表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/166

柔軟性 3

 ヨミに指摘された、俺には柔軟な思考が無い案件なんですけど…


 確かに。マジでそれ。悲しい位に間違い無い…。


 つまり…俺は単純で、馬鹿なのだ。改めて突きつけられた現実だ。ちょっと凹んだが…まあ良い。


 そうだ…、そうだと判ったら、逆張りだ。出来ないとか思う前に、考え方を、目線を変えてみる。

 多分この瞬間、俺はゴムゴムから、ニカへと、劇的に進化したのだ…知らんけど…。


 まずは、外で色々出来るんならば、その逆…中はどうなんだ?


 俺は【深淵】に入った。普通に…もう一度外に出れば、入った場所が当たり前だと…今までは思っていたし、それ以上何も考えて無かった…が?


 だがしかし…


 俺は、大きく意識を変えてみる。で、外に出たらばなんと!


 初めてアマジャさんに有った…いや、俺が召喚されて来た、あの場所に出た。う…ぐ?


 …放置された死体が腐乱して、そこら中凄え酷い匂いだ…

 俺は鼻を摘んで慌てて引っ込む。


 で、また意識を変えて外に出る。


 なんと!!

 今度は一番最近宿泊した、あの宿屋の庭に出た。

 「テレポーテーション能力、来たアああああ!」凄え…馬車で数日が一瞬やで?

 これって…もう無敵やん?


 ん?


 …いや?…待てよ、


 これも…俺限定、俺だけ特典じゃんか?


 まあ…これも無いよりは絶対良いけどさ…


 皆を一気に運べないどころか、【深淵】に入れたら一気に全員、即死亡やん?クソ、意外と使えねえ…


 だが…まあ良い。俺は元いた場所に帰った。


 次に…だ。

 空中とか海中ならどうだ?


 俺は…遥か上空をイメージし、ヒビ割れから窓に変えた穴から、そっと顔を出した。


 遥か眼下に、一部雲が掛かって見えない場所が有ったが、

 なんとこの大陸の、凡その形が見えた。多分…普通だと酸素も薄いし、気温も低い筈だ…と思うのだが、

 どうやら俺には関係無い様だ。

 更に…思い切って…窓からドアに変え、外に出てみた。

 …一応、言っとくと、確かに俺は馬鹿ヤローですが、

 仮に落下したら、足元?いや俺の下に、即、ヒビ割れを出せば良いじゃん、って感じで。

 いい?そこ…俺だってちゃんと考えてるからね!


 で、出た。


 だが…一向に落ちないな?


 そのイメージした位置で、俺の周り?空間が、固定されたっぽい。


 その流れで、今度はマーオちゃんの横をイメージしたら、ちゃんとおねんね中のマーオちゃんの横に出た。


 …その横でスヤスヤ眠っているエッタさんに、ちょっとだけイラッとしたので、


 この日の為に取っておいた、超酸っぱい飴ちゃん、シゲキックすを、その口に放り込んで、

 俺はすぐさまそこを離脱した。


 今度は上空から見えた、綺麗な海岸線に一旦出てみた。

 当たり前だが、海だ。


 随分久しぶりの海だ。潮の香りってやつが、心地良い。


 次は海中だ。一応…溺れる可能性の低い浅瀬から…おっと、服は脱いでた方が良いかな?

 幸い、誰も居ないし…


 俺はフリチンで、まず、大きく息を吸って…浅瀬の、丁度、海面から少し下の、

 つまり海中に出てみた。海中だったが…

 実際、海水に触れている感覚が確かに有るのだが…

 息も出来るし、濡れてもいない?いや…実際目の前に魚が泳いでるんだが…?

 俺は一旦【深淵】に戻り、いそいそと服を着た。

 そして更に沖の、かなり深い場所で、海底まで降りてみて…外に出たら!

 やっぱり濡れないし、息も出来るし…何より水圧の影響も、海流の影響も受けてない。


 確かに底に立ってるし、海底にいたヒトデっぽい生き物を掴んだが…

 やっぱり濡れないし、息も苦しくない。


 お?何かが急速接近中だ、


 向こうから、結構デカい魚…

 不細工だが、サメかな?が、突っ込んで来たが…


 ねじまげた【深淵】を突き出して、そこに突っ込ませたら、


 頭が入った辺りで、動きが止まった。

 お?死んだのか?


 そう思って、腹の辺りを叩いていてみたらば、

 突如復活して、もの凄い勢いで、逃げていった。ん?気絶してたのかな?


 まあ良い、次だ…いやその前に、確か、草花は無事だったよな…


 俺は海岸でワカメや昆布…ぽいのを、適量回収してみた。それを【深淵】に収納し、皆の居る場所に戻った。


 帰るなりエッタさんがぎゃーぎゃー怒ってきたが、

 俺は深淵テレポートで、サッと遠くへ逃げた。


 ふ…いずれこいつにも、カッコいい技名を付けねばな。


 お爺やんが纏わりついてると、全然こっちに寄って来ないアマジャさんと親戚さんに、今してきた事を報告した。

 ああ、いつものこの感じ…これが落ち着くんだが…


 そして、あれを親戚さんに渡す。ワカメと昆布だ。


 え?これ海藻…ですよね?一体…?


 ふ…親戚さん、これ、スープの出汁に最高何ですよ?メッチャ美味いんですよ、しかも…これも食えるしね。


 「勿論信じますよ、貴方様が美味い、と、そう言うのですからね…」ええ、やってやりますよ…絶対美味いもんを…


 親戚さんが静かに闘志を燃やしていた。


 そうこうしてたら、ヨミとお爺やんに拉致られた。

 諦めて、同じく、今有った事を話して、

 昆布を一枚づつ、ヨミとお爺やんの顔面にペチャってくれたやって…


 当然逃げたった。



 これ…メッチャ便利だ…うっひょうー、これで食い逃げし放題じゃね?


 いや…流石にせんけども。



 マーオちゃんには、海で見つけた素敵な白い貝殻をあげた。


 巻き貝?耳を当てたら、海の音が聞こえるんだよって…


 ヤダ…俺って…なんてロマンチックなのかしら…


 エッタさんにもあげようとしたら、

 不意に強く、抉るような肩パンを食らった…

 ちっ…痛ぇなおい…




 もう、バカ、エッタになんか…アゲないんだからね…

 バカ、もう知らない…(逃走前の捨て台詞)




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