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転生記 ~異世界では長寿を願って~  作者: 水無月蒼空
第3章:【少年期】冒険者編
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間話:「災害後のお嬢様」

 ルイネス・アルストレアが、

 龍王として冒険者で巷で噂になる頃から……約一年半程前。

 アスト王国で災害が起こり、

 世界中に散らばったリエイト領の民。

 

 その中でも、

 リエイト領の現領主の孫娘。

 アリス・スロウ・アルストレアは、

 シーラ王国とセフィス神聖王国の中間に位置して、

 小国同士が戦争を続けている地域。

 その一国である【ライド王国】のとある街道で目を覚ました。


 「う、、ここは……」


 目が覚めるとみたことのない、

 何もない場所。


 「……っ!ルイネス!」


 辺りを見渡した。

 だが、

 彼の姿がない。


 時間が経つにつれ、

 ここに来る直前のことが鮮明に頭に浮かび始めた。

 

 彼の生まれた場所に戻る。

 その道中、アルという人と出会った。

 初めはいい人だと思った。

 だが、

 私の好きな彼は、アルに殺された。

 アルの手が彼の腹部を貫いた。


 「……ルイネス……」


 あの瞬間は、

 今も私の頭の中に刻み込まれている。


 彼が穴に投げ込まれたとき、

 私はすぐに追いかけた。

 あの光を放つ穴から魔物が出てくるという話は、

 ルイネスから聞いていた。


 しかし、


 彼はこの場にいない。

 あの傷ではもはや手遅れだということは、

 最後のあの瞬間に気づいてしまった。


 ()()()()()


 その事実に、

 私は耐えることが出来ない。


 「……これは……」


 私は、

 自身の近くに落ちていた物を手に取った。

 それは、

 ルイネスが誕生日に父親から貰ったと言っていた。

 黒い剣。


 「……うっ、ルイネス……」


 その剣を見た瞬間、

 涙があふれ出し、

 頭の中がぐちゃぐちゃになった。


 「グルゥ……?」


 いつの間にか、

 目の前に魔物がいた。

 その魔物は、

 彼が待ちに来たときに一緒に倒した。


 「……ホワイトティーガー……」


 腹を空かせた魔物は、

 私の隙を窺うように、

 周りをゆっくりと徘徊している。


 私は彼の剣を抱きしめた。


 ()()()()()()()()()()()()()


 魔物を目の前にして、

 私が考えたのはそれだけだった。


 「グァァァ!」


 魔物は勢いよく飛びかかってきた。

 あの鋭い牙に襲われればひとたまりも無いだろう。

 私は目を閉じ、

 魔物に襲われるのを待った。


 その瞬間、


 後方から声が聞こえた。


 「『火炎矢(フレイムアロー)』!」


 その声がしてすぐ、

 私は目を開けた。

 すると、

 目の前にいた魔物は、

 胸部に炎の矢が刺さった状態で倒れた。


 「大丈夫ですか……?」


 後ろから、

 金髪の魔術師が走ってきた。

 見た目から自分と歳の差はほとんど無いように見える女の子。


 「ここは魔物が多いので危ないですよ」

 「……」

 「大丈夫ですか……どこかケガを……」


 魔術師は、

 私を見て固まっていた。

 いや、

 彼女が見ていたのは、

 私が抱きしめていた彼の剣。


 「あなた……それを何所で手に入れたんですか……?」

 「……男の子から借りたの。長い間一緒に過ごした大切な……」


 私がそう言うと、

 魔術師はしゃがみ込み、

 私の顔を見た。


 「もしかして……貴方。

  アリス・スロウ・アルストレアさんですか?」

 「……え?」


 私は彼女を見た。


 「それではやはり、その剣はルイのなんですね」

 「……貴方誰なの?」

 「私はフレイ。フレイ・セフラグです」


 フレイ・セフラグ。

 彼から何度も聞いた名前。

 彼が心から尊敬していた魔術の師。

 

