力が欲しいホントの弱虫力が4
(強襲、思わぬ強敵)
威信達は、セーフハウスで、警戒態勢を取りながら、彼女の名前が荻名詩 まゆ 18歳、イタリア旅行中に、拉致され、そのまま運び屋に、闇医者に、身体を切開され、新型麻薬を、身体に埋め込まれる。
そうすることにより、胃袋に、入れるより摘発数が、激減するのだとか、その時点で、新興勢力が、今回の新型麻薬の運びに、関与していることは、直ぐに理解できた、威信はなぜだか、そんな状態にされ、また、薬を打たれても、一緒に行った親友の心配をする、この女性に、中東で、出会った、教会のシスターを思い出していた、その女の名前は、シスタークライア、戦争で、身寄りを無くした、子供や、困ってる、難民に、力を貸す、理解に苦しむ存在だった、何で、女って、生き物は、俺を不快にさせる、あの教師もそうだった。
威信は、少しまゆと言う女性と、話して、無性に嫌悪感を感じた、確かにやる事は、正しい、友人も助けるべきだろう、だが、何かが違うのだ、ここは、戦場、ここは、敵勢力との戦場、先ずは自分の事を考えろ。
他人を考えれるのは、他人を救う力がある者だけにしろ、貴様等は、無いのに、偉そうに、助けに入ろうとする。
死ぬのは、かってだが、護るこちらの立場も考えろ、貴様等の軽率な行動で、仙石医師や、看護婦、フリーのブリッだっているんだから、と、イラつきながら、監視カメラに不審な影を、目にする、威信の頭の中で、今回の新型麻薬が、それだけの価値があるものであれば、奴等の本隊は、間違いなく、まゆを狙うだろう。
しかし、大陸系の動きからして、トライデント会合まで、フェイクにするのであれば、奴等は、邪魔になった、日本支部を、我々に潰させ、トップ会談に持ち込み、本命の新型麻薬は、確実に、日本に持ち込む?奴等の勢力図の書き換えと、自分の所の、不用品の処分は、我々が行えば、九龍公団は、被害者ながら美味しいところだけ持っていける。
じゃ、今セーフハウスを、強襲しようとしている連中が、本命となる。
「仙石先生、患者は動かせるか?」
「威信!無茶を言うな、ようやく落ち着いてきたのに。」
「なら、この女から、血液を採取してくれ!ブリッ!敵が来た、看護婦さんとこの血液を持って、バイクで、心道会本部まで、走れ、そして、この血液が、今回の取引の大本だと、伝えろ。」
「了解、さあ、行きましょう。」
「先生、でも」
仙石医師は、看護婦に対し、笑顔で申し訳なさそうに。
「ごめんな、医師として患者を残すことはできない、それに、医者だから、そうそう、捕まっても、殺されることはないよ、君は、必ず、そのアンプルを、届けてくれ。」
「解りました、必ず。」
「悪いな、そんな役、まわしちまって、俺は、今から、外で時間を稼げるだけ稼ぐ。」
そう言うと、93Rを出しスライドを引き、チャンバー内に、弾をリロードする。
「勝ち目のない戦いは、お前の十八番だもんな、気にするな、俺も医師の本文を全うするからよ。」
「じゃ、ブリッ、俺が、暴れだしたら、タイミングをみて、正門を、突破しろ、裏門は、既におさえられてるからな。」
「了解」
そう言うと、威信は、玄関から、外に出たと同時に、両サイドにいた、赤龍中隊を二人、三点バーストで、この世から、あの世への特急便に乗せた。
「さて、噂の大陸のエース級部隊!、俺をがっかりさせんなよ!」
撃ち合いが、至る所で、始まっている。
「流石に、速いな、赤龍さんかな?」
赤龍は、仙石医師に対し、先程、バイクで逃げた二人組は、フェイクかと聞いてくる。
「医者は、患者を見捨てて現場を離れない!まして、貴様等ちくちょうの被害者ならなおさらだ。」
「良い度胸だ、少し寝ていてもらおう。」
赤龍は、仙石の首に押しこみ型の注射器で、睨みつける、仙石に睡眠剤を打ち込んだ。
「うっ・・・」
赤龍は、他の隊員に、二人を、運び出せと命じ、外の様子を見ると、20人は、いた精鋭が、肉袋に、変わっている。
こいつは、ただの特務ではないと、異様な感じを感じた。
赤龍は、背中の黒い直刀んを手に持ち、外にでた。
そこには、息もとぎれとぎれの、一匹の狼が、こちらを睨んでいる、だが、諦めていないこの手負いの獣は、ここで、倒さねばならないと、直感した。
「派手に、部下を倒してくれたな。」
「まゆと仙石を返してもらう!」
威信は、こいつは、今までのただの強いだけの隊員でないと察する、93Rは、弾切れ、背中の長太刀を抜く!
