泣くのが嫌なら、さあ歩け1
おはようございます、俺です。
気付けばもう、すっかりと朝でした…
あれからも…
結局、色々考えて…
考えて考えて考えて考え過ぎて…
1周回って?
カッコいいを追求しつつも、肝心の時に噛まない、
言い易さも考慮して…
紆余曲折?多くの候補の中から選ばれた新必殺技名は…
深淵の輪舞曲に、決定しました。拍手。
漆黒のローリングサンダー、
深き暗黒のトルネード…
なども、まあ、候補でしたが…
確かに?
…多少の中二病感は否めないがまあ、当面?これで良いでしょう。知らんけど…
そして…、皆が起床し揃った所で、
この度、例の獣人さんが、なんと、我らのお友達、仲間になったんだよーって、説明したった。
一番リアクションが大きいのが、
まさか…
いや、逆に当然か?の、エッタさんだったのだが…
まあ、変なポーズも含め、そこは当然スルーだ…
改めて、武器を除き、皆の荷物を俺の【深淵】のアイテムボックス(仮)に、ほぼ全て収納してみた。
ちな、これも現在、素敵な名前を考案中です。
ただ…全員が手ぶらってのも、
例えば、旅人が手ブラって、余りにも不自然じゃね?って事で、
ほぼ、空のダミー荷物を、それぞれ背負ってみた。
それでも、各自の負担が、それぞれ劇的に低減したのは、言うまでもない。
さあ、それでは出発…ですか。
新たにギーロさんから、大きな鹿オッカを2頭譲り受け、
アマジャさん、親戚さんがそれに乗っかって、
馬車の御者にはシレンさん、
荷台に、俺とエッタさん、マーオちゃん、お爺やん、
そして、現在も絶賛回復中で、
糸で簀巻き状態のアーデさん。勿論、その見張り役のミューもここね。
じゃあ…さて、また素敵なBGM の出番ですかね。
さーて、今回は何が良いかな〜っと…
今若干、眠いんで、余り静かな曲ばっかだと、寝てしまいそうだ…なので?
ゲーム音楽…特にドラクエのマップ上を移動する時のBGMとかさ…
ガチで今の状況にぴったしなんだが?
そして、敵が現れたら、すかさず戦闘BGMにすれば、もう…いや、滾るよね、マジで。
あと、そうだ、プロレスラーの入場曲とかも、昂るよね。
個人的には、今の状況にマッチしてる…と思う、後藤洋央紀の 覇道 が、カッコいいし熱いなって思うが…
いや待て、鈴木みのるの、風になれ…や、中邑真輔のライジングサンも、皆で合唱出来るぞ?…
いやいや、合唱だったら…やっぱ、スターダストで、内藤コール…いやダメだな…完全に、俺の趣味でしか無い…
長らく動けない状態だった俺が、一番のストレスの解消かつ、リハビリのモチベを上げてくれたのが、そう、プロレスだったのだ。
相手の攻撃は避けずに、全て受ける。
絶対に諦めず、何度でも立ち上がるストロングスタイル…
そいつがベッドの上の俺に、勇気を与えてくれたんだよ。
だがしかし…
流石に、これ、今じゃ無いか…
そこから悩みに悩み抜き、巡り巡って、
ようやくたどり着いた答えは…
カーペンターズのベストアルバムでした。
安牌?置きにいってるって?
そうーですけど、それが何か?
いや、トップオブザワールドとか…ノリの良い曲も有るし、
何よりも、カレンさんの歌声も良いよね。
異世界音楽の初心者さん達には、あの声は耳障りも良いだろう、丁度良いと思うんだが?
かなりビビってるアーデさんとシレンさん、
何故か泣きながら俺を拝み、そして聞き入ってるお爺やん…
それ以外はもう、慣れたもんだね。手や足でリズム取ったりね。
そう、マーオちゃんがまたもや、かわちいし…尊い。
おっと、残りバッテリーが少ない様だな、モバイルバッテリーも繋ぎつつ。
カバンから、折りたたみのソーラーパネルを取り出す。
それを荷馬車の屋根に、ミューの糸で固定して貰った。いや…ミューの万能感?半端ないって。
小川の近くで休憩を挟みつつ、
優しい音の調べに乗せて…
のんびり、ゆっくり、荷馬車は進んでいた。
俺達を追いかけているミゲヤさんらに、なるべく直ぐに見つけて貰いやすい様に、
敢えて、商人などが多い街道を目指していたが…
その少し手前辺りで、どうやら、
ミゲヤさんじゃあ無い、別の奴らに、目をつけられた様だ…
まずミューが反応し、屋根に飛び乗った。
次いで簀巻きの獣人、アーデさんが言った。「殺気です…近づいて来る様ですが…」
荷馬車の直ぐ後ろのアマジャさんが、既に武器を構えてる。
シレンさんがゆっくりと荷馬車を停めた。
しかし先頭だった親戚さんは止まらずに、
真っ直ぐその殺気の方へと進みながら、
あっという間に数本の投げ物を投擲した。
声を掛けるでも無く、いきなりだった。
遠くで、悲鳴らしき声が聞こえたが、誰も出てこない。
乗っていたオッカの上で中腰になった親戚さんが、
改めて武器を構えると、
「ま、待ってくれ…」その足に、親戚さんの武器がぶっ刺さった男が一人、
びっこを引きながら出てきた。
親戚さんの顔は、依然厳しいままで、その手の武器は構えたままだ。
御者台のシレンさんがちょっと大きな声を荒げた。
「おい、そこらでコソコソ隠れてる6人、いい加減さっさと出てこい、さもないと問答無用で殺して行くぞ?」
ぞろぞろと、足を引きずった男が数人…ヤブから顔を出した。
「参った、降参だ、だから、いのちだ…」最初に出て来た男とは別の、多分一番年配の男が、言い訳をしようとしたが、
親戚さんの、
「黙れ!」
の、一声で、黙った…
おい…こっちに殺気向けて武器まで抜いておいて…
まさかお前…無事でお家に帰れるなんて甘い夢、
見てるんじゃねえよな?
ドスの効いた声で、親戚さんが男らに尋ねる。
だが…?
男達は…
盗賊?…と、言うには、なんか妙に弱々しく…
むしろ、どっちかって言うと…
いや?待て、
持ってる武器も、よく見りゃ、あれって農具じゃね?
いや、もうハッキリ言って、
ただのその辺の百姓じゃね?って、
そんな感じなんだが…
年配の男は泣きながら、もう必死で、何度も謝罪を始めた。
その周りの数人から、年配は村長と呼ばれていた。
アマジャさんは一度こちらに目線を送ったあと、
オッカをゆっくりと移動させ、年配の男に言った。
「一体誰がどう、この責任を取るつもりだ、お前か?」
必死で命乞いをする農民達、
どうぞ、どうかご容赦下さいっ、お助け下さい、
懇願する村長とその仲間達…
ん?…あれ?
俺達は、確か…
襲われた側、だったよな?
なんか…哀れな人達に睨みを利かす輩?
まるで借金の取り立てに来た怖いヤーさん…
みたいな?変な、真逆の構図が生まれておりますけど、なう。
いい大人が、泣くのを見るのは、
ちょと、キツイな。




