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発見4

 その…情報という、自身が持ちえる熱意と情熱を…

 その全てを…全力で俺にぶつけて、

 

 遂に満足し、


 全てに満ち足りて…まるで、ようやく去った嵐の後の様に…


 静かに微笑んでる、

 妖怪 大泣きじじいを横目に…


 漸く、その瞳に光を取り戻した親戚さんとシレンさんが、


 今日の晩飯の食材を調達しに、フラフラとこの部屋を出て行った。



 そして…

 あの…地獄の荒行?から解放され、心身ともに傷ついた俺は、


 マーオちゃんとミューの、かわちいコンボで癒されていた。



 今日、俺は学んだ。


 一見、人の良さそうな好々爺が、実は、超トンデモのリアルガチ勢だったと…そういう危険も、世の中には転がってるのだと…


 決して、その見た目に騙されてはいけないと、


 本気のガチ勢に、年齢の壁など…そんな甘えなど、一切存在しないのだと…


 そうだ…この世の中には、決して開けてはいけない扉が有るのだ。



 親戚さんが戻ったが、近くには大物の気配が一切無かったそうで、


 獲物は3羽の野鳥とキノコだった。

 二人は外でせっせと羽根を毟り、それをミューが血抜きする。


 それをアマジャさんが捌いて、スープの具の野菜?野草と混ぜ、煮込み始めた。


 非常に疲れ、リアルに傷ついた俺は、砕いた袋麺の麺とスープを追加した。


 今日は普通に、醤油味のラーメンだが、多分…いや、

 鳥のスープには、きっと合うはずだと、そう思った。


 この先の日程では、恐らく、これ程はのんびりも出来無いでしょうね、という…


 アマジャさんのその意見を受けた訳だ。



 俺の精神的疲労の回復の意味も有って、


 そう、だったら最後に旨いものを…そう考えたのだ。

 

 味見をすると、鳥の出汁に、クセのある野草が意外とマッチしてて、美味い。


 骨が好きな獣人が居るって事で、アラで出汁を取らなかったが、

 むしろ、スッキリで、それも良かったかも…


 いやあ…醤油味が染みるわー


 …俺はやっぱり日本人で有るのだと、何故か再確認してしまう程に、この醤油味が染みた。


 これにカレーが合わされば、最早最強なのでは?っと、親戚さん、


 いやいや、親戚さん?ダメですよ。これにカレー味は、さすがに無粋ですぜ?

 これが良いんですよ、これが。

 それに何でもかんでもカレーだと、直ぐに飽きちゃうし、

 そもそもカレーパウダーも、直ぐに無くなってしまいますよ?


 そうですね、いや確かに、充分過ぎる程、これも相当、美味いのですが…


 いけませんね…どうも最近、寝ても覚めてもついカレーと言ってしまう私めを、

 こんな自分を、どうか神様、お許しくださいませ。


 「お、おう」


 いやいやエッタさん?

 「判るわー、その気持ち」って、言わないの。


 俺のエッタさんへの突っ込みを聞き、実は口を開きかけてたアマジャさんが、そっと口を閉じた。

 …多分、あんたも、以下同文やな?


 さあ、さてと…

 腹も膨れたし、おさらいってか、

 寝る前に【深淵】の扱いの練習でもしますかね。


 俺はミューを引き連れ、表に出た。

 心配なのか親戚さんも一緒に付いて来た。


 まずは、ヒビ割れを、バットに纏わす様に…誘導し、合わせる…っと、よし出来た。


 それを…この木に向かって…

 あ、いや、この木はダメだな、多分、上の部屋の脚かもしれん。


 えーっと…


 おお、丁度いい。

 このちょっと大きい漬物石くらいの石…


 バットの先に、ヒビ割れの上の方…それが1メートルちょい、伸びてる。


 これを…ゴルフのスイングの様に、下から上に、このヒビ割れで伸びてるとこで、打つ。


 ガコっ、…石の端っこが掛け、凄い勢いでその石が、結構遠くに飛んでった。


 通常、こんな真似をすれば、確実に手首をいわすだろう…


 だが、全く手応えさえも無いままに、俺は石を弾き飛ばせるとばせてしまう。


 「ふ…またつまらぬ物を、切ってしまった」…すっごく言いたかったので、言ってみた。



 飛んでった石を、どうなってるのか観察しようと、皆で探した。


 石は直ぐに、ミューが発見してくれた。


 体高が高くは無いミューは、なんと少し太い糸を出して、それをまるでのぼりか旗の様に、

 ココですよ!って、ふわりと空中に漂わせた。


 相変わらず?凄え器用だよな…ミューって。


 向かった先の石は、真っ二つに、ぱっかりと割れていたが、


 それは、俺のヒビ割れのせいなのか、

 それとも、高所からの落下の為なのか…?ん、はて、どっちだろ?