「ほう、大陸殺しか?」
「大陸殺し?何の事だ?」
「第二次大戦中、強者を切り殺し続けた、太刀の事だ、我々大陸系には、時代を超えて必ず立ちふさがる、妖刀、今の持ち主は、貴様か?」
「何を訳の解らん事を、そこをどけ!」
「こちらも、仕事でな!」
その、一閃が、走った瞬間、威信のプロテクターもろとも、血しぶきが舞っていた。
「何だと?」
赤龍も、左腕が、地面に、落ちていた。
それに気ずいた、黄龍が、走って止血する。
「赤龍様、今止血します、なんて奴だ、赤龍様の斬り上げの途中に、赤龍様の左腕を、墜とすとは、こいつ!」
赤龍は、静かに威信のほうを見た、次があれば、貴様は俺の手で殺す。
「医者と、運び屋は、確保した、撤退だ。」
「了解しました、こいつに留めは?」
「俺の太刀を信じれんか?」
「いえ、総員に撤退信号を打て」
それから、15分後、浩二会が、セーフハウスに雪崩れ込んだ時には、威信は、斬られ、仙石医師と運び屋に使われていた、まゆは、連れ去られた後だった、しかし、重症にも関わらず心道会本部に、ブリッと看護婦は、到着していた。
威信からの言葉と共に、それを聞き、心道会の赤バッチが、至急血液の解析と、ブリッの治療に入ったが、ブリッの姿が、消えるのは、意識が、戻ったと伝えに、言っている隙に、消えていた。
威信は、重富医師の全力治療にて、何とか命は、取り留める事が出来た、プロテクターのおかげで、内臓まで、食い込んでいなかったのだ、しかし、出血多少のせいで、命の危険は、去ったわけではなく、ICUにて、集中治療は必須うであった。
本来であれば、指を動かす事も出来ないはずの威信のはずであるが、そばにおいてあった、長太刀舞風と共に姿を消した。
看護婦や、スタッフが、慌てて探すが、姿が無く、塚井総隊長から、警護に当たっていた、隊員が、殴られ、情報の収集に当たっていた。
しかし、威信とブリッの姿は、無く、九龍公団を殲滅した後の戦力を損失した、塚井大隊は、直ぐに動けず、塚井の苛立ちは、頂点にきていた。
「補充は、30分もかかる?その頃には、終了しちまうし、死んでまう!直ぐに大隊経験者を心道会本部に回せ!」
浩二が、塚井隊長に、先輩たちの装備をかりれれば、大隊と同じ働きをします。
「浩二、今回は、お前を出すわけにはいかん!、理由は、簡単だ、お前が死んだら、威信達に顔向けできんだろ、何故威信が、ブリッをつかったのかを、考えろ!」
「しかし、現状では、我々以外に、援護できる部隊は、ありません、お願いします、出動命令をください!」
浩二の瞳から、必ず成功させると、言う覚悟が、見られる。
「糞が、装備を、家の連中から、引き継げ、完了次第角平建設本社に向かう。」
浩二は、浩二会の実働部隊に号令をかけ、至急装備転換にはいった。
「兄弟死ぬなよ、今行くからな。」
その頃、威信は身体に、敵がよく使うドーピング薬BDを打ち込み、角平建設本部に、向かう為、中村の特務事務所のガレージに来ていた。
整備中の車をみた、威信は、ガレージの奥にある、バイクのカバァーを、はがしとった。
そこには、KawasakiのKZ1000mrk2が、静かに眠りについていた、座席には、純白の長制服が、返り血と共に置かれていた。
その時、威信の姿を見た、整備長が、威信の状況を理解したのか、威信に声を掛ける。