 「貴方が……ルイネスの師匠?」

 「はい。そして、貴方はルイの教え子ですね」


 その後、

 私は彼女からルイネスのことを聞いた。

 彼が自分と会う前から魔術が使えていたこと。

 無詠唱という誰も出来ないようなことを簡単にやっていること。

 彼の魔術の才に自信をなくしたこと。

 彼を弟子に持つことが出来て良かったと……。


 彼のことを自分のことのように話す彼女を見て、

 どことなく、親近感を感じた。

  

 「そういえば、ルイはどうしたんですか?」

 

 彼女は、

 興味津々にそう聞いてきた。


 「……」

 「どうしたんですか?」

 「……彼は……殺されたわ」

 「……え?」


 私はここに飛ばされるまでのことを話した。

 彼女は静かに聞いていた。


 「村に戻る途中、アルって人に会って……」

 「ちょっと待ってください!あの人がルイを殺したっていうんですか!?」

 「そうよ、アイツはルイネスにいきなり襲いかかった……」

 「……そんな人には見えませんでしたけど……」


 どうやら、

 彼女もアルを知っているようだった。


 「それで、その後はどうなったんですか?」

 「アルの手がルイネスの腹部を貫いて、裂け目の中に落とされたわ……」

 「……裂け目に落とされた後はルイの姿を見てないんですね?」

 「ええ、落とされてすぐに私も飛び込んだけど、ここにはいなかったわ」

 「なるほど……」


 彼女は、

 口元に手を当てて何かを考えているようだった。


 「それなら、どこかで元気にしているかも知れませんね」

 「……え?」


 私は彼女の発言に耳を疑った。


 「私はルイネスが殺されるところを見たのよ!?」

 「はい。ですが、実際にルイが死んだところは確認していないんですよね?」

 「それは……」


 確かに、

 彼が死んだところは見ていない。

 私が見たのは、

 彼が殺されたかも知れないところ。


 「なら、私はルイが生きていると信じます」


 私は彼女の言葉に、

 自分が小さく見えた。


 「貴方も、ルイのことを大切に思っているのなら、

  彼が死んだと考えず、生きている可能性に賭けましょう」

 「……」

 「それに、彼は私の弟子で超級魔術師ですよ?

  そう簡単にやられたりしません!」


 自身良くそう言う彼女を見て、

 彼が何故彼女を尊敬していたのかが分かった。


 「そうね……ルイネスは生きている」

 「はい」

 

 彼は生きている。

 一人ではどうしても踏み出すことの出来なかった考えを、

 彼女は示してくれた。

 

 「……フレイ」

 「はい」

 「私強くなりたい」


 私の頭には、

 アルと戦った時のことが鮮明に思い起こされている。

 彼に助けて貰ってばかりで、

 自分自身は手も足も出なかったこと。

 そのせいで、彼がアルにやられたこと。


 「私を連れて行って」

 「何所にですか?」

 「()()()()()()()


 私は強くなる。

 彼を守れるくらい。

 そして、

 一人前になったら、

 彼を捜す旅に出よう。

 何年かかったって良い。必ず見つけ出す。


 閃神流本道場は、

 シーラ王国の最北端にあると師匠は言っていた。

 フレイはここから大体一年ほどかかると言っていた。

 長い道のりになるが、彼のためだと考えれば嫌とは思わなかった。

 

 私は、

 フレイの他に、

 ティアという女性と共に旅をすることになった。


ーーー


 旅を始めてから約半年が経過した。

 現在、私達は一度アスト王国に戻ってきていた。


 旅をして、自分の力の無さ再実感した。

 ここに来るまで、

 魔物との戦闘を何度か行なった。

 師匠と、ルイネスと一緒に戦っているときは、

 自分を助けるように二人が助けていたことが今では分かる。

 

