お宅訪問
今俺は一ヶ月程前に現れたダンジョンの前にいる。
あーちゃんはこのダンジョンにいたって言っていた。
あーちゃん(仮)も、ダンジョンがどうとか言っていた。
ダンジョンを住処にしていると仮定して、俺はこれからダンジョンに挑む。
ちなみに、同行者はこちらのみなさんです。
ガイアの管理者の薫子さん、魔女の澪さん、聖女の雫さん、天使のフランさん、竜王の執事見習いのクリスさん、同じく竜王の執事見習いのレオさん。
以上、俺を含めて全員で七人、このメンバーで魔神のダンジョンに挑もうと思います!
パレオ、アレッサンドラ、アルフレート、ミッシェルの一般人四人は自宅待機だ。
王女のアレッサンドラを一般人というのはおかしいが、たとえ王女だとしても、うちでは一般人のカテゴリーになってしまう。
バハムルは子供だから当然自宅待機。
そして自宅待機の五人の護衛を、我が家の良心ドラゴンであるロナにお願いした。
何日も帰ってこれないってことも普通にありえるから、護衛というよりも四人の食事の世話がメインの仕事になると思う。
ロナは俺たちと一緒に暮らすようになってから、毎日澪と雫について料理を教わっている。
今では覚えた料理であれば、問題なく一人で作ることができる。
家はロナに任せれば何も問題ないだろう。
もしあーちゃん(仮)がダンジョンに戻らないでうちに来ても大丈夫なように、薫子さんが世界樹の力を使ってセーフティエリアに対魔神結界を張った。
世界樹ってそういう使い道があったんだなぁ。
ってことで、問題はこっちだ。
まさか魔神のダンジョンに入ることになるとは……。
薫子さんによるチートがあるとはいえ、中身は十年以上病気でほぼベッドの上で過ごした俺だ。
ダンジョンだなんて不安でしかない。
みんながいてくれて実はホッとしている。
それじゃ、行きますか!
「じゃあ行こうか」
「ちょっと待ったっす!」
いきなりストップがかかった。
いきなり何かやらかしたのかな俺。
「俺とレオが先頭で進むっす!
後ろはフラン、やってくれるっすか?」
「めんどいけど、しゃーないからやるし。
背後は任せるし」
「あ、なるほど。
隊列か。
ありがとう、俺そういうの全然わからないからさ」
「俺たちに任せてくださいっす!
こういう時ぐらいは役に立たないと申し訳ないっすからね!」
おー、なんて頼もしいドラゴンなんだ!
いつも澪やロナに怒られてる姿ばかり見てたから忘れてたけど、ドラゴンなんだもんなぁ。
しかも、見習いとはいえバハムートさんの執事候補。
マジで頼もしい!
フランはいつもゴロゴロしてるだけだけど、いざって時は守ろうとしてくれているので、普段から頼もしさは感じている。
「それじゃ、行くっす!」
クリスとレオを先頭に、俺たちは魔神のダンジョンに入っていった。
「これは一体どういうことかな?」
澪が思わずといった感じでそう言った。
「ダンジョンっていうのはこういうものなの~?」
「さぁ……」
ダンジョンに入ると、中は狭い通路が奥に続いていた。
狭い場所での襲撃やトラップは危険だと言うので、すごく警戒しながら進んだ。
ニ~三分程進むと行き止まりにぶつかったが、壁に扉がついていた。
ゆっくりと慎重に扉を開けて中に入ると、十畳くらいの広さの場所だった。
一部葉っぱが敷き詰められている所があるが、それ以外は特に何もない。
先に続く道とかはない。
仕掛けでもあるのかと思って壁を調べてみる。
しかし、特に何もない。
「えーっと?
ここが最奥ってこと……?」
これはダンジョンとは言えないんじゃ?
てか、洞窟に作った秘密基地ってレベルじゃない?
