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彼女との邂逅

地球にとって俺という存在はどれほど目立た

ない存在なのか。

考えたくもない。







考えたってしょうがない事は想像することすら放置するだろう。

しかし有名人などの、国、または世界で名の上がる選手、画家、タレント、作家などは、

自分がどれほど有名な存在か、なんてことを考えたりする。プライドやポリシーにしている人間だって腐るほどいるだろう。





そして俺、市原阿木都(いちはらあぎと)はある都合上により、とある以来を受けた。






「世界一難しいゲームをクリアしてほしい」






誰から送られてきたのかわからない、謎の手

紙。宛先や住所も書かれてないところからして、多分自分の足で俺の家を特定し、自分の手で俺の家のポストに入れたのだろう。

ある程度理解した上で言うのも何だが、俺はゲームの才能はあるが、そんなに多くのゲームを持っている訳ではない。



お金もなければ友達も少ないはず……

なのにだ。何故俺に依頼するのか。

二日考えたが今だに理解できない。

他の家にも来たのではないかと考えてみたが確認ができない……(俺の少ない友達に聞いてもみたがそんな手紙はきてないらしい)







































★★

「あぁあぁあぁあ!!考えれば考える程に分

からん!一体俺に何をしろってんだぁあ!」

現在俺は一人暮らし(因みに一軒家)をしており、叫んだところでそれは独り言となる。

食事はカップラーメンが日課。現在16歳。

髪は引きこもっているので長い。

長めではなく、長い。ポニーテールが結べるくらいに長い。仕事は無職。いや、明日から本気出す主義(明日になってもまた同じ事をくりかえし言う主義でもある)




カップラーメンを買える金がどこから湧いてきたのかという疑問があるだろうが、今その件について、大変な事態になっている。

俺の仕事には名前がない。

他人のゲームをクリアし、送り主に返す。そんな仕事だ。勿論俺が仕事と言う以上、金はでる。

がっぽり報酬が出るわけではないが、まぁ、カップラーメンで生きていけるぐらいのお金は依頼を受ける内に貯まる。

何故自前のゲームを持っていないのに、ゲームが得意分野と誇れるのかはそう言うことである。

しかし、今、そのザ、マイライフが崩れそうになっている。




≪世界一難しいゲームをクリアしてほしい≫





唐突に謎の手紙が来て、4日後の事である。

謎の手紙がきてからポストを頻繁に開けるようになってしまった俺はあることに気づく。

毎日来るチラシは?進学ゼミのワンパターンの漫画は?ピザーラは?ふざけんな。

何者かによってチラシ、宣伝が全て止められているのではないかと思う俺は果たして厨二病か?

そんなことを考えながら乏しく家に戻ろうとしたその時だった

一人の女の子が俺の家めがけて走ってきた。







「……」



「…………あ」



「……ちょ、どゆこと?」



俺は困惑した。

我が家のポストめがけて女の子が(しかも美少女)が全力疾走で訪れてきたのも驚愕だが、それ以上に、それ以前に、彼女の服装に驚愕した。

魔女の印象をもたせる服装に、背中には何故か大剣。程よいつり目にスラッとした茜色のようで桃色のようなセミロングの髪の毛。そして宝石を入れたように錯覚してしまうほどの水色の目

「…た、」

彼女は逡巡しながらも口を開いた。

「宅急便です!!!」

何しに来たこいつ。

「……俺は何も頼んだ覚えはないぞ…」

「この大剣を…」

「いらんわぁあぁ!!」

「この大剣を一回体験してみては…な、なんつって…」


二人同時に苦笑い。

沈黙が走る。

この少女は何者なのか。

展開が早いというよりかは、この少女の言動の展開が早いと言ったところか。

あの手紙と何らかの関わり合いをもっているのかはまだわからない。

迷っている暇はない。

そして俺はわずかな可能性をかけて、ポツリと呟くように彼女にこんな質問してみた。

「お前今、ポストに何か入れようとしてただろ」

「その事についてだが」

大剣彼女は何の躊躇もなくこう言った。

「一旦お前の家に上がることはできないだろうか、阿木都よ」

なんで俺の名前を知っているのか。

それも全て俺の部屋に上がらせれば教えてくれるのだろうか。

しかし引き籠りの部屋に女子を招いていいのだろうか。それ以前に俺は女子を自分の部屋に入れたことがない。

俺はその場で考えた。









どうする俺。

どうしようもないな俺。

どうしてこうなった俺。

あいつに詐欺られてるわけじゃないよな俺。

俺〜俺〜松ケンさんバ〜大丈夫か俺。

「いや元からこうか」

「ではお邪魔させていただくわ」

躊躇なくお邪魔された。

そして俺は欲ではなく彼女に好奇心があるだけだと自分に言い聞かせた。


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