 師匠に上級剣士と言われたときは自信を持っていた。

 尊敬する師匠に認めて貰えたこと、

 手が届かないと思っていたルイネスとの差が少しでも縮まったと思っていたから。


 だけど、


 実際、

 アルのような強者と戦った時、

 冒険者で経験が豊富なフレイとティアと共に戦った時は、

 自分が力を過信していたと理解出来た。

 だけど、

 今はそれでもいい。私は強くなるために道場を目指しているのだから。

 

 私とは反対に、

 フレイは、ルイネスの師匠というだけあって、

 とても強い魔術師だった。

 豊富な知識を持っていて、

 前衛の私とティアを援護してくれる。

 私が欲しいと思ったときに欲しいところに援護が来る。

 まるでルイネスと一緒に戦っているように思えた。


 もう一人、

 ティアという人物については、まだ分からないことが多かった。

 彼女は、私とは違う流派の聖神流剣術を使っていた。

 攻めるのが中心の閃神流と違って、

 守りが中心の聖神流なので、戦闘の時はやりやすかった。

 

 普段も気さくに話してくれる。

 一緒にいると、誰かに似ている気がする……。

 普段はいい人だと思うが、

 夜はなんだか変だ。

 彼女は夜な夜な外に出かけていく。

 フレイにどこに行っているのか聞いてみても、


 「あ、貴方にはまだ早いです!」


 と、焦ったように言われる。

 一体何をしてるんだろう?

 

 「女たるもの常に身構えて生きていかないといけないですわ」


 これはティアの口癖だ。

 何のことを言っているのか、全く分からなかった。


 「着きました」


 フレイがそう言った先をみた。

 すると、

 目の前に広がっていたのは、

 広大に広がる草原に、数個テントが建てられその中でも一つ大きなテント。

 テントには、


 【冒険者ギルド:仮リエイト支部】


 と書かれていた。

 

 私がフレイ達に会ったのは、

 災害が起こってから半年が経った頃だったらしい。

 つまり、今は災害が起こってから約一年ほど経っているらしい。


 リエイト領の復興は、

 この一年で進展は少ないと、

 旅をしながらフレイが言っていた。


 「お父様……お母様……お爺様……師匠……」


 私は、

 ここに近づくにつれ、

 家族の心配が増えていった。


 旅を始めた当初、

 私は家族のみんなは無事だと思っていた。

 だけど、

 フレイに災害の被害はリエイト領全域だと教えて貰った。

 その当初は完全に動揺した。

 

 みんなが無事にいてくれると信じてここまで来た。


 「行きますよ」


 私達は、

 ギルドの中に入った。


 「……っ!」


 中に入り目の前には、

 大きな机がり、それを取り囲むように人が立っていた。

 そんな中に一人、遭いたかった人がいた。

 

 「……お母様」


 私はそう呟いた。


 「ア、リス……アリス!」


 私はこちらに気づいたお母様に抱きかかえられた。

 