「時田、ほら、KZのキーだ、完璧にチューニングしてある。」
「すいません、俺は、中東の惨劇を繰り返したくはありません。」
「マシーンは、いくら壊しても構わない、だが、生きて帰ってこい、そいつの持ち主からの勅命だからな。」
「了解しました。時田威信任務に着きます。」
と、同時にバイクのキックで、エンジンがフルスロットルになり、純白の金色の神鳥は、飛び立ったのである。
周りの整備士達は、どんなに頑張ってもエンジンが、かからなかったマシーンが、唸りをあげて、出ていくのを見て、やはり、あのKZは、特殊なのではと疑いたくなる、光景であった。
「班長、あれは、やはり、神獣専用車なんですかね?」
班長は、はにかみながら。
「あれは、正義の味方使用なんだよ、しかし、何年ぶりだろうな、あのバイクのエンジンを聴いたのは、前の持ち主は、飛燕の大先生だったからな、大陸殺しと一緒に、KZも威信を認めたと言う事か。」
「班長、塚井隊長から電話です。」
「おう、何だ?お前の探し物は、KZと今出て行ったぞ。」
「何故、止めてくれなかったんですか!重症なんですよ!」
「塚井、お前にも昔教えたな、男には、引けない任務が、あると・・」
糞、塚井は、返答を聞くと部下に怒鳴り聞く浩二会の現在地は!
「角平建設本社まで、後、30分以上かかります、何でもジャンキー達が、ガソリンをかついで突入してくるとかで、足止めをされてます。」
「威信の野郎、BDを使ったな、足元に、敵から押収されたBDが、一本なくなってるのに気ずいた、塚井は、本命が、角平建設本社地下だと理解し、そこに昔の因縁の赤龍もいる事にきずいた。」
天を仰ぎ、浩二会が、少しでも早く、合流することを願ってしまう自分の無力さを痛感する。
「馬鹿野郎が、かっこの付け方が、なってないんだよ、後続の部隊編成急がせろ。」
威信は、気持ちいい風を帯びて、角平建設本社にバイクを走らせていた、すると、隣に並列するように、ブリッが、バイクを走らせ、お互いが、何をすべきかをアイコンタクトで、理解する。
任務は、まゆと仙石医師の奪還、そして、本体の壊滅である。
ブリッもどこから、手に入れたか、M4とナイフ手榴弾とひ完全装備で、来ていた。
威信は、長太刀と、93Rの弾丸の補充もしてきている、眼前に、角平建設本社の出入り口にたどり着く、二人は、バイクから降りると、正門が、開いた。
「ご招待されてるな」
「みたいですね?」
「なら、パーティーを始めますか!」
「了解です。」
二人は、93Rを出し戦闘態勢に、ブリッもM4をリロードし、正門から、侵入を開始した。
二人は、一階で、九龍公団子飼いの警備部隊と戦闘にはいる。
「威信様!ここは、引き受けます、地下へ向かって下さい、前菜を食べたら追いかけます。」
威信は、ブリッに、アイコンタクトで、任せると、合図し、正面のエレベーターに滑り込んだ。
しかし、エレベーターには、地下駐車場までのボタンしかない、少し考え、エレベーター内に倒れている、九龍公団警備隊員のIDを、打ち込む、すると、ボタンのパネルが、下におり、地下8階のボタンが、出現した。
「しかし、こいつら、ビルを秘密基地にでもするつもりなのか?」
