3/19
出会い
『女の子相手に大人げないな』
完璧に揃った声が突然降ってきた。一瞬おいて二つの影が降り立つ。寸分の狂いもない動き、全く同じ銀色の髪、二対の瞳は青灰色。瓜二つな少年が男に歩み寄る。
「そんな、化け物の生き残り!?うわああああああ!!」
汚い悲鳴を響かせ、男は逃げていった。自由になった少女は手鏡を大事そうに拾い上げ、
「ありがとう。」
と、笑みを浮かべる。少年らは照れたようにあたまをかいた。
『あれ、お前オレらのこと怖がらないな?』
同じ声で同時に問う彼らに少女は首をかしげながら微笑む。
「助けてくれたじゃない。それに世界がこうなったあとに生まれたからわかんないよ。私ミラン、あなたたちは?」
『オレたちは……ヴェリタ』
ミランの手を引くヴェリタ。街を出て、森の高台へ。