 「良かった……本当に良かった」

 「お母様……ちょっと痛いわ」

 「ああ、ごめんなさい」


 お母様は私を一度放し、

 もう一度優しく抱いた。


 「アリスが無事で良かった」

 「うん……お母様も」


 私達は、

 長い間得ることの出来なかった家族の時間を感じた。


 「お母様?お父様とお爺様は?」

 「っ!……」


 お母様の表情が曇り、

 この場に静かな空気が流れた。


 「……どうしたの……?」


 お母様は悲しそうな顔をして、

 私の肩を優しくつかんだ。


 「アリス。今から話すことは全て事実。

  どれだけ信じたくないことでも信じて」


 私はお母様がそう言った瞬間、

 二人に何が起こったのか悟った。


 その後、

 お母様は二人に何があったのか話し始めた。


 お父様は、

 お母様と共に飛ばされ、

 とある森の中で目を覚ました。

 お母様とお父様の二人でその森を抜けようとしたら、

 多くの魔物と遭遇した。

 お父様はお母様を守るために、

 一人残った。

 その後、

 お母様が近くの農民の人と森に探しに戻ったところ、

 すでに息を引き取った後だった。


 お爺様は、

 王都に飛ばされ、

 すぐに国王に謁見を求めようとした。

 だが、謁見は認められず、

 こちらに戻ろうとした時に盗賊に襲われ、亡くなった。


 お母様は、

 それを涙を流しながら話した。


 「そんな……」

 「それでも……貴方だけは生きていてくれて良かった」


 お母様がそう言ったのを見て、

 私は涙を堪えられなくなった。

 そんな様子を見て、

 フレイは私の肩を頷きながら撫でた。


 強くなると決めて、流さないと決めた涙。

 だけど、

 お母様や、フレイを見て涙を流した。


 「私も……誰とも会えないかもって思った。

  だけど、お母様と会えて良かった……」


 私達は再び抱き合った。

 一年ぶりに感じるお母様の温もりは、

 昔以上に暖かかった。


ーーー

 私達はここに一泊した。

 フレイ達はギルドで一枚の紙を受け取っていた。

 その紙には、

 セフィス神聖王国でルイネスの両親が捜索をしている事が書かれていた。

 この紙は、昨日。セフィス神聖王国から来た冒険者が持ってきた。


 「私達は、アリスを送り届けた後セフィス神聖王国を目指します」


 一泊する部屋の中で、

 フィラはそう切り出した。

 部屋には、私とフィラ、お母様にティアがいた。


 お母様には、

 私が閃神流本道場を目指していることは話した。

 なぜ目指しているのかという理由も。


 お母様は、

 私を見て行くのを許可してくれた。

 

 「リリスさん。

  貴方はどうしますか?」

 「……そこには、ヘルスさんやセリスがいるのよね?」

 「はい」

 「……私も行くわ。私が出来ることがあるかは分からないけど、

  みんなが頑張ってるんだから、私も出来ることを探すわ」


 その後、

 お母様とここに残った警備団の人達、冒険者の人達を加えて、

 馬車で向かう事になった。

 

 馬車は二台。

 直接セフィス神聖王国に向かう馬車と、

 シーラ王国の最北端にある閃神流本道場を目指すのと別れる事になった。

 私達の馬車はもう一つの馬車より早く出発することになった。

 

 翌日、

 目が覚めると、

 私達が乗り込む馬車が準備されていた。

 寝ている間に、ここの人達が準備していてくれたらしい。


 私達は、

 馬車に乗り込み出発した。


ーーー

 リエイト領を後にしてから、

 辺りは寒くなった。

 雪が降り積もり、

 道が見えなくなるほどだった。


 現在、私達はシーラ王国に入り、

 閃神流本道場まで続く街道を走っていた。


 リエイト領を出てからは、

 小さな魔物に襲われる事があっても、

 盗賊とかに襲われる事は無かった。

 そのおかげで、被害もなく進むことが出来た。


 「あと数日走れば着きますよ」


 そう言ったのは、 

 馬車を引くフレイだった。


 「それは良いんだけど、ここ寒いですわ」

 「……そんな薄着をしているのが悪いです」

 「これは淑女のたしなみですわ。貴方もそう思いますわよね?リリス?」

 「そうね。淑女たるもの、自分を磨く事を忘れてはいけないわ」

 「そういう物でしょうか……?」


 馬車の中では、

 女子トークのような物が行なわれていた。

 

 私はそういうことはよく分からない。

 私は基本戦う事が好きだ。淑女のたしなみは分からない。

 ルイネスは戦う私が好きだと言っていた。だから、私が強くなればルイネスも良く思ってくれる。


 私がそう思っていると、

 馬車が走る道に一人、布を被っている人を見つけた。

 その人は、腰に剣でも提げているのか少し膨らんでいた。


 「フレイ。あそこに誰かいるわ」

 「え?」


 フレイは急いで馬車を止めた。

 すると、布を被った人はゆっくりと近づいてきた。

 私達は皆武器を手に持った。

 盗賊の中には装って襲ってくる人もいるらしい。


 馬車を止めたのは、

 相手のペースにしないためだろう。


 「この先にある道場に行きたいのだが、

  連れて行って貰えないだろうか?礼はする」


 布を被った人は馬車の目の前まで来ると、

 そう言った。


 「……っ!」


 その声に、

 ここ位いる者の全員が反応した。


 この声……ってまさか!?


