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目覚めたら隣にきみが
窓から朝の光が差し込んでいた。
薄いカーテン越しの光が、ゆっくり部屋を満たしていく。
ゼルは目を覚ましていた。
腕の中に、温もりがある。
柔らかい呼吸が、一定のリズムで続いている。
リフは眠ったまま。
伏せた睫毛、少し開いた唇。
寝返りを打つ気配もなく、静かに眠っている。
ゼルは動かず、そのまま見ていた。
この顔を見たくて、隣のベッドを使わなかったことは、
勿論リフには言えない。
光が強くなり、リフが小さく身じろぎする。
「……ん」
ゆっくり、瞼が上がる。
「ゼル、起きてた?」
「ああ」
「いつも早いね」
リフは少しぼんやりしたまま、状況を確かめるように動こうとして、そこで気づいた。
「あれ」
自分が、ゼルの腕に頭を預けている。
「ごめん」
小さく言って、起き上がろうとする。
「大丈夫だ」
「 重くなかった?」
「問題ない」
リフは少しだけ安心したように、息を吐く。
「寝相、悪かった?」
「いつものことだ」
「そうかな」
リフはそう言いながら、もう一度だけ目を閉じた。
「まだ少し、眠い」
そう呟いて、ゼルの腕に頭を乗せる。
朝日が、二人の影を重ねる。
もう一つのベッドは、相変わらず整ったまま。




