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転生記 ~異世界では長寿を願って~  作者: 水無月蒼空
第1章:【幼年期】転生編
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第一話:「ここは、異世界?」

《聖帝歴429年》

 

 寒い風がなびき雪が降り積もる今日この日この世界に新たな赤子が誕生した。

 その赤子は、生まれつき片目に魔眼を持ち、高密度の魔力とともに生まれた。

 赤子が生まれる際空には高密度の魔力の渦ができるという現象が起こっていた。

 その現象に気がついた者は、世界を探しても一握りだった……。


ー???視点ー


 雪が降り積もり、人が行き交うのも大変な寒い地方。

 そこにそびえ立つ山の上に一軒の道場があった。

 

 「ん?なんだぁ?ありゃあ?」


 そう言ったのは、深い茶色の髪を後ろでまとめ、60年代に流行したようなあごひげを生やし、腰には、剣をやっている者ならば誰もが惚れ惚れするような業物を携えた男。


 その男はこの世界に存在する四の剣の流派うちの一つ【閃神(せんしん)流】のトップに君臨しつつ次代の剣士を育成するのに力を注いでいた。


 「し、師匠そろそろ続きを始めてもよろしいでしょうか?」


 そう言ったのは、男と同じような深い茶髪を後ろで束ねた小さい女の子だった。

 女の子は、剣を男に向けながら強く握りしめた。

 

 「ん?ああ、いいぞかかってこい」


 男は、笑いながらそう言った。

 突如として起きた現象よりも目の前の成長途中の弟子鍛えることで、現象のことなどすでに頭から抜けていた。



ー???視点ー

 


 そこは、凶悪な知性のない赤竜がはびこる竜の谷。そこでは赤竜が日々争いあっている。

 その男はそこにいた。

 輝く銀髪、銀色の三白眼、防具ではない白く分厚コートのような物を身につけ赤竜達をにらみつけている。

 そして、赤竜一匹がその男に襲いかかった。


 「グアァァァ!!」


 そう叫んだ赤龍は口からブレスを吐きつつ襲いかかる

 しかし、その赤竜は、一瞬にして地面に叩き付けられた。


 「やはり……知性のない竜はだめだな」


 男は、そう言うと地面に叩き付けた竜にとどめを刺した。

 叩き付けた直後男は、奇妙な何かを感じ取っていた。


 「ん?なんだこの魔力は?」


 男は、突如湧いてきた高密度の魔力を疑問に思い、竜の谷上空まで飛翔しその現象を見た。


 あれは……高密度の魔力が渦巻いているのか?なぜこんなことが起きている?今まではこんなこと一度たりとも起きたことがないはずだ。

 

 男がそう考え込んでいる時、渦を巻いていた魔力が世界中に飛散した。


 ん!?なんだ?高密度の魔力が世界中に飛散したのか?なぜ、あれほどまでの魔力一体どこから?


 「ふっ、まあいい。()()が起こしたことならば打ち砕くだけだ」


 その男は、そう言うと不敵な笑みを浮かべつつ谷を進み始めた。


 


ーーー




 ん?な、なんだ?眩しい

 俺は、目を閉じながらもそう感じた。

 ん?どういうことだ?俺は確かトラックに轢かれて死んだんじゃないのか?


 「・・ーー・ー・・」

 

 聞き取れない言葉と共に自分の周りに人がいるような気配を感じた。

 誰だ?意味のわからない言葉を発しているのは?


 「・--・・---・」

 「ーー・・・-・--」

 「・--・・・-・--・-・・」


 まだ聞こえて…俺は外国にでも連れてこられたのか?


 俺は奇妙に感じてそっと目を開き始めた。

 見えてきたのは、こちらをのぞき込んでいる見覚えのない男だった。

 

 こ、この人は一体誰だ?見た目は二十代前半、それにきれいな茶髪だ、それに顔も整っている、顔からは爽やかを感じる。

 目には涙を浮かべている……?何かあったのか?てか腕についている筋肉がすごい。


 「・・・--・-・」

 「--・-・・-・」

 「・-・・-・--」

 「・-・-・・-・」


 ん?誰かと話している?


 俺はそう思い目をちゃんと見開いた。するとそこにはさっきの男のほかに3人俺をのぞき込んでいた。

 一人目は、見た目二十代前半できれいな金髪をなびかせた女性、二人目は深い茶色の髪をなびかせたメイドのような格好をした女性、三人目使用人のような格好をしている白髪の筋肉質な老人もいた。その全員が目尻に涙を浮かべている。金髪の女性に至っては大粒の涙を流している。

 のぞき込んでいる人が全員涙を浮かべているところを見ると俺はあの事故から助かったのか?

 

 俺は何で知らない人たちに囲まれて泣かれているんだ?


