泣くのが嫌なら、さあ歩け3
親戚さんが、お迎え?に行ってる間に、
こっちサイドはもう、お泊まりの用意がほぼすっかりと、完了しようとしております。
そして…その頃。
疾走するシレンさんに、あっという間に追いついたミューは、
シレンさんの背中に飛びついた。
後で聴いて、ちょっと笑ったが、
シレンさんは一瞬、怖くて変な声を上げそうになったそうだが、
それは失礼だと思い、
そんな失礼な自分は、ここで殺されるのでは?
その思い違い?で、必死で堪えた様だ。
集落の近くのヤブにオッカを繋ぎ、私は高い木にするすると登ると、
懐から、ある物をそっと取り出した。
神様から、持っていったら役に立つかも?っと、
お貸し頂いた、オペラグラス なる、魔道具を展開した。
「おお!凄いなコレ、流石は、神様謹製の魔道具だな…
うわうわ、凄いぞ、メッチャ近いな…いや、すぐ近くに見えるぞ?」
なる程…敵は6人か、しかもアーマかよ…
さてと、どうしようかな…
って、え?
あの…ミュー…様?何処へ?
ミュー様が、コレまた凄い勢いでぶっ飛んで行った。
で…、
そのまま空中で魔法発動して?…
うわ…皆、動かんな、え?固まってるのか?…
それこそ、あの一瞬で?しかも全員を?
あの?
…かつてアマジャらを、一瞬で金縛り状態にしたと聞いた、その魔法を発動させて、
敵も味方も纏めて、その動きを全て止めてしまったのか。
そりゃ、手っ取り早いわな…
だが、こんなの無茶苦茶だよ、理不尽にも程がある…
もう、お話にもならない、桁が違いすぎて、笑ってしまいそうだ…
「ああ、ミュー様、私は永遠に貴方様には逆らいません。そして…一生付いて行きますよ…我、忠誠を、どうぞお受け取り下さい」
その言葉を聞き、ミュー様は、得意げなポーズを決めていた。
いや…制圧に掛かった時間は、僅か3分に満たないくらいで、
しかも全員が全員、無傷って?
…私の常識では、到底あり得んのだが…
もう、この際ミュー様には【旅団】に入って頂いて、
全ての部隊を率いて頂きたい位ですよ。勿論、私は本気ですよ?
誰にも文句なんて言わせませんとも。そんなヤツは私が、片っ端からぶん殴ってやりますよ、本当に…
いやあ…貴方様が…味方で良かったです…本当に味方で…
おっと、いかんな。
そうそう、じゃあ、先ずは人質を解放しますかね。
しかしまあ…
見れば見るほど、哀れな賊共だな。
まさに手も足も…なんなら、声まで出ないという…
あーあ、本当に、トホホ…だな…
しかも…この後、身動きも出来無いまま、相手にただ一方的に蹂躙されるんだぞ?
…いやあ、敵ながら気の毒ったら無いわな。
でもま、それもまた運命だよな。
で、どいつが大将だよ?
…ああ、お前だな?判るよ、一番ピカピカの、いい格好してるもんな。
いや…良いよ良いよ、無理すんなって、…今、返事もロクに出来ねえんだろ?
じゃ…それ以外はもう良いかな。
悪いけどサクッと死んどけ、な。
どうせ…噂じゃ、暫くしたら生き返るんだろ?
じゃ、簡単に生き返れない様に、悪いけど皆、首落としとくぞ?
で、大将、お前さんはお話が有るからな、
お前は…取り敢えず、両手だけ落とすからな?
いや、ちょっとだけ痛いけど、また生えてくるんだろ?
男の子だろ?我慢しろよ…
おっと、いけない。外に行こうか?きれいなお部屋が汚れちまうといけないからな…
せーのー、ホイ、ホイっと。ビュンッ
「ううぐううううう」
あの…時にミュー様。
この魔法って、第三天位界の、影縫い ですよね?
