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高性能メイドは、やれば出来る子です!  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第一章 メイドになった私が御主人様と普通に恋に落ちるお話(嘘)
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好みの特徴は、○○でした

 廊下に出て少し離れた所で謎の男を一名見かけたので、準備運動がてら一人倒して傍にいた執事の人に預けた。

どうやら私はまだまだ強くならなければならないようだと一人納得しているとそこで、アルベルクが引きつったような表情で、


「何時もこんな風に、あやしい輩は倒しているのか?」

「はい、ここに出入りしている人達の経歴も含めて全部教育されておりますので、その情報から“敵”を選定してこまめに遭遇するたびに倒しています。やはりご主人様の安全を守るのもメイドの仕事ですから!」

「メイドってそんな仕事だったか?」

「私、何か間違えていますか? 一般人ですので、メイドの仕事なんて縁がないので小説くらいしか知らなくて」

「……いや、いい。君のメイド感については興味深い話を聞かせてもらったと思う。君は君の好きにすると良い。俺のメイドではないからな」

「そうですか、ではこのままでもある程度は大丈夫って事ですね」


 好きにするといいと言って止めないのだから、きっとメイドとしては間違っていないのだろうと私はそう解釈した。

多少の解釈の相違は受け入れるべきであり、きっとそれも些細なことなのだろうと私は思った。

 だがそう言ったアルベルクが笑顔ながらも微妙な顔をしている気がするなと私は思っているとアルベルクは、


「……流石にこれはちょっとシリルに同情する」 

「何がでしょうか。私は何かを間違えていますでしょうか?」

「いや、うん、ところで魔法を専門的に学んだのはここでが初めてか?」

「はい。どうも才能があるようなのですが働きたかったので、学校よりも就職の道を選びました」


 アルベルクの瞳が何処か遠い場所を見る様な眼差しに代わる。

 彼なりに何か思う所があるようだが、この行動は失礼だと思う。

けれどメイドである私は、一応はご主人様であるシリルの従姉妹、カタリーナの恋人に対して無理やりそれを吐かすために締め上げるなんて事はしないのである。


メイドらしい節度を私はきちんと持っていると思うのだ。

 そう思いながら心の中で、締め上げて何を思っているのかを言わせたいと繰り返しつつも頬笑みを浮かべているはずの私にアルベルクは深々と溜息をつき、


「そうかそうか……そうか。ところで話は変わるが、先ほどのこの家の人間達についての情報は、もしかしてここの女主人になる為の教育なのでは?」

「まさかー。皆、変な人がいたら倒すよう言われているらしいですよ? それにもし違うならば、きっと私がシリル様の信頼できるメイドだからなのでしょう。シリル様は人を見る目もありますしあれだけ優しいから人徳もあるでしょうし。私もあんな理想的なご主人様はいないと思います」

「……君の言うシリルという人物は、俺の知らない別人なのではないかという疑惑を俺は常々抱いている」


 変な物を見たかのような顔で私を見るので、むっとした私はアルベルクを見て、


「美形が台無しですよ? それよりも早く私にこの前の報酬のお話を聞かせて下さい」

「報酬?」

「ほら、私とカタリーナ様が人質に取られた時の話です」

「ああ、えっと、確かシリルが好きな物だったか」

「そうです。それさえ分かれば、シリル様のお見合いを成功させる事が出来るんです」


 アルベルクが私の情熱と反して、真顔で沈黙した。

 何でだろうと私が思っている間にアルベルクはにやと悪い笑みを浮かべて、


「つまりこれは、ひっかきまわす機会だと」

「? 何がですか? ……嘘を教えたら、カタリーナ様に言いつけますからね」

「や、止めろ。そ、そうだったな。シリルはよくレモンケーキが好きで食べていた」

「レモンケーキ……それはまだここに来て作った事がなかったです。貴重な情報をありがとうございます。でも出来れば好みの女性の特徴を教えて頂けると助かります」


 その特徴を持っている相手ならば、お見合いもスムーズに進む事になるだろう。

 だからその情報を私は欲しかった。そこでアルベルクはまじまじと私を見てから、


「そうだな、まず、髪は黒髪かな」

「黒髪ですね。短い方が良いですか? 長い方が良いですか?」

「多分長い方が好みだと思う」

「そうですか。他には?」

「瞳の色はピンク色だな」

「私と同じですね……からかっているんですか?」

「真面目な話をしている。カタリーナに言いつけても何ら問題の無い話だ」

「それならば信用は出来ますね。他には?」

「もしかしたなら、振り回されるのが好きかもしれない」

「なるほど、自由でお転婆な感じですね。分かりました。他には?」

「これぐらいかな。俺が言えそうなのは」

「……意外に少ないですが、これだけあればまたシリル様にあった条件が見つけられるでしょう。ありがとうございます、アルベルク様」

「いや、この程度の事は造作もない。うん……それでは戻ろうか」

「はい! さて、次はレモンケーキを作ろうっと」


 私はそう機嫌をよくしてカタリーナやシリルのいる部屋に戻ったのだった。


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