煙の持ち主
…見た感じその人は自分と同じくらいの歳って感じだ。
……あ、言い遅れたが俺は大学生だ。19歳だ。
あと1年で酒が飲める…楽しみだ。
それはさておき…その人は口を開いた。
「ん?遭難者か?」
「あぁ…まあ……遭難者っちゃあ遭難者ですね」
「そこに座ってな。鮎の塩焼きだしてやるから。」
「………どうも…」
この意味不明な会話はなんなんだ。
鮎の塩焼きをだしてやるからそこに座ってな?親切な人でありがたいけれどこっちとしては早く山中からの出口を教えてほしいものだ。
…しかし郷に入っては郷に従え…とりあえず言うとおりに椅子らしき椅子に座った。
家らしきものはちゃんと見てみたらよくできている。
俺は今おそらく家の外だから…庭…?の椅子らしき椅子にいる。
で、あの人は家に入って鮎の塩焼きを焼いている……………おそらく。
あ、あの人がでてきた。
「おまたせ。今夜の特別メニューの【そこらの川で釣って焼いてから適当に調味料で味付けした鮎の塩焼き】です。」
特別メニューってなんだよ。メニューの名前も長いし。
まあ味がうまいからいいけど。
あ、帰り道きかなきゃ
「あの、すいません。この山からの帰り道ってわかります?」
「………だよ」
「はい?」
「実は俺も遭難者なんだよ」
……こういうパターンって…………ありですか?
2話読んでくださりありがとうございます。
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