しかも、この広範囲版?…
いや、私初めて見ましたが、いやあ、本当に素晴らしいですね。
まさか、切り口の血まで止まってるとか…もう、眼福でした。
あと…誠に恐縮で、本当に…勝手とは思いますが、
もう、そろそろ?…この素晴らしい魔法を解除して頂けると…はい、
私と致しましては、非常に、ええ、助かります…んですが…
あ、早速の解除、ありがとうございます。いや助かります。
おーい、村の人質?これで全員か?
怪我は無いか?コイツらに、何か酷いことされて無いか…?ん?
え?…いや確かに、
コイツらの方が、結構酷い有様だが…
ま、まあ、それは今置いといて、
ああそうだ、村長以下、私達に向かってきた連中は、
一応?…いや、ちょっとだけは…怪我してるが、まあ大体無事、大丈夫だよ?多分。
そうそう、後でその村長とか、そいつらを引っ張って来るんで、
悪いけど、この辺のアーマ、
いや、もうただのゴミ?
…片付けといて頂けると、まあ、助かるんだけどな?
所で?おい、
アーマの大将様よ。
誰の命令で、私達(神様)狙ったの?
あら?君、意外と無口だねー、
そうかそうか、なら、片足も1本、行っとくか?
う、ま、待て…待ッてくれ、判りました、言います、言いますよ、ヨ、ヨミ様ですよ、ヨミ様の部下に、直接命令を受けまして…
ほう…で?
そのヨミ様の部下は何処に?
え?嘘、この?…コイツ?
手前に転がった一番雑魚みたいな?コイツが?
えー?嘘でしょ、だって…コイツ一番貧素な、なりしてんじゃない?
何でよ?仮にも幹部か何かなんだろ?
うわ…私終わったかも。
もしも、ここにミゲヤ副隊長が居たら、
もう私…死ぬんじゃ無いかな?
…うわ、なんか急に酷い寒気が…
いや、でもまあ、いいか。
もう、死んだもんはしょうがない。
だから、もういっそ…そのヨミさんに、直接お会い出来ると、それはそれで結果オーライだよな。
なあ大将、あんたどう思うよ?
「いや…それは無理だ、あの方は簡単に人前には出てこられない。もう何年も、お姿は見ていない…」
「えー?またまたあ〜?…嘘はいかんよ、嘘は」
「本当に…本当なのだ、あの御方…は…グ…」うググ…
おい、どうした?まだ質問は…うわ…弱いけど、こりゃ、口封じの呪いだな…
おいおい?大丈夫か、ってか、生きてるか?
…アララ、死んだか…
ヨミって奴、こんな末端まで、兵隊全員に呪い掛けてやがるのかよ?…相当に用心深いか、イカれてるんだな?…
一応…ヨミの使いって奴の荷物も、漁っとくか…
いや、本当かよ?
まさか…見たまんまかよ、貧素も貧素…何も、何一つ荷物持ってないとか…、そんな事有るのか?…
一応、幹部だろ?
せめて、銭位持って無いとさ…仮になんか有ったら、一体どうするつもりだよ?
…あ、残念ながら、
なんか…有っちゃったんだけども。
あれ?
よお、エギーじゃないか?
何どうした、こんなと…こ…え?
私の、お迎えって…?
「それよりだ、ミュー様が居て…当然?さぞや一方的だったんだろうな?」
え、聞く?聞きたい?
いやあ、そりゃもう、凄いのよ?
もうね、凄いったら無いんだよ、
うちのミュー様はさ。
あの、魔法耐性も、強靭さも無駄に高いあの神族がさ、
魔法一発で、それこそ、本当に手も足も出ないんだぜ?
いやあ、恐れ入ったね。流石は、【深淵の神】様の眷属、って、だけの事は有るよな…
あの使った魔法、まさかの第三天位階だぞ?
人類には不可能って奴な…エギー知ってる?
「いや、待て待て、ミュー様に向かってお前…うちの…って、流石にそれは不敬だろ?」
…いや、でも、流石、なんだよな、
たった魔法一発だけとか…怖いな、ちょっと笑えんよな…
で、何が判ったんだ?
