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紅く、滴って。狂気ノ歌。

作者: 風間 慧斗

ああ…駄目だ。

(わら)いたきゃ、(わら)えばいい。





日は沈み、夜の帳が下りる頃

僕は“闇”に包まれる。

再び、暗いその海へと

深く深く、身を投じ。


今はまだ“正常”。だが、きっとその内、発狂。

どんなに足掻こうと、所詮僕はオカシナ存在。

ならばいっそ、誰も届かない場所へ行ってしまおうか。“夜”の、支配を受けて。

その、向こうへ。


忽ち堕ちる、思考回路。

広がる広がる、暗い闇。

蹲り、目を瞑って耳を塞いで 

ホラ“静カ”ニナッタ。

そして何処かに、紅い“華”が咲く。



いとおしい君を、愛でませう。



美しいあの人を、愛でませう。

(ソレハ、誰?)

アナタの唇に噛み付いて 

その首筋に牙を立てる。

(苦シミニ歪ムハ、誰カの顔)

忽ち流れ出るは、真っ赤なアナタの血。


嗚呼、何テ綺麗ナノデショウカ。

流レ落チル赤モ、涙ニ濡レルソノ瞳モ。

嗚呼、何テ愛シイノデショウカ。

恐怖ト痛ミニ歪ム顔モ、タスケヲ求メテ上ゲル悲鳴モ。


その美しさに酔った僕は、更にアナタを追い詰めて。

(サァモット、恐レ・苦シメバ悦イ)


堕ちる堕ちる、僕の身体。

更に広がる、暗い闇。

モウ何モ届キハシナイ 

音も光も、「彼」の歌でさえ。

そして、傍らには紅い“華”が咲く。



全テヲ閉ザシテモ尚、ドウシテ涙ガ零レルノ?

それは、愛に飢えた僕が作り出した“妄想”を見ているから。



堕ちる堕ちる、思考回路。

そして飲まれる、暗い闇に。

歯を食い縛り、震える自身を抱き締めて。 

僕ガ僕ニ牙ヲ剥ク。

そして広がるは、誰の赤?


ただ堕ちて、深い闇に。

虚ろな瞳は何処を見る?

耳に残るは、断末魔にも似た喘ぎ(誰かの喘ぐ声)

僅かに残った感覚で痛みを感じる。

そして広がる、紅い華。


狂気と言う名の、僕の華。



今はまだ“正常”。だが、きっと直ぐに、発狂。

どんなに足掻こうと、所詮僕はオカシナ存在。

ならばいっそ、誰も届かない場所へ逝ってしまおうか。何とも甘美な、その場所へ。

あの、向こうに。


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