 俺はそう思い辺りを少し見わたそうとしたとき、異変に気がついた。


 な、なんだ!?か、体が思うように動かせないしうまく声も出せない。

 だるさとかではなく指一本動かせないような感じだ。


 焦った俺は必死に声を出そうとした。


 ここはどこだ?お前達は誰だ?


 そう言おうと思った俺の口から出た言葉は言おうとしたこととは全く違う言葉だった。


 「あー、うあー」


 だが出た言葉は喃語のような言葉だった。


 なんだ!?俺は確かに、ここは一体どこだ?お前達は誰だと言おうとした。

 なぜ声がちゃんと出せないんだ?


 俺がそう考えていると俺の体は茶髪の男に抱きかかえられた。


 お、おい嘘だろ!?高校生の体を大人一人が片手で抱きかかえられるわけがない!

 

 俺はそんなことを考えていると自分の体の変化に気がついた。

  

 あれ?おかしい……足が短いぞ?トラックに轢かれたといえど下半身が短くなることなんてあるのか?


 そう思っていると俺の体は、茶髪の男から金髪の女性に移さされた。

 金髪の女性は、涙を流しながら笑顔で俺に負担をかけない程度の強さで俺を抱きかかえた。

 

 それにしても女性にも抱きかかえられるなんて…‥

 

 そこから俺はボルドー色の髪を結んでいるメイドと白髪の使用人に抱きかかえられ揺らされていると急に睡魔のようなものが襲ってきたので眠りについた。


 

ーーー


一ヶ月後


 

 一ヶ月たって気がついたことがあったどうやら俺は赤ん坊になってしまったらしい。

 赤ん坊になったと言うよりも生まれ変わったと言うべきだ、いわゆる転生ってやつだ。

 俺がなぜ、前世の記憶を持ったまま生まれ変わったのかは分からないが記憶が残っていても困るようなことはないからいいが……。


 かなり早い段階でここが日本ではないと気がつくことができた。

 どうやらこの国では電気が家庭などで使われていないようだし水道といった類いの物もない。家の中には電球は無くロウソクを中心に使われている。水はどうしているのかは分からないが。

 最悪この家が、電気や水道といったものが通っていないような国にある場合、発展国の日本に住んでいた俺にとっては少しきついものになるかもしれない。

 だが、この家にはメイドや使用人がいることを踏まえると、一概にもそういった貧困があるような国というわけでもないのか?


 まさか転生先が水道代や電気代を払うことのできない家だとは……だが、優しい家族に囲まれる生活は悪くないからいいか。

 だけど、金髪の美人に母乳を与えてもらえるのは前世をVIRGINで終わらせた高校生の俺からしたら最高だが年のせいか親だからか変な気持ちは湧かない…‥残念だ。

 俺は前世で年早く死んでしまった。何かをするでもなくあっさりと。だから、今度は長生きがしたい。

 そのために、この国のことをもっとしれるように早く字を読めるようにならないと。


 そういえば、春はあの事故に巻き込まれていないよな?


 

ーーー



半年後



 俺が生まれてから半年がたった…

 半年間の生活の中で両親やメイド、使用人の会話を聞いていると言語もそれなりに理解をすることができた。

 その結果分かったことがある。

 この世界での俺の名前はルイネス・アルストレアというらしい。横文字の名前……かっこいいな。前世の漢字の名前もよかったが横文字もいいものだ。

 両親は、俺のことをルイと略して呼ぶから俺の名前を知るのに苦労した。

 それと、

 あの、最初に俺をのぞき込んできていた茶髪の男と金髪の女性はどうやら俺の両親らしい。

 父親の名前はヘルス・アルストレア

 母親の名前はセリス・アルストレア

 これが、俺の両親の名前だ。

 前世では、両親が家に長くいるってことがめったになかったことだからなんだか新鮮な気持ちになる。

 俺がそんなことを考えていると俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「ルイー!どこ行っちゃったの?」

 

 セリスが俺の名前を呼びながら家の探し回っていた。

 生まれてから半年も経てばハイハイできるようになり、俺は日々家中を歩き回っていた。

 歩き回った結果一つ分かったことがあった。この家はたぶん裕福な方だと思う。

 建物は二階建てで部屋の数も多くトイレも二つあった。ただ、お風呂はなかった…この国ではお風呂に入るという習慣がないのか?

 そう思いつつ俺は、本棚が一つと椅子と机が置かれた部屋に来ていた。

 

 ここは書斎か?