威信は、地下8階のボタンを、押すと、エレベーターが、地下に向かい動き出す、威信は、天井のエレベーターダクトから、外に出て、エレベーター内の様子をうかがう、すると、地下8階に着き、エレベーターが開いた瞬間、一斉射撃が始まる。
中で伸びていた、九龍公団警備隊員は、味方にハチの巣に、され、絶命する。
中の様子を、見に隊員数名が、ライフルを構え、様子を見に来た所に何かが、取れる音がしエレベーターが、爆発を起こす。
九龍公団隊員は、近くに居た、隊員も含め、手榴弾で、吹き飛ばされる。
エレベーターが、下に落ちて行くと同時に、ダクトの陰に隠れていた、威信が、エレベーターがなくなった扉から、顔だし、両手に持った93Rの3点バーストが、火を吹いた。
虚を突かれた、九龍公団の隊員は、みるみる銃弾に倒れていく。
落ち着いた所で、地下8階に中に侵入した、威信は、周りを確認する。
「派手にやってくれたな」
冷たい声で、威信に話しかける、男が、一人、仲間を縦に、語りかける。
威信はその声を知っていた、自分を下段から、上段に、斬り上げた男であると、そして、男が、縦にしていた隊員を、ぼろ雑巾のように、捨てると、背中から、黒い直刀を、降りぬく!
「仲間を縦にするとは、気にいらねえな!」
「所詮この世は、弱肉強食!、弱い奴の使い道は、これぐらいしかない。」
威信も、93Rをフォルスターに入れ、舞風を、抜き取ろる。
赤龍が、威信に問いかける。
「やはり、死んでなかったか?」
「お陰様で、プロテクターで、一命をとる事が、出来た。」
「成程、貴様には天運が、味方したようだが、次はない、貴様には左腕の礼をさせてもらう。」
「仙石医師とまゆはどうした?」
「安心しろ、屋上の小部屋に縛っている、しかし、鍵はここだ、屋上の小部屋は爆撃にも耐える仕組みだ、そして、後、20分で、内部は、爆発する。」
「貴様から、鍵を奪うしか、方法は、ないようだな?」
「理解が、速くて助かる。」
と、言い終わると、同時に、刃と刃が、火花を吹いた。
「楽しいぞ、久しぶりに、血がたぎる。」
「おれは、興味ないが、貴様は、精神的に受け付けない!」
「俺は貴様のような強者を求めていた。」
「ご遠慮願いたい、俺は、楽して稼ぎたいものでね。」
「ハハハハハハ、楽しいぞ、もっと俺を楽しませろ。」
「貴様!BDを使ってるな!」
「当たり前だ、俺用に調整された、BDをな!」
赤龍の一撃で、威信は、机まで吹き飛ばされ、周りが、ブラックアウトする。
「くっ!、これが、新薬の正体か!」
「そうだ、そして、これを日本の自衛隊に売れば、客は、国家単位の稼ぎになる。」
「ふざけんなよ!、BDで強化された兵隊なんて、世界の軍事バランスを変える事になる、そうなれば、他国の安価なBDを欲しがり、テロ屋共にまで、浸透するぐらい、解るだろ?そうなれば、世界は混沌となる。」
「それがどうした!どこの国も研究している事だろう!。」
「だが、一般市場に流れたら、軍事転用だけにならなくなるんだぞ!」
赤龍が、鍔迫り合いをしながら、笑いながら、語り掛ける。
「貴様とて、BDを使ったから、ここまでこれたのだろう?それを否定するのか!」
「確かにな、だがな、ここで、潰せば、BDなんて、無かった事にできる。」
「偽善だ!神獣、貴様は、反吐が出るほどの偽善者だ。」
威信は、上段から、会心の一撃を、赤龍に、斬り落とした、刃は、黒刀を斬り落とし、赤龍の心臓に、突き刺さった!
