Return to Myself 1
なんか…獣人達の謝罪接待が続き、
結果、目的地へは、翌朝の出発になりました。
殆ど寝てないアマジャさん達が、少しでも休めたから、
むしろ、良かったよね。
時刻は朝8時を少し回って、俺達はココを出発した。
案内の獣人…いや人獣さんは、めちゃでかい、ダチョウみたいな脚の、見た事も無い水鳥?だった。
いや、足に水かきが付いてるから、そうなのかなって…
しかも、名前は無く、言葉を喋る…と。
ポンコツで遅いとはいえ、この馬車と並走するその脚力…
その姿は、俺にあの不朽の名作RPGの…
あの…黄色い鳥の…乗り物?を、強く思い出させた。
そう、チョコ…あ、いや、何でも無い。
暫く移動し休憩、これを数回繰り返す。
馬に水を与え、乗員のケツには、一時の安らぎを…
ん?どうしたミュー…どうかしたか?
何か、言いたそうなのは、まあ判るんだが…判らん…
まあ、今は落ち着け、な。
だから…俺の顔で、ピコピコすなって…
知らん人が見たら、ほぼ、エイリアンの産卵やで?
見た目、かなりヤバいって…
しかし…一向に代わり映えせん景色ばっかりやなと。
まるで、同じ場所を、クルクル回ってるみたいですねって、
ふと、アマジャさんに言ったら、
「何と、神様もお気付きでしたか?」って、言われた。
え?マジっすか…
俺…天才だったのかよ?
いや、偶然ですけどね?
しかしおい、コラ鳥?テメエ…まさか、わしら騙したんかい?
…って、思わず言いそうになったが、
丁度その時、親戚さんが、何かを見つけて、御者台から、ヒョイッと飛び降りた。
…っち、鳥?お前、命拾いしたな…
「こりゃ、結界ですね…それもかなり強いやつですな…しかも最近張ったみたいですね…」
紋様の描かれた石を観ながら、親戚さんがそう言った。
ミューが俺の顔に張り付いて、ぴょこぴょこしやがる…
何だよ、これを知らせようとしてたのか?
…いや、悪かった、悪かったから、
許して…頼むから…お願いだから、俺の顔面でピコピコ動くの、もうやめてくれない?…
アマジャさんと親戚さんが、何やら荷物の中から道具を取り出した。
それは小さく、厚みのある手鏡の様な道具で、
アマジャさんはそれを、その石に向け、
そして何やら、呪文を唱えてる…
次の瞬間、それ迄有った景色が消え…いや、完全には消えなかったが、
どうやら、その一部を壊したみたいだった。
その壊れた、狭い隙間の様な所を、身体を横にして、親戚さんが武器を構えながら、偵察に入っていった。
アマジャさんは周囲を警戒しつつ、親戚さんの様子を見ている。
そんな時…
それは…ある意味、悲劇だった。
そう、それは本当に…
本当に、偶然?たまたま?起きた、起こってしまった。
何気に手持ち無沙汰だった俺は…
ほぼ何も考えず、そして限りなく無意識なレベルで…
もう、ただの脊椎反射位の感じで…
そう、ほら、無意識で背中かく時みたいな…?
いつもの?背中のヒビ割れを、その結界のダミー画像?の表面…みたいなところに動かして、
ヒビに片足を突っ込みつつ…
そっから、身体を回転させる様にヒビを動かして、
…って、ちょこっとイメージした瞬間…!?
グワっシャーん!!!って…
ものっ凄い、デカい音がして、
その、結界全部が粉々…木っ端微塵に砕け散った。
それはまるで…
自分の打った打球が、監督のクルマのドアを大きくを凹ませた…あの絶望の瞬間の様な…
調子ぶっこいて躓いて、
挙句、友達ん家の高い花瓶を蹴って割ってしまった時の様な…
他にも挙げればきりが無いが…
それは、過去の沢山のトラウマ達…
それはもう…死ぬ程、バチクソに怒られた…
あの、数々の悲しい過去の記憶が、そうさせたのか?
「「 うあっ!!」」
無茶苦茶ビックリして、思わず大声で叫んでしまった…
ああ判るよ、そりゃみんな…ビックリして俺を見るよね…
でもね、違うねん、違うのよ…
なんかね、勝手に…そう、勝手にガラスが割れよってん…
とか?
プレッシャーに負け、つい、先生に嘘言ってしまう小学生の様な?
異様に焦って、しどろもどろで、
超ドキドキで、キョドってる俺…
別に、何も悪いこと等して無い筈なのに?
…筈、だよね?
俺の心拍数は、異様な程、ぐいいいいいーんっと、急上昇していた。
ついでに、ゾッとして、体温も結構さがって顔面蒼白…もうハアハアしてもてる。
いや、自分でやっといて言うのも、アレだが…
いや、もうマジで、マジで…そりゃもう、死ぬ程ビビリ散らかしていた。
色々やらかして、スッゲえ怒られた、あの過去の忌まわしいトラウマが、俺の脳裏に、強烈に蘇っていた。
いや…マジで心臓止まるかと思った。
とりあえず…大きく1回深呼吸してから、
アマジャさんには謝った。
今、一体…何をしたのですか?
と、聞かれたので、
…いや、違うんです、後ろのヒビ割れを、ほんのチョコと、動かしたり…してみたら、
なんか、急に?…そう、勝手に、勝手に割れたんです…
だから、僕は多分悪くないんです、
多分、悪いのは…
そう、悪いのは全部…エッタさんなんです…とか…言ってみた。
丁度?本人は、大きな音にビビって、大口開けて固まっていたので、
こっそり責任をなすりつけたった。
アマジャさんは若干、首を傾げつつも…
何か、苦笑いしつつも、
「はあ、そうですか、でもまあ、むしろ助かりましたが…」と、静かに言った。
色々、怖かった。
心臓のドキドキは、いまも続いていた。
PS 後でエッタさんに、肩パン食らって、飴ちゃんも奪われたとさ…
聞いとったんかいっ!?