命令の出どころは、ヨミって事…それだけだな。
それがさ、いい感じで喋ってたと思ったら、急に呪いが発動してさ…
哀れ大将様は、コロッと死んじまったよ。
なのでさ、
結局なトコ、肝心な事は、さっぱりだな。
まあ、そうなんだろうな。ある意味、予想通りだよ。
聞くとこじゃ、ヨミってヤツは、大悪党のクセに、相当用心深いって…
実は、相当臆病なんじゃ無いのか?って、もっぱらも評判だからな。
じゃ…帰るか…う、え?
あ、あのミュー様、何を…??
ああ、エギーそいつ、格好は一番貧素だけど、ヨミのトコの使い、幹部?らしいんだよっ…て、
…え?まさか…ミュー様、そいつの…記憶とか…読んでるんですか…?
…あ、そうですか。それはそれは…ご苦労様です…
うわ…死んでも隠し事出来ないとか…もう、ただただ無駄死にだって…
いやあ、気の毒だな…声には出さなかったが、私もエギーも、心からそう思った…。
そもそも…神様が居なきゃ、ミュー様って、敵側に居たんだよな…
いや、こんな恐ろしい話も無いよな…寒気がするわ…
え?はい、終られましたか、そうですか。
では、一旦皆の…いえ、我らの神様の元へと戻りましょうか。
…あの、どうぞ、ミュー様、私目のつまらなぬ背中でありますが、どうぞご自由に御使い下さいますよう…
「何だよシレン…もうすっかりミュー様の下僕か?…」
「おいおいエギー、それは当然だ、至極当然、だぞ?」
「そうか…」
珍しいよな…あの?お前が、まさかそこ迄言うとは…
まあ、こんな私でも、その気持ちは判るよ、気持ちは…な。
で、
帰って来た二人と、ミューさん。
おお!お二人さん、ミュー、ご苦労様でした。
で、どうでした?。
さっすが、風車のや…いや、【旅団】?
無事に、そして見事制圧っと…
え?ウソ、ミューが一人で?
何だよ、ミュー、凄えな?
おっと?はい、でたよ、ドヤ顔ポーズ…。
それで…え?何…俺?
あ!、ヒビ割れ…穴の中に?入るのね、うん判った。
俺はヒビ割れに、頭だけ突っ込んだ。すぐにミューも入って来た。
で…どうしたどうした?お前から誘うなんて。
ヤダ…愛の告白かしら?
え?ヨミってヤツ、今、凄く弱体化してるんだ…
へえ、分体って?
え?、自分の身体を分けて、もう一人、自分のフルコピー作れるんだ?凄えな…
え?そうなの?
そりゃまあ、そうか…
確かに、それだと幾ら何でも、ちょと都合が良すぎるよな?
なる程…分けたら分けただけ、持ってる力も減るんだ?二人なら5割…50パーセント…って、へえ、なる程。
で…今10パーセントくらいだって?
どんだけ分けたんだ?
ん?何よ、そりゃ、こっちは大チャンスじゃん?
…ああ、やっぱ、当然ガッツリ隠れると?
まあ、それが俺でもそうするわ…当然だよな。
でも、この近くに居たかもって?
…え、そうなのか?なんで、そんな危険を犯して?
俺?
俺を…見たがってる?
…それって
…会いたがってる、訳じゃ、無く?
え?…俺が怖いの?
神のクセに?へー。
で…ぶっちゃけさ、今の俺で勝てるの?10パーヨミって?
解らんか?そうか、
でも…、一方的に俺の負け…も、無いのは、まあ救いだよな。
それで…ヨミってどうやってパワーアップするんだ?
やっぱマーオちゃんを狙ってやがるのか?
なる程…そうかそうか。
なら…そのうち、遅かれ早かれ…多分向こうから来るよな。
そっか、じゃあ…それまでにもっと、俺の使える技を身につけとかないとな。
ミュー、俺がダメなら、お前に改めて、マーオちゃんを託すぞ。
本当に頼んだぞ。おお、判ってるってか?そうか、ありがとうな。
で…出るか。
…!!!
うわっあ?!
…超、びっくりした。
顔を出したら、皆に囲まれてて、しかも距離近で、
しかも、全員真顔で、こっちを凝視してたからだ。
油断?
いや…普通に怖いやつやん?…だって全員真顔やで?
ちょっと…いや1滴位…漏れたかも…
知らんけど…
ーj




