番外編―別荘に行ってみた-2
都市に現れた竜関係で、フルールがきたあとにアルベルクがシリルの部屋にやってきていた。
彼もまたその竜との戦いに関係していたこともあり色々と事後処理に追われているらしい。
その関係で今はシリルの元にアルベルクは来ていたのだが、そこでシリルはアルベルクに愚痴った。
「恋人になったはずなのに、フルールとの距離が今までとほとんど変わらない。これは一体どういうことなのか」
「そんなことより俺の書類にサインをくれ。それで俺の仕事は終わって、カタリーナとデートだから」
「……」
「……」
無言で恨めしそうに見上げるシリルにアルベルクは楽しそうに、
「俺の仕事はカタリーナが手伝ってくれたからな。お前もあのメイドに頼めばどうだ?」
「……フルールに余計なスキルを付けさせたくない。そんなこれ関係の力を手に入れたら王宮からもスカウトが来てしまうかもしれない。そレからめくるめく王宮の陰謀劇に巻き込まれることになるんだ!」
「お前の妄想はどうでもいいが、それは自分の都合だろう? 諦めてその仕事を一人でこなしていくんだな」
確かにシリルはフルールに手伝わせたくないのでこんなことになっている。
となると現在使える相手は、
「……アルベルクが手伝って」
「いやだね。俺だって大変だったんだからこれ以上大変な思いをしたくない」
「うう……フルールとの時間はあの竜の面倒にも割かれているし……フルール」
机に顔をうつ伏せにしてそうぼやき始めたシリルに、アルベルクは変なものでも見たような顔になり、
「まさかシリル、お前がこんなふうになるとはな」
「腑抜けだろうがなんだろうが、そんな評価はどうでもいい……フルールとの時間がほしい」
シリルが延々とぼやき続けるのでアルベルクはどうしたものかと思う。
一応はライバルであるシリルがこんな状態であるのも気に入らないし、この二人の関係は……もう少しこう、甘くてもいいんじゃないかなとはためで見ていてもそう思う。
多分お互いは大好きなのだがそれが斜めな方向に飛んでいっているので微妙に交わらないのが原因だろう。
つまり二人に必要なのは、“共同作業”である。
そこでアルベルクは思い出した。、
「この仕事が終わったら俺はカタリーナと一緒にメリアナ地方の別荘に行く予定だ」
「うーらーぎーりーもーのー」
「話は最後まで聞け。そこにはリノラさんという山があってあの、恋人同士がつけるとその恋人たちはずっと一緒に要られると言われている“マーレ原石”が採れる場所だ。俺とカタリーナは一緒にそれを探しに行く予定だった」
「……自慢話じゃないか」
「その別荘に、フルールとシリル、お前を招待してもらえるよう頼んでやろうか」
「……君のような素晴らしい親友を持って僕は嬉しいよ」
「恋は本当に男を駄目にするな。まあ、早く仕事を終わらせてくれ。今日中にカタリーナに話して……ああ、兄さんにもそちらに行く旨を話しておかないと。そっちのほうが回収しに来るには近いだろうし」
そこでシリルが微妙な顔になる。
「アルベルクの兄が来るの? あいつ面倒くさいんだけれど」
「……そろそろ負けてやってくれ。本当に兄さんは修行の度にでたまま帰ってこないんだ」
嘆くようなアルベルクにシリルは考えておくよと答えたのだった。




