ブラックキャットFC
さぁ、ついにやってきました!
黒猫杯本戦!
厳しい?予選を勝ち抜いてきたチーム同士による熱い試合が今日から始まる!
当然というかなんというか、今日は朝からみんなのテンションがいつもとは違った。
「俺はやるぜ!俺はやるぜ!」
クリスはこんな感じで朝からうるさい。
あと知能が低下している感じ。
「俺もやるぜ!俺もやるぜ!」
レオも同じ感じ。
「大丈夫……、勝てるはず……。
バカ二人がバカやらかさない限り勝てるはず……」
ロナは親父さんのプレッシャーと戦っている。
「ジズー!
見ててね!
今日ボク三点取るのだ!」
「一試合で一人が三点取ることをハットトリックっていうんだよ。
ハットトリックがんばれ!」
「そっか!ハットトリック!
ボク、ハットトリック取るのだ!」
うん、バハムルは元気でかわええ!
試合が待ち遠しいみたいだ。
「大勢の前で何かするなんて初めてだよ……。
緊張するな~」
「シャキっとしなさいよ!
漢でしょ!?」
「いや……、俺はまだ漢にはなれてないんじゃないかな……」
アルフレートは人前に出るので緊張してるようだ。
そしてミッシェルはそんなアルフレートに容赦がない。
まぁ、夫婦だもんね。
「あと四回勝ったら金貨一万枚か……。
十一人で分けるから一人金貨九百枚くらいか~。
夢が広がるな~!」
パレオは賞金をゲットした後のことを考えていた。
ほとんどうちの研究室に籠もってるのに、お金なんて何に使うんだろう。
「同胞の者が見ている以上、無様な姿は見せられないのじゃ!」
アレッサンドラはエルフィニアの第一王女としての威厳を保つため、いつになく気合が入っている。
「……」
フランはあぐらをかいて座って、腕を組んで目を閉じてずっと黙っている。
なんなの?侍か?
よくわかんないけど、闘志が漲っているのがわかる……気がする。
てか、見た目ただのギャルだから違和感半端ない。
「なんか学生の頃に戻ったみたいだね~!」
「そうだねー、体育祭とかこんな感じだったっけ?」
澪と雫は言葉通り、体育祭の日の朝みたいな気分なんだろう。
「あーちゃん、今日もいっぱい応援する。
がんばる」
あーちゃんは珍しく、みんなのテンションに引っ張られてなのかテンションが高い……と思う。
今日こそ寝ないで応援できるといいけど。
「ばくばくもぐもぐ!」
アスモは我関せずといった感じで朝ごはんを貪り食っている。
一応アスモは何かあったときのために、交代要員としてベンチにいることになっている。
「おめーら怪我してオレの出番作ったりすんじゃねーぞ?」
あんなこと言ってるが、みんなの様子がいつもと違うので心配してるんだろう。
「ちげーよ!」
「え、なに?」
「いや、なんか失礼なこと考えてるような気がしたんだよ」
「気のせい気のせい」
無駄に鋭い魔神さんだった。
「ガイアに住まう民たちが生を楽しんでいる。
大変良きことです」
薫子さんがバグった。
「何急に女神っぽいこと言ってるの?」
「いやー、一応女神だからそれっぽいこと言っておいたほうがいいかなーって」
うん、意味わからん。
とまぁ、こんな感じで今日は朝から全体的にソワソワしている。
俺も、今日初めてみんなの試合を観るので、実はかなり楽しみだったりする。
「そういえばさ、うちのチームってポジションとかどうなってるの?
決めてるの?
それとも自由にやってるの?」
「もちろん決めてるし。
みんなが好きなようにやってたら勝てないし」
侍が答えた。
「大会が始まる前の練習してる時期にとりあえずって感じで決めて、予選が始まって実際に試合をやって、ちょっと変更したって感じだよ。
今はなんとかそれっぽくなってはいるんじゃないかな」
アスモのおかわりを用意しながら澪が言う。
もうすっかりお母さんポジションに違和感がないなぁ。
「へぇー、そうなんだ。
誰がどのポジションなの?」
「まずトップにロナ。
その左右にクリスとレオっていうスリートップ。
んで、その下にトップ下でバハムル。
前線はこのドラゴン四人組だし。
んで、超攻撃的な四人のフォローをアルフレートとミッシェルに中盤でしてもらうし。
左サイドバックにはパレオ。
澪と雫が、マルディーニなら絶対左サイドバックだって言うからそう決まったし。
アレッサンドラはセンターバック。
これも澪と雫が、ネスタはセンターバック意外ありえないって言うからそうなったし。
んであっしはリベロ。
攻めも守りもなんだってやってやるし!
残った右サイドバックとキーパーを澪と雫がやることになったし。
澪がキーパーで雫がサイドバック」
「はー、なるほど……。
こっちの世界のキーパーってかなりハードだと思うんだけど、澪大丈夫なの?」
「一応私は魔女の能力受け継いでるからねー。
魔法職だからフィジカル弱そうなイメージあると思うけど、そこはさすが英雄とまで言われた人物!
身体能力も、そのへんの一般人と比べたら全然高いのよ」
「あ、そうなんだ。
じゃあ雫も?」
「私もだよ~。
聖女だけど、地球だったら戦士になれるよ~」
「おー、さすがガイアの英雄。
半端ない」
「ちなみに予選見た感じだと~、うちみたいな地球スタイルのサッカーするチームはほとんどなかったよね~」
「え、そうなの?」
「うん、どのチームもかなり偏ってたかな~。
全員攻撃!とか全員守備!っていうチームがむしろメジャーだったよ~」
「さすがガイア。
それでも成立しそうだからすごい」
「大前提が地球とはいろいろ違うからね。
地球のやり方のほうがいいとも限らないしね」
澪の言う通り、地球とガイアでは大前提が違う。
身体能力の差っていう大きな違いがある。
ガイアには、地球とは違うガイアの最適解があるんだろう。
とはいえ……。
「でも、サッカーを持ち込んだ側としては、やっぱりそう簡単には負けたくないよね」
「「だよね~」」
澪と雫が揃って頷く、
「安心しろし。
あっしがいる限り、負けはないし」
うむ、侍頼もしいっす!
「じゃあ、ぼちぼち準備して行くとしますか!」
「「「「はーい!」」」」
「あ、ちょっと待って。
最後にサラダだけおかわり!」
アスモさーん、超締まんないっす……。




