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高性能メイドは、やれば出来る子です!  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第一章 メイドになった私が御主人様と普通に恋に落ちるお話(嘘)
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つれさらわれ二回目

 目が覚めると人が住まなくなって廃墟と化した大きめのお屋敷に連れてこられているようだった。

 ご丁寧に私を椅子に座らせたまま後ろ手にロープで縛りあげているようである。

 ロープ自体にも魔法がかけられているがこの程度は私には問題ない。


 そして私の背になる部分に壁があるようだ。後ろ手に縛られた手を少し動かしただけでレンガであるらしいざらりとした感触があり、隙間をモルタルか何かで埋めたような線上のくぼみを感じるし、左右を見回しても壁なのだから間違いないだろう。

 どうやらまたも私は人質にされてしまったようだ。この前のついていったものを人質と称するならば、これで二度目である。

 なのですでに準備は整っていた。


 ドレスに着替えさせられながらももしもの時にと思いそっとメイド服に忍ばせてあった小さなナイフを取り出して後ろ手にされた指で、器用にナイフで縄を切っていく。

 但し縄は地面に落ちないように指で押さえたまま。

 私を人質に取った相手をまずは見てからにしようと思っていた。


 そこで靴の足音が幾つも響く。

 現れたのは男達十人ほど。

 全員が以前新聞で見た“翡翠の涙”と呼ばれる集団らしいバッチを付けている。

 そこでその中でリーダー格であるらしい男が私の前に進み出て、


「お前があのシリルが大切にしているというメイドか」

「はあ、ご主人様には大事にしてもらっていますが」

「そんなお前を人質に取ったら、あの忌々しいシリルはどう思うだろうな」


 そう言って楽しそうに笑う様子が、何となく雑魚の様な悪役っぽい。

 小物というべき彼を見ながら私は、


「ご主人様と何か御関係が?」

「ああそうとも! 我々の計画を全てにおいて邪魔しおって。だがお前という人質が手に入った」

「あの、今日の様にご主人様に死角を送ったりされていたのでしょうか」

「もちろんだとも。だがあの屋敷に送った刺客である我々の仲間誰一人帰ってこなかった」

「そんなお化け屋敷のように言われても困ります。全員捕らえられただけでしょう」

「ふん、怪物のいる邪悪な屋敷以外の何物でもない。だがここで我々は起死回生のチャンスを手に入れたのだ」


 得意気に私の前に彼は、白い球体を取り出した。

魔法に関してあまりわからない私だが、彼らのドヤ顔を見ると重要なものなのだろう。

 そう考えた私は、後でそれをシリルにお土産として持ち帰るのに決めた。

 そんなふうに私が考えていると走らず彼は得意気にその玉を掲げて、


「これはこの都市に凶悪なドラゴンを呼び出す道具の一つなのだ」

「はあ、ドラゴンですか。物語に出てくる蜥蜴に翼が生えたあれですよね?」

「その怖さを感じない表現はやめてもらえるか。この都市を炎の海にする、炎系の赤い瞳ドラゴンや人喰い流という灰色の瞳のドラゴン、風を司る水色の瞳のドラゴンと言った危険なものを多数呼び寄せられるのだ」

「ドラゴンにも色々な種類があるのですね」

「お前、本気にしていないだろう」

「いえいえ、話せる相手がおらず自慢しているんだなと思って聞いていました」

「あのシリルのメイドだけあって、苛立ちを覚える物言いだな。だが都市が壊滅状態になると聞いてよくそんなに平然としていられるものだな」


 笑う彼を見て、私も彼に向かって微笑み返した。


「だってきっと失敗するでしょうから」


 そう答えた私に彼らは沈黙する。呆然としているようだ。

 だがすぐに目の前の彼は笑い、


「なるほど、シリルがそれを食い止めると思っているのか?」

「いいえ。だってここで貴方達は全滅してしまうからです」


 そう告げると同時に私は椅子から飛び上がり、風の魔力を纏いながら彼らに攻撃を仕掛ける。まさかいきなりそうなるとは思わなかったのだろう。

 縄にも魔法がかかっていたようだがそれを欺くように私は上手く縄を切ったのだ。

 ドレスなのが面倒というか少し汚れてしまったが非常事態なので仕方がないと私は割りきった。そのまま悲鳴を上げる彼ら全員を一分もしないうちに倒して、


「よし、殲滅完了。さて、帰ろっと。そういえばなにか重要そうなものを持っていたわね。これかー」


 そこで私は彼らが自慢していた白い玉を奪い、シリルの屋敷へとかけ出したのだった。


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