赤龍は、血を吐きながら、威信に呪いの用に語り掛ける。
「貴様の生き方は、いずれ、貴様を殺す事になる、一足先に、地獄で待っているぞ。」
そう言うと、赤龍は、息を引き取った。
「確かにな、俺は、貴様の言う通り、自分自身の生き方で、殺されるかもしれん、だがな、日本人には志があるんだよ、やると決めたら、死が追いかけてこようと、やり通す。」
威信は、赤龍から、屋上の鍵を奪い取ると、もう一台のエレベーターに乗り、屋上に急いだ。
その頃、一階では、左肩に黒刀が突き刺さるブリッに対して、ロングナイフが、首から頭蓋骨に抜けた、黄龍と決着が、着いていた。
「流石に、今回は、厳しかったぜ・・・」
ブリッも、そう言うと、その場に倒れこんだ。
威信は、ふらつきながら屋上に出た、横風が、厳しい中、二人の閉じ込められている、小屋まで、足を、急がす。
もう少しだ、威信は、出入り口を、叩く。
「俺だ、生きてるか?」
中から、仙石医師が、叫ぶ。
「鍵がないと、開けられない赤龍が、持ってる。」
「そうか、なら、問題無い、鍵ならある、トラップは無いか?」
「無い、大丈夫だ。」
それを聞くと、威信は、急いで、扉を開けた。
「無事だろうが、爆弾を、今から、解除する時間がない、急いで、逃げるぞ。」
威信は、爆弾の時間を確認する、後13分とデジタル画面に表示出されていた。
「まだ間に合う、急ぐぞ」
「威信、傷口が、開いてる。」
「今は、走れ。」
一階に着いた、威信達は倒れている、ブリッを、抱きかかえると、正面玄関から、外に出た所、上階部から、爆音が、聞こえてきた。
「まったく時間道理に、起爆しないな」
仙石医師が、ぼやく
「解った、から、走れ、」
威信は、勢いだけで、用水路に、飛び込んだ。
「おえ、しかし、完全主義だな、証拠は、残さずか。」
爆音聞きながめていると、浩二会実働部隊が、駆け付ける所だった。
「兄弟ーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
浩二が、最悪を覚悟した時、後ろの方から、仙石医師が、走って来た。
「今、動かすのは危険な患者が、3人いる、急いで病院にむかわないと。」
「兄弟は、どこだ!。」
既に、意識を無くしている、威信、ブリッ、まゆの三人は、救急車せ、緊急搬送された。
現場に残ってた、舞風とバイク2台は、浩二会が、回収し、これにて、作戦は、終了したのである。
(力がほしい本当の弱虫)
角平建設本社火災のニュースは、連日テレビで、流れていた、角平建設首脳陣責任追及により、事件にケリをつけたい、ようで、今回の事件は、闇が深すぎ、公安と、塚井隊長を筆頭とするウエイラスト財団上層部との取引で、威信達への関与は、有耶無耶にされることになったと言う。
しかし、新型麻薬BDのけんは、ウエイラスト財団でも研究に入ったとかで、威信が、聞けばウエイラスト財団ですら、牙をむきかけないが、BDを威信自身が、今回使用したことで、威信もおとなしく、治療を受けて居る。
九龍公団と角平建設の拠点を無くした、反社会勢力は、ロシアとイタリア、極道により、勢力を狩り取られていくのであった。
塚井総隊長の図面道理に、事は、運んだのである。
病院の病室前には、S級警備隊員が、警備する中、塚井総隊長が、威信の病室に訪れていた。
「どうだ。?」
威信は、まだ、BDの副作用で、今度こそ指を動かす事もできず、嫌な顔をして、睨みつける。
「喧嘩売る、元気があれば、死には、しないな。」
隣で、まゆが、看病しながら、花瓶に花を活けている。
「今回の案件で、お前に、二階級特進が、財団から、言われているが?その顔では、受け取らないな。」
仙石医師が、部屋に入ってくる。
「まあ、あれだけの大怪我のくせに、あれだけ暴れたんだから、普通は、死亡確定だがな、それでも死なんのも、運だろうな。」