「魔神のダンジョンだからきっとすごいダンジョンだと思ってたっすけど、普通のダンジョンと同じみたいっすねー」
「ダンジョンってこれが普通なの~?」
雫が不思議に思うのは当然だと思う。
少なくとも俺と澪と雫はそう思う。
日本的なダンジョンのイメージは、広くて何階層もあって、モンスターとかうじゃうじゃいるようなイメージだ。
「ダンジョンってのは、どういう理屈なのかは知らないっすけど、成長していくんすよ。
すごく昔からあるダンジョンなんかは、めっちゃ広かったり何階層もあったりするもんっす。
生まれたてのダンジョンは、最初はダンジョンマスターの部屋しかないっす。
そういえばっすけど、このダンジョンってまだ生まれて一ヶ月くらいっすよね。
だったらこんなもんかもしれないっす」
なるほど、生まれたばかりのダンジョンだからってことか。
「てことは、ここはあーちゃんが住んでた部屋ってことかな。
もしかして、あの葉っぱが敷き詰められたのが寝るスペースとか?
あーちゃん、一ヶ月もこんな所に一人でいたの!?
なんてこと!
早く連れて帰らないと!」
思わず叫んでしまった。
「確かに、本人がここの生活を気に入ってるとかない限り、ここで一人はつらいだろうね」
「連れて帰るっつっても、ここに戻ってないんじゃどこにいるかわかんないし。
どうするし?」
「どこにいるのかわかんない以上、ここで待ってるのが会える可能性はちょっとはましかな?
それに、相手は魔神だから手分けして探すってのも怖いね」
「わざわざ探すまでもねえよ」
「そうかな?
やっぱりここで待ってるのが一番いいかな」
「だろうな、おかげでこうやって会えたぞ。
よかったな」
「……え?」
恐る恐る後ろを見てみると……。
「うわっ!あーちゃんがいた!」
「転移って音がしないからビックリするね!」
「帰ってきたんだったら言ってよ~!」
「好き勝手言ってんじゃねーぞテメーら!
俺の寝床に乗り込んでくるたぁいい度胸じゃねーか。
飯も食ったし、テメーらまとめて相手してやるよ。
かかってこいやあ!」
「ごめん、俺たち争いに来たんじゃないんだけど……。
ちょっとお話しませんか?」
「はあ?」
「ガイアを滅ぼしてやるぜー!とか思ってたりするなら別だけど、そうじゃないならこっちとしては敵対する気は一切ないんだよ。
そういう事考えてたりする?」
「そんなバカ丸出しで趣味の悪いことしたいわけねーだろが」
「だったら敵対なんてする気はないよ。
えーっと、俺はジズー。
で、薫子さんに澪に雫にフランにクリスにレオです」
何はともあれ、まずはざっと自己紹介をした。
「勝手に部屋に入ってごめんなさい。
どこにいるかわかんなかったからここで待ってようと思ったんだ」
「はぁ……、シラケちまったぜ。
で、話ってなんだ?」
あーちゃん(仮)はその場にドカッと座った。
それを見て俺たちもその場に座った。
「まず、キミのことなんて呼べばいい?
あーちゃんではないんだよね?」
「あぁ、それか。
あいつに何も聞いてねーのか?」
「俺たちもあーちゃんとは昨日出会ったばかりなんだよ。
いろいろ気になることはあったけど、話してくれるのを待てばいいかなって思ってて」
「なるほどな。
じゃあオレとあいつのことを教えてやるよ」
お、なんかファーストインパクトがあんなんだったせいで勘違いしそうになったけど、こっちのあーちゃん(仮)も普通に話せばわかるタイプの人っぽいな。
やっぱり思い込みとか先入観って怖いわ。
「まず、あいつは魔神でもなんでもないし、アスモデウスって名前でもない。
オレが魔神アスモデウスだ」
「「「「な、なんだってー!」」」」
いきなり俺たちの予想を越えるようなことを言ってきた。
先月から仕事が忙しくなっていってストックを消費しながら更新してましたが、今月に入って忙しさが半端ないので、しばらくは2~3日に1回の更新でいこうと思います>_<
今後とも、よろしくお願い致します( *・ω・)*_ _))ペコリン




