぶりに、教室にむかった。
「眠い、流石に、今回の作戦は、思い出していく内に、恐怖心が、付いてくる。」
A組の扉を開けようとした所、鳥川と、会ったが、鳥川は、目線をそらして、通りすぎた、いつもなら、いちゃもんの一つでも来ると思ったが、拍子抜けである、彼も、目の下に隈が、できているな、寝れないのかな?(違います、威信本人が、ボコボコにした傷です。)
席に着くと、隣の香月君が、心配して、話しかけてきた。
「大丈夫か?寝れてないのか」
「うん、流石に、作戦を、思い出す度に、悪夢に振り回されてね、まだまだ、精神訓練が、なってないね、皆みたいに、鋼の心臓に、鍛え上げないと、作戦の度に、これでは、心が、先に壊れてしまうよ。」
「いや、僕もそんなに強くないんだけどね、あの、なんて言うか、その、素直に泣き言が、言える、相手がいるから、その違いかな、龍式達も似たようなものだったよ、作戦終了後は、アドレナリンが、出てて良かったけど、その後が、流石にね、運んだ女性を、落とすとか、いきなり刺されるとか、悪夢になやまされたよ」
「そうか、俺だけが、精神的に、まいってると思ってたから、だけど、俺は、次の作戦参加は、少し後になるかな、最近寝れない日が、続いているなら、鍛えないと」
「それは、福田隊長にも報告しておいた方が、よくないかな?」
「そうだね、授業が、終ったら、中隊本部に、俺とアヤメさんの状況を報告しておくよ」
「了解、道場には、僕から連絡しておくよ。」
すまないとの、感情で、作戦前の悩む時間なんて、生き残りさえすれば、嫌と言うほどある、剣少佐の言葉が、頭を過った。
結論は、出ていない、何回、繰り返しても過去には戻れない、だから、殴られようが、蹴られようが、一方的に、殲滅できるまで訓練に、訓練を繰り返す。
しかし、作戦後は、この苦しみから逃れることはできない、今の俺には特にだ、仲間のアヤメさんに、気の利いた言葉一つ欠けられない、小隊勤務は、入院中の、01隊員が、復帰する事で、稲垣君貴下の04分隊前衛に、配置換えにもなった。
それに、文句もない、それどころか、即出来の、モヤシ隊員では、先日みたいに、上手くいくとは限らない、経験不足、恐怖心との付き合い方、仲間への配慮、なにをとっても、運がよかったからなのだ、精鋭部隊と混成とわ言え、同じ部隊で、戦かったからといって、所詮は、初陣、まして、他の皆と違い、訓練期間5日の即席、運よく塚井総隊長の目にとまり、成り行きで、参加したら、成功してしまったのだ。
解りきっているじゃないか、授業が、終ったら、道場で、納得いくまで、箒を振ろう、降り続けるのだ、それしか、他にいまの苦しみから、解放される、方法には、行き着けないと、結論ずけて、数学の勉強に、耳を向ける。
おかしい、この人、教師が、言っている事が、陳腐に聞こえてくるのだ、まてまて、教科書に目を、おとうすが、自分は、こんなに幼稚な勉強で、躓いていたのか?それとも、イジメの件で、レベルを、落とした事業になっているのか?しかし、今いる新しい教諭は、進学校からの、財団からの推薦だそうだ、なら、違う!くそ!惑わすな!俺は、底辺を行く人間だぞ?そんな、駄目生徒が、何を、理解している?そこまで、調子に乗っているのか?
「時田君、この方程式を、解きなさい」
「はい、2=18分のXです」
いきなり、周りがどよめいた。
隣の香月君もようやく解けたようで、威信の方に、目おやった。
「どうかした?」
威信は、不思議そうに、香月君に、話しかける。
「いや、ここで、聞かれるとは、思っていなかったから、いつ解いたの?」
「見たら、頭に浮かんだ、正直に、言うしかない」
「へ?頭に浮かぶものか?」
「書庫の中の数学のが、吐く位、気持ち悪い教科書だったよ、何回書庫を燃やしてやろうかと思ったか」
「なるほど、相当先まで行ってるんだね、」
数学教師が、髪をいじりながら、ギフティの相手は、はじめてだが、少し意地悪をして、難しく、中学生では、解けない問題を出したのである。
それを、解く香月君もすごいが、見ただけで、回答に、持ってかれるとは、これが、スイッチの入った、ギフティかと、舌を、なめずり、威信の方をみて、語り掛けてくる。
「時田君は、後で指導室まで来るように」
周りからは、威信がカンニングしたんだと、勘違いしながら、関わり合いを避けるため、目線を、そらしていた。
「はい、解りました。」
「香月君、時田君は、次の授業は、カウンセリングと、体育の先生に伝言お願いできるかしら?」
香月は、不思議な、雰囲気で、話かけられる、感覚から、財団からの別件の依頼かもしれないなと、昔を、思い出しながら、返事をした。
「わかりました」
威信は、数学の授業が、終り、数学の神里 由衣先生が、待つ生徒指導室まで、足を運ばしてった、威信は、カンニングとか言われ、また、先生から、白い目で見られるのかと、寝不足の中、ノックして、生徒指導室に、入室した。
そこには、神里先生以外先生は、おらず、対面の椅子に座りなさいと、優しく言われる。
威信は、言われるまま椅子に腰を、かけると神里先生から、珈琲は、ブラック?それとも他の飲み物がいいと聞かれる、やや緊張しながら、珈琲に砂糖と、言い、目の前の机に珈琲が、置かれ、口に運ぼうとした時、出入り口の扉の鍵が、閉められる音がした。
威信は、何故?しめた?と同時に、甘いどこか優しい雰囲気が、教室を包まれた事に、威信は、気が付いた。
「時田君は、さっきの問題どうやって、解けたのかしら?あれは、東大理数Aの去年の問題なんだけどな?」
「(は?東大理数Aて、滅茶苦茶難しいじゃん)えと、答えが、頭に見えました。」
「ふ~ん、典型的なギフティなんだ、じゃ、先日の作戦参加も解るかな~」
威信は、作戦の言語が、出た時に、しまったと後悔した。(珈琲に、薬か?少し、飲んだ。しまった。知らない人間と飲食をすると時は、相手に、飲ませてから、安全を図らねば、くっ寝不足で、こんな、単純なことを、見落とすとは。)」
「安心して、私わ、助けられた妹の姉です。」
威信は、窓辺に移動したてが、生徒指導室は、三階にあり、飛び降りる事が出来ない、くそ!入口を、抑えられた!
