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道徳の授業に採用されそうでされない文章

作者: モリミン族

面白くは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありません。ハイ。すみません。

                                              変化

     〇


「お~い!」

ケンが僕を呼ぶ。だけど僕はそれに応じない。ケンのことが嫌いなわけじゃない。むしろ小6の時に、一緒に遊んでいたぐらい仲がよかった。ほかにもっと仲がいい友達ができたわけでもない。でも、クラスの人たちにはそのことを言わずに、僕しか知らない、いや、僕しか………僕しか。

「…………」

「お~い!お~~~い!!!!」

「…………」               また返事ができなかった。また。


ケンはいじめられている。ずっと昔から、じゃなくて、小学校を卒業した時ぐらいまでは、「あいつって憎めないよな」みたいなキャラで何とか乗り切っていたように思える。だけど、中学生になって、勉強の遅れが割とはっきり見えてきていた。ある日、机に落書きをされたのを見て、バンッッッッ!!!!と机を思いっきりたたいたのを見たときは、さすがに場がシラけたのが僕にも分かった。。そこから、ケンへのいじめが始まった。

始めは、毎日ノートのページを1ページずつ破る、という、とっても些細なものだった。だけど、そこからどんどんいじめがエスカレートしていった。シャーペンの芯を抜く、引き出しの中のものを

全て出す。遂に皆がケンのことを差別して会話をだれっ一人としてしなかった。現在、かくなる上は、『無言』という極悪非道で最悪最低のいじめをしている。

 僕にも当然、「元トモだから」という変な口実を使われ、あいつに声をかけるんじゃねえぞ、と、警告されている。もし会話をしているところなんか誰かに目撃されたら、これから僕はいじめられることなんかもう、めにみえている。心の中では、申し訳ない、という言葉が駆け巡っている。なのに、実行に移していないから、僕はクラスの奴らと一緒なんだ。そんなのわかってる。助けたい気持ちも当然ある。皆が許せない気持ちもある。自分がどんなに弱いのか分かってしまう。だけど、だけど、だけど……僕は何もできないんだ。そうする勇気がないんだ。


     〇   ※ここら辺から、採用されなくなるような変化球がバンバン出てきます。


 アンケートが回ってきた。僕は、①あなたは、この学校が楽しいですか。②あなたは、いじめをされていませんか。③いじめはいけないことだと思いますか。④先生に相談したいことはありませんか。のすべて、一番左側のアルファベットに「〇」をつけた。もちろん違う。このクラスの人のほとんどが同じような回答をしていることも薄々感づいている。第一、学校のやり方はちょっと目的からずれてるんじゃないかと思う。全員立って、お願いします、というのはおかしいなと思う。先生だって、お金をもらっている癖に、上から目線で接してくるのも、極論おかしいことになる。

そういうことなんだな、そういうことだろうと思うけど、どうせ大人はバカだからこんな、必死で子供が訴えかけていても。自分は大人、相手は子供。つまり、自分が上と決めつける。ほとんど大人の方があっているから、それが大人の勘違いに拍車をかける。子供だったらまだ立ち直るけど、大人だったら、自分の方があっていると思っているから、立ち直れない。いや、立ち直ろうとする自分を受け入れたくないのかもしれない。

「おい、藤田。早くしろ」

 先生の言葉で独り言の沼から脱出できた。いつもこうだ。プリントを出した後、次は道徳の時間だと、日課を知って落胆する。


     〇


 道徳って、嫌いだ。皆、「達成感」「努力」「やる気」だとか先生の喜ぶようなことばっかり言って。

 で、そんなことを言う人に限ってやらねぇんだなぁ。だから、ほんとに、変えていかないと無駄な時間になってしまう。道徳は、そんな、「変えないといけないこと」の代表格だと思う。教科にしたって意味はないと思う。


     〇   ※ここからは、悪い描写あり


 今、先生を入れて33人、教室に「閉じ込められて」いる。まあ当然だろう。ケンにだ。給食を食べたら、頭がクラっとして、気が付いたらみんな、3畳ほどの部屋にぎゅうぎゅうに詰められていた。もちろん男女混合なのでいつの間にか失神する女子も出てきた。このままじゃ多分全員死ぬだろう。死んで、で?ほかの人たちには全く関係ない。ちょっと関係があったとしても、「死んだんだ?へ~。それで?」という感じ。ま、もともと自分達が悪いんだから何とも言えないよな。ケンは、これまでやられてきたいじめを、溜めに溜めてきて、1回で放出しただけなんだ。むしろ、まだ全部終わってないかもしれない。予想は当たってしまった。

 ドアが開く。ケンの、これまで見たこともない満面の笑みが一瞬見えたような気がした。近くにいた、女子に手が伸びる。キャーーーーーッ!!!と悲鳴が上がり、彼女は連れていかれる。約1分後、必死に泣きながら「助けて……助けて……ねえ……。ほら、見ての通り何でも……。何でも……、してあげるから……命だけは……助けてぇぇええぇえぇぇぇええぇえぇぇッッッッッ!!!!」……と、命乞いをする声が聞こえた。しょうがないんだ。もはや何があってもしょうがないんだ。それが今の世の中の現状なんだ。しょうがない。しょうがない。誰が悪いとかじゃない。みんな悪いんだ。


     〇


 あれっ?あれ?あれっ?あれれれれ?あれっ?あれっ?あれっ?おっかしいな。そんなはずないのに。笑いが止まらない。アハハ、アハハハハ、ハハハ、ハハ、…笑いが止まらない。……ん?なんだこれ?

 「直視できない状態」から、下腹部に5、6回、包丁で刺されたような傷跡のある同年代の女子の…………………………屍体が、そこにあった。


読んでいただき本っ当にありがとうございました。

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