Return to Myself2
俺は更に、深呼吸を2回ほど繰り返し、
ようやく…ちょっと、落ち着いた。
だが…結界が壊れた理由は、今一理解出来てない。なにせ、殆ど無意識だったし、必要以上にビビリ散らかしてたから…そう、頭が大パニックだよ!
「では…まあ、進みましょうか。どうぞ、こちらへ」
親戚さんに先導されつつ、
結界の有った場所の奥に進む。
左右の林の中央に、古い石畳の小道が貫くように続いている。
この小山の様な場所が、実は結界で隠されていた場所で、
真っ直ぐ移動しているつもりでも、この結界に気付か無ければ、
ただひたすら、この周りを無駄に回ってしまう、
そんな、幻覚作用の様な強い魔術が掛かっていたらしい。
ほら、あんなの壊して正解だったじゃんよ?とか…
俺にはそう言える、元気も勇気も、…今は無かった…
まあ、結界オーライ…にも、
程が有るっちゃあ、有るが…
逆に?
もしこれが、絶対壊しちゃいけないやつ…とかだったら…
そう考えると、マジで恐ろしい。怖すぎる…
本当に、本当に、気を付けようと、俺は密かに誓った。
隊列を組み、危険に備えつつ、ゆっくりと奥へと進む。
武器を構えた親戚さんの後ろにバットを持った俺、
その後ろに、マーオちゃんを抱いたエッタさん。そして、鳥。
最後部のアマジャさんも、既に武器を構えている。
ちな、ミューは俺の頭の上に、陣取ってる。
常に左右を警戒してくれているのか?
おかげで、頭が妙に、くすぐったいのだが…
小道は50メートル位先で、ゆるくカーブを描きつつ、
そこから、緩やかに下っていた。
如何にも廃棄されたっぽい、狭い洞窟の中の、壊れた遺跡に到着した。
いや、よく見ると、囲って有った壁やなんかが、その横に丁寧に外され積まれてる。
まるで、それらをどっかで再利用する為に、敢えて崩して、集めてるって感じだな。
壊された壁の向こうに、低い台座の様な…、一段高い部分が有って、
丁度その、真ん中に有った 何か? を、杭を打ち込んみ壊して…外して、
そこから引きずっていった様な跡が、入り口まで、割とくっきりと残ってた。
その時使われたであろう杭が、そこらに、そのまま刺さってるし、
使ったと思われる道具も、同じくそのまま放置されている。
つまり…これって、割とつい最近なのかな?
そうか、石の壁を壊した連中が、
その 何か を、持ち出したのでは?
…っと、言ってみたらば、鳥がすかさず答えた。
「それは、違いますよ。何故なら、壁を壊して、業者に買い取って貰ってるのは、ズク族の連中で、そいつらを案内したのは私の所の人獣で…、そっからまた、改めて雇われて、
ココの作業を、少し手伝ったのです。
そして、それはついこの間の話で…
その人獣の話では、その時には既に、ここの中は空っぽだったそうです」
それで…お前達はこの場所の事を、何故、いつから知っているのだ? 親戚さんが聞く。
ここは、随分昔から知ってたよ。勿論アジェンの旦那だって知ってた。
ただ、我々は、中には一度も入った事が無いのだよ…
何故なら、ここに大きなクモの魔獣が住み着いているって、噂が…
…いや、何人も見たって奴がいて…
でも、ほんの少し前に、此処から、そのクモが、凄い勢いで飛び出して行くのを、何人もの獣人が見ている。
そして…何でもそのクモは、それ以来、帰って来ないんだと。
俺は頭の上のミューを掴んで下に降ろし、聞いてみた。
なあ、それってお前か? …お、イエスのぴょこぴょこだ。
えーー…困ったな。うーん、マズイな…
ミュー、ココで一体、お前は何をしてたんだ?
…っていう、質問のその答えを得る為の…
その為の、肝心の2択問題が、俺には全く浮かばない…
助けを求めるべく、アマジャさんをみたが…
どうも、アマジャさんも親戚さんも、依然ミューを警戒し、かつ、一定の距離を取ってる。
多分…昔に、コイツに酷い目にあったとか…?それだとまあ、確かに、急には仲良くなれんよな…
まあ、そこは徐々に…って感じで。
お?どうしたミュー…
んっと?
アマジャさんも親戚さんも?
親戚さんが言った。
「何者かが…こっちに来ますね…」
中々…出来そうな奴の、足の運びですね…
どうか、私の後ろにお周りを。