 「この馬車には……」

 「師匠!!」

 「なにっ!?」


 布を被った人は、

 バサッと布を投げ捨てた。


 すると、


 その中には、

 よく見慣れた白色の毛並みをした獣人族の女性が立っていた。


 「お嬢様!リリス様!それに……フレイにティアか!?」

 

 思わぬところで、

 師匠との再会を果した。


ーーー


 「なるほど……ルイネスが……」


 私は、 

 師匠にあの日のこと、

 道場に向かっていること、

 私の今の目的を話した。


 「ならば、私が師に会わせてやろう」

 「師匠の師って……閃神よね?」

 「ああ、このくらい寒いときなら道場にこもって鍛錬しているはずだ」


 こうして、

 残り少ない旅に師匠が加わった。


 「それで、ライリーはあそこで何をしてたの?」


 お母様がそう言うと、 

 師匠は話し始めた。


 師匠は飛ばされてからそこまで時間は経っていないと言った。

 私が目を覚ましたのは約一年半前。

 私が飛ばされたのも、

 アルに襲われてから半年近く経った後だとフレイが言っていた。

 

 「それは不思議ですね……同じ場所でも目覚めるタイミングがこれほど違うなんて」

 

 フレイはそう言った。


 「ああ、私は目が覚めてから二日しか経っていない」

 「何故なんでしょう……?」

 「まあ、イア間は良いだろう。話を戻そう」


 師匠は目が覚めてから、

 ここが何所なのかを村民達に聞いて、

 道場の近くだと知って向かおうとしたらしい。

 

 「私の師ならば、何か知っているだろう。

  毎日高いところに建っている道場にこもるような人だからな」


 師匠はその後、

 お母様から二人のことを聞いた。

 話を聞いて、師匠は、


 「そうか……」


 と小さく呟いた。


 その後、

 二日ほど馬車を走らせて、

 ある場所に着いた。


 そこは、

 山の上に向かって続く階段の目の前だった。


 「ここでいい。これ以降は歩きじゃないと迎えない」

 「分かりました」


 ここで、

 私と師匠が馬車を下りた。

 荷物を最低限持ち、

 ルイネスに貰った黒い剣を腰に携えた。


 「それじゃあアリス。気をつけてね……何かあったらすぐに戻ってくるのよ?」

 「うん。頑張るわ!」


 お母様は、

 私の頭を撫でた。

 頭を撫でられるのは久しぶりだが、

 とても気持ちの良かった。


 「ライリーさん。アリスを頼みましたよ!」

 「帰ってきたら、良い剣士を紹介しなさい」

 「ああ……分かった」


 師匠は二人と元々同じパーティーだったらしく、

 別れを惜しんでいた。


 「それじゃあ、私達はもう行きますね」

 「二人とも、頑張りなさいな」

 「二人とも、必ず無事で戻って来るのよ!待ってるからね!」


 三人を乗せた馬車は、

 来た道を戻るように降りて行った。


 「アリス」

 「っ!はい」


 師匠は稽古の時や、

 狩りを行なうときは私のことをアリスと呼ぶ。

 お嬢様を付けないこの呼び方をされたのは久しぶりで嬉しくなった。


 「これから向かうところで一番強くなれ」

 「……一番強く?」

 「ああ、ここで私を越えるくらいに強くなれ。お前ならそれが出来る」

 「……はい、分かりました!」

 「よし!それじゃあ行くぞ!」


 私達は、

 階段を昇り始めた。


 ルイネス待ってて。

 早く強くなって、探しに行くから!


 アリスとライリーが閃神流本道場の門を叩いたのは、

 ルイネスが紫竜を単独討伐という偉業を達成する、


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