 そう思い本棚の本を読もうと思い椅子によじ上った。

 

 「あ、ルイ見つけた!もー勝手にどっか行かないでよ」


 手に取ろうとした本が数冊俺の上に落ちてきた。

 俺はセリスの声に気を取られ、本と共にイスから落ちた。


 「キャー!?ル、ルイ!」


 セリスはとても焦った様子で俺を抱きかかえた。


 「大丈夫?ルイ?痛くない?」


 セリスはそう言いながら俺の頭をさすっている。


 「なんだ!?何かあったのか?」


 そう言いながら焦って入ってきたヘルスは腰から黒い剣を携えていた。

 け、剣!?このご時世で剣!?まさか、俺の父親は、厨二(ちゅうに)病の痛いやつなのか?

 そう考えているときに……。


「腫れもケガもしていないけど、一応かけておいた方が良いわよね」


 かける?一体何を?

 俺が疑問に思っているとセリスは、さっきまで俺がよじ登っていた椅子に俺を座らせ頭に手を置いた。


 「神なる恵みをこの身に受け、力を失いし汝に再び力を授けん」


 『ヒール』


 な、なんだこれ!?まさか、詠唱?俺の両親はそろって厨二病なのか?

 そんなことを考えていると、セリスの手が光ったように見えた。すると、先ほどまであった後頭部の痛みがきれいさっぱりなくなった。


 …‥え?


 「ふう、これで大丈夫ね。

 ルイ、これで痛みは消えたわよね

 母さんにかかればこのくらい一瞬で直しちゃうんだからね」


 セリスは自慢げな顔で言ってきた。

 だが、今の俺にはそんなこと聞こえていなかった。


 今のって……魔法?母親が魔法使いで剣を持っている父親が剣士?つまりここって地球ではない別の世界か?


 「もうだめよ!ルイったら目を離した隙にすぐどっか行っちゃうんだから」

 「まあいいじゃないか!男の子なんだから冒険させないと」


  俺の驚いた様子を見たヘルスは部屋の中に入ってきて俺とセリスを抱いた。


 「でもあなた、ルイは生まれてからまだ半年しか経っていないのよ?大怪我をしたら心配で…‥」

 「そうは言ってもよ、男の子は怪我をして育つもんだし、俺とお前の子供だぞちょっとやそっとの怪我じゃあびくともしないよ!」


 まあ、子供は怪我をするもんだしな、怪我はしたくないけど。


 しかし、剣と魔法か…‥


 やはりここは、地球ではない全く別の世界…‥。

 【剣と魔法の異世界】だ。

 俺も、前世でそういった物の書籍を読んでいたし興味もあった。

 この世界だと俺にも使えるのか?誰もが一度は憧れる魔法を。

 そうなると、早くこの世界のことについて知らないといけないな……。

 

 「あー、うあー」


 俺は、そう産声のような声をあげながら本棚の本に手を伸ばした。書斎の本棚には以下の本が入っていた。


 【アスト王国の歴史と二人の英雄】

 ・アスト王国の王子アノス・エスロア・アストが人魔戦役で人族を勝利に導きその後のアスト王国を変えた歴史が書かれている本


 【戦神と魔神・第二次人魔戦役】

 ・再び魔神によって人族と魔族の戦争が始まり、戦神が立ち上がり魔神と戦い、戦神が敗北した第二次人魔戦役前半を記した本

 

 【聖帝龍王ディエードの伝説】

 ・聖帝龍王ディエードが人族の剣士、聖セフィスと共に魔神を打倒し人族と魔族の争いを終結させる歴史が書かれている本

 

 【四剣士の世界放浪と地下転移迷宮】

 ・四人の剣士が世界を渡り歩き中央海域の奥地で見つけた地下転移迷宮を攻略する話が書かれている冒険譚


 【リエイト領の植物集】

 ・リエイト領に生息している植物の詳しい情報が書かれている植物図鑑


 【リエイト領の出没魔物の生態および弱点】

 ・リエイト領に生息している魔物の生態や急所が事細かく書かれた本


 「ん?ルイどうしたの?その本が読みたいの?」

 「まさか、ルイはまだ字も読めないのに、本なんて」 

 「あ、あうー」

 「ルイこの本を読んでもらいのね」

 「じゃあセリス、ルイにその本を読んでやってくれ!俺はもう少し剣の鍛錬(たんれん)をしてくるよ」

 「ええ、分かったわ!気をつけてね!」


 そう言うとセリスはヘルスと口づけをした。

 両親は仲がいいんだな。


 「じゃあ、行ってくる」

 「ええ、行ってらっしゃい!」


 挨拶をしてヘルスは外に出て行った。


 「ルイ~、お父さんはかっこいいわね~」


 セリスは顔を赤らめてのろけていた。

 両親が仲良くすることはいいことだがこう見せつけられては

 

 「さあ、ルイこの本を読みましょう」


 俺はこの後セリスに、【アスト王国の歴史と二人の英雄】という本を読んでもらった。

 

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