「助けた?何の事だか、自分は、謹慎して、施設で、カウンセリングを受けていたんですが?」
「もう一人も、助けたみたいね、私は、警察に捜査依頼を何度も出したは、でも、捜査は、思うように動かず、奴等は、私に妹の、凌辱写真を、送り付けてきたわ、そこで、私は、路頭に迷った、どうすればいいのか解らなくなった、そんな時、塚井と名乗る財団の特務警備隊員にであった、彼は、言ったは、俺の頼みを、一つ利いて、くれるのであれば、妹さんを、奪還する準備が、有ると。」
威信は、驚きのなか、この人が、今回の依頼人の一人だと。
「私は、その条件をのんだの、妹達の為なら、何でもするし、奴らに、もて遊ばれるぐらいならね」
「神里先生、悪いがその条件は?」
「それはね、トンネルの中を走り抜けてる、若い狼の心を癒してほしいと、それが、私の涙を救う事にも繋がるからって。」
「・・・」
「貴方、今初陣で、PTSD状態よね・・・」
神里は、そう言うと、威信に,近づいてくる、神里からは、怯えた子供の狼が、震えながら、抵抗する姿が、見て取れる、この子は、ギフティであるがために、自分の現状の酷さを、解らないでいるのね、そう、塚井隊長からの、依頼条件は、今回の作戦で、迷い苦しむ、時田の、ケアだったのだ、由衣は、癒しが、何を意味するのかを、女として生まれてきている以上、男に安らぎを与えるのが、身体と身体の触れ合いである事を、知っていた、正直、救出作戦前まで、壊れそうな、私も塚井さんに抱かれる事で、自我を保っていたのも事実、この子は、今、作戦後の恐怖と戦っている、まだ中学2年生、未成年であるにもかかわらず、あんな、巨大な組織に少年兵として、最前線で、捕虜になっていた、妹と、もう一人の女性の為に護り向いたと聞く、いくらギフティでも、身体は、まだまだ子供の域を出ていない少年が、他にも苦しむ被害者の為に、命がけで、その知能をフル活用して、データボックス確保を、奇策で、警察と同じ量を手にした、それは、今後の特務警備隊員の捜査に凄まじい、有益な、情報だろう、私は、時田のそばまできていた。
由衣は、優しく、威信の頬に、手をおき、由衣の唇が、優しく生まれたての小鳥の羽根のように、重なりあった。
「これが、キスよ・・」
威信は、吸い込まれるような唇に、身を任せていた。
「貴方に、今から、女を教えてあげる、辛い事、悲しい事、不安な事、それは、私がもらっていくは。」
それからの、威信は、由衣に全てを、任せる事となり、安らぎの天使の胸で、壊れ欠けていた、部品を、一つ一つ、ゆっくりと、身を重ねながら、氷付きそうな心を溶かしていったのである。
情事が、終り、威信は、胸の中で、自分達は、いや俺は止まれないのだ、この世界に、神里先生みたいな人を、一人でも救わなくてはいけない、自己満足かもしれない、だが、もう俺はこの世界を、知り、そして、俺達の右腕には、天使と狼、左には悲しみの涙を流す者達を救い、何だを笑顔に返る金色の翼、それは、彼女達や、同じように、苦しむ人々を救う為に、歩んでいかなくてはならないのだ。
威信は、最後に、神里先生から、今日付けで、退職し、ロスの病院で、妹さんの治療と、財団の分析部に編入される事を、聞いた。
威信が、見上げた空は、降りしきる雨が、威信の心から、恐怖や苦しみは、甘えであり、本当に苦しんでいるのは、依頼してきた人達で、俺達が、涙をすくい上げ笑顔を取り戻し前を向かなくてはいけない。
だが、空よ!金色の翼よ、俺には、先生が教えてくれた事が、先生自身の涙は、誰がすくい上げればいいんだ?
「教えてくれ、俺は、弱虫のがよかったのか、こんな世界みなかった方が、良かったのか!なら、今、俺の瞳から、流れる涙は、だれの者なんだ!」
俺れは、雨ふる中、金色の翼に、訴えかけた!
しかし、現実は、雨の鳴りやまない、現実だけを、威信に叩きつけるのであった。
「悲しみよ、喜びよ、怒りよ、教えてくれ、彼女の本当の心を、取り戻させてくれ」
威信は、初めから、ヘタレなのも、弱い事も解って居た、だが、由衣の気持ちに触れた、時、真なる狼のあるべき姿が、彼女とダブッタ気がしたのだ。
威信の初恋であり、とどかない、本当の気持ちを、引き出した瞬間であった。