番外編―別荘に行ってみた-1
いつものように、私、フルールは働いていた。
「えっと、洗濯物はこっちと」
今日は久しぶりの青空が広がっている。
あの都市に現れた竜関係で壊された家々の補修などは既に終わり、都市はいつもの平穏を取り戻して
いた。
ただシリルはまだまだ事後処理が終わらないらしく、
「フルールとデートしたりデートしたりデートする時間がなぁあああい」
お茶を運んでいる私はこの前そう叫ぶシリルを見たのである。
ちなみにその時私は、シリルの所におやつを運んでいる最中だったのだが。
その叫び声を聞いて、シリル様、疲れているなと思いつつドアを叩いてから、
「シリル様、お茶とケーキを持ってまいりました」
「フルール! ありがとう!」
嬉しそうにシリルが私にそう語りかけてくる。
そして私はお茶を用意しながら、ちらりと見るとうず高く積まれた書類の束が見える。
これを全部こなさなければいけないなんて大変だなと思う。
かといって、い、一応恋人でもあるので心配してもいるわけで、
「この件が全て終わりましたら、またデートをしましょう、シリル様」
「うん! よし、即急に片付けてやるぃいい」
そう呟いて、頑張り始めるシリル。
さて、あとはと思っているとそこで青色の小さな竜が私の前に現れる。
この前の一見で回収した竜である。
「どうしたの“アオ”」
「きゅー」
どうやらおなかが減ったらしい。
この子達は果物やお菓子を食べるらしい。
なので私の手作りお菓子や果物をあげていた。
しかも倒した私にしかこの子達はなつかない。
「よし、手なづけてドラゴンマスターに私はなる!」
「……フルール、保護法で禁止されているから。そもそも親にバレたら誘拐犯として僕達ごとこの都市
が破壊されるから」
以前そう呟いた時にシリルに真っ先にツッコミを入れられてしまった。
そうなのか、と思ってちょっと残念な私だった。
ちなみにこの子達の親には既に連絡はいっていると思う。
確かアルベルクの兄がその竜と知り合いらしく、連絡が来たらしい。
ただ遠い場所にいるのと別の事情でまだ戻ってこれないのだそうだ。
「あれは脳筋だから、どこかで綺麗な女性にお願いされて意気揚々と村か何かを救ったらその助成は人
妻だったとかそんなことになっているんじゃないか?」
とシリルが随分と具体的に話していたのも思い出した。
そんな話を思い出しつつその“アオ”と一緒に台所近くに戻る。
竜の子供達は庭にほぼ放し飼いにされていて食事の時になると私の側に集まるようにする。
私にもメイドの仕事があるのでしかたがないと冷え、いつもこの子達の相手をしているわけにはいか
ないのだ。
なのでシリルに頼んで庭を自由にさせてもらっている。
はじめはこの屋敷のメイドもその小さな竜に怯えていたが、今は時々おやつを上げているらしい。
見ている分には可愛いしどちらかと言うと人懐っこいのだ。
ただシリルにはちょと厳しい気がするが。
そんなことを考えながら私は、いつもの様に果物を探す。
今の時期は、“ブルーフルーツ”という蒼くて食欲のなくなる果物が旬なのだ。
それを四個もって私は小さな竜達の所に向かったのだった。