「で、先生、威信は、どれぐらいで?」
「普通なら、全治1年は、かかるが、こいつらは、人間性を捨てるから、三ヶ月かな?」
「人間やれよな、全く、そんなんだから、女の一人も・・・・できたか」
「まあ、彼女の介護のおかげで、大分、おとなしいですがね」
「大変よろしい、彼女の身体のほうは?」
「傷も大して残らないし、中毒性も無事に峠は、超えてるから、後、2,3週間で、退院かな」
「そうか、まゆさん、君の友達もスペインで、無事が確認とれて、現地のウエイラスト財団の病院で、治療中だから、安心してください。」
「本当に、何から何まで、どうお礼を言えば、良いか。」
塚井総隊長が、そんなまゆに、にこやかに語り掛ける。
「何、このぼんくらの、面倒を、見ていてくれてるだけで、結構ですよ」
威信と、まゆは、目を合わせ、顔を赤らめた。
「威信、身体がよくなったからって、まゆさん襲うなよ、外には、S級警備隊員が居るんだからな、報告させるぞ。」
威信は、一層にらみが、こくなった。
「さて、お邪魔虫は、帰るかな、おっと忘れてた、ブリッ君今回の助力、感謝します。」
ブリッは、もう、起き上がれるまでに、回復をしていた。
「自分は、威信様の私兵です、ウエイラスト財団からの謝意は、結構です。」
「まあ、そう言うな、今回の報酬ではなく、治療費と思って、受け取ってくれ。」
塚井総隊長が、アタシュケースを、開ける。
「一億だ、少なくない金額と思う、それから、私兵で構わんから、今後とも、バカ弟子をよろしくたのむ。」
ブリッは、あって困るものではないから、受け取っておく。
「そうしてもらえると、こちらも助かる。」
そんなこんなで、まゆの退院の日が来た、当分、警護は、着くが、自宅に帰宅できる許可が下りた。
「いや~良かった、本当に良かった。」
仙石医師が、泣き顔で、送り出す。
「先生、本当にお世話になりました、当分、通院が続きますが、よろしくお願いします。」
「まかしぇんさい、頑張ってこうな。」
「はい。」
と、にこやかに、退院していった。
まゆは、数年あって無かった父と、母に、会う為、待ち合わせ場所に向かった。
「うううっ」
「大丈夫ですか?」
まゆがのぞき込むと、その時!まゆの胸に熱い物が、感じられた。
「神獣、貴様へのメッセージだ、また会おう。」
数時間後、威信の前には、冷たくなった、まゆの遺体が、遺体安置所に寝かされていた。
仙石は、威信に・・
「駅の職員が、見つけた時には、息をしてなかったそうだ。」
威信は、信じられない顔で、彼女には、警備隊員がいたのでは?
「彼女の警備隊員は、今、集中治療室で治療中だ。」
威信は、怒りと悲しみから、血涙を流しながら車椅子から、落ちて、立ち上がろうと暴れ始める。
仙石は、威信の首に睡眠導入剤を、射ち、涙が、止まらない中で、威信に追加で精神安定剤を射ちこんだ。
威信は、無意識の中、まゆに話しかけられていた、威信は、生きてたのか?と聞くと、首を横に振る、何で、罪もない、君が、死ななければ、ならなかったんだい?と問いかける威信に、まゆは、静かに、威信の側に浮遊するみたいに、顔をよせた、「ありがとう、私を守ってくれて、威信なら、必ず乗り越えられる、だって、絶望しか無かった私に笑顔を、取り戻してくれたんだもん、ありがとう、そして、さようなら。」唇が、重なると、まゆの背中に二羽の大きな翼が、なびき、天に登っていった。
そして、威信の瞳は、ゆっくりとめざめるのであった。
「まゆ・・・ごめん、だが、止まらない、止まっては、行けないんだな。」
威信は、点滴のを引き抜くと、信じられない事に、威信の傷は、ふさがり、両足で、確かに地面に、足をつき立上り前に進む事を諦めない生きる力を取り戻していた、これからは、いくひゅあくいくせんの絶望が有ろうとも、前に進む、いや、進まなくてはならない、と、心に刻むのである。