 ダメだな…もっと、分かり易い実験の方が良いよな…


 俺は辺りを見回し、そして考える。


 

 この力?は、【深淵】のヒビ割れをバットに重ねて…その延長線上1メートルを含めた、1本の剣…として、使う…が?


 だが…そもそも、俺は剣の扱いに関しては、完全にド素人で、

 例えばあの、俺を殺した獣人みたいな相手、


 ゴリゴリの、本物の剣士を相手に闘うなんて、問題外…いや、アホ過ぎる。


 野犬や小さな鳥はまだ良い…こっちに真っ直ぐ突っ込んで来てくれるからな…実際、俺でも簡単に討伐?出来たし。


 だがしかし…あれは余りにも相手がイージー過ぎた。

 戦闘のプロ相手では…そんな簡単には行くまい。


 


 そうだ…俺ってまず、攻撃手段ばっかを考えていたけども…

 

 考えてみりゃ、アマジャさん達は、戦闘のプロ集団なのだ…


 つまりぶっちゃけ、攻撃は全部丸投げの、お任せで良いのでは?



 そうだよ、俺に必要なのは寧ろ、守備じゃね?


 万が一、俺が人質にされて、攻撃陣の大きな負担、迷惑にならない様に、



 鉄壁のガードで、俺と女子供を…


 あ、あと、ついでにあの老人も…どうにか、守る方法を考えろ…


 まず…ヒビ割れは動かせるから…


 俺の後ろの、いつものポジション…

 この距離を、意識して、ちょっと伸ばしてみる…1メートル後方から、5メートル位後ろに…お?出来るな。


 で、これを…


 俺を中心に、コンパスの針の様に…回転させる…様に…


 うーん、集中、集中、おお、回った…

 よし、更にこっから、回転をどんどん速めていって…


 よし、イメージだ、イメージが大切だ、このヒビ割れが、超高速回転してるイメージ、それを思い描くんだ。


 遠くで見つめていた親戚さんに、

 「そっから、石を投げてみてくれませんか?」と、お願いした。


 ホントにかる~く、下手投げで、小石を投げてくれた…お?…ちゃんと弾いたぞ!


 今度は…遠慮無く、結構強め、なんなら本気と書いてマジ…で、お願いします。


 親戚さんには、どうやらこの超高回転ヒビ割れが、見えていない様で、俺に当たらないか、不安の様だ。


 が、ヒビ割れの下側が地面を抉って、俺の周りに円を描いている。

 つまり、幅2メートル弱の見えないヒビ割れが、俺を中心にずっと回ってるのは、もう間違いないのだが…


 それらをもう一度説明し、更に…


 俺に投げても一切当たらずに、全部スルーするんです、アマジャさんもそれ、知ってますから…



 だから、武器を目一杯、本気で投げて下さい、っとお願いした。


 長い説得の末、親戚さんは、渋々了承してくれた。

 「では…ホントにいきますよ?」

 「お願いしやっすっ!」

 

 親戚さんが投げたナイフは、俺の予想通り、全て【深淵】の回転ヒビ割れが、すべて弾き飛ばした。


 親戚さんは、かなり驚いていた。詳しい事は判らないが、キレイに弾き飛ばされ、ちょっとイラついたんで、

 最後の2本のナイフは、必殺の奥義をかましたらしく…が、あっさり弾かれたと。


 それで?若干、凹んでる様でもあった。


 こっちに近寄りつつ、投げたナイフを回収して、そして地面の線の前で止まった。


 確かに、ここに有る線以上は、侵入出来ない様ですね。


 …あ、もう大丈夫ですよ、解除しましたから。


 しかし、どうよ?これ、地味に凄くない?


 だって…動力も魔力も、勿論体力だってほぼ使わずに、瞬時に発動出来る。


 俺は、鉄壁の回転式ガード…?いや、折角だ、なるべくカッコいい名前を付けねば…を、習得した。


 俺の脳内イメージが途切れなければ、これは無限に使えるぜ?でも…


 つい、余計な事を考えてしまうクセは、何とか…抑えなければいかんな。




 …あとはまあ、


 実は最初っから、気付いてる、これの唯一の問題点、



 これの真上は…ドーナツと一緒で…

 ガラ空きっ…て事だな。



 あと…中に居ても、最悪これに触れたらメッチャ危ない…いや、死ぬかな?



 まあ、今はこれでも、いい発見、進歩だと、前向きに考えよう。

 

 

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