混沌5
はーい、こちら現場です。どうも、レポーターの俺です。
えー、見えますでしょうか?丁度、今、私が立っているこの場所…
まさにここで、今回の凄惨な殺人事件が起こりました。
どうやら被害者の男性は、この場所に、
…ただ、ボケっと突っ立っていた、ところを…
突然何者かに襲われ、その犯人によって、刺殺、いや毒殺された模様ですね。
いやー怖いですねー…
以上、現場から、中継でおおく…あ、
…いや親戚さん?
そんな不思議そうな目で、こっち見ないで…
アマジャさんらが、獣人達と色々話してる横で、
俺は、エッタさんとマーオちゃん、そしてクモのミューを前に、短い木の枝をマイクに見立て、レポーターごっこをして戯れていた。
結局、昨夜は寝てない筈なんだけど、
…謎復活したあのあとから…実は、ちびっこの味方、正義のヒーロー…
元気100倍、アンポンタ…ん、あ、いや違…、
何故か、着ていた衣服や靴だけじゃ無く、身体の中身?や体力までもが、キレイにすっかり、100%回復していた…気がする。
多分焼きたての新しい顔をゲットした…からなのかな?…知らんけど…。
多分?こっちに来た瞬間の状態に、
どうも…リセットされたっぽいのかな?
あ、エッタさんは気絶してて…結果、まあまあ寝てるし、マーオちゃんは、おねむになったら、まあ、勝手に寝るし…
ここでハブられている元気な3人と一匹…いや、4人でいいか?が、
現場の端っこで、わいわい戯れていた。
驚いた事に、マーオちゃんったら、ビビって泣くどころか、
うちのクモさんが、いたく気にいったらしく、
もう全然怖がら無いどころか…
寧ろ自分から一生懸命、コンタクトして遊んでる。
石とか葉っぱ渡したりして…。
ああ、なんてかわちい…そして尊いわ…
しかも?
ミューときたら、いちいちそれにリアクションしてるよ?
コイツ、なんて優しく優秀な子守なんだ!
尊い…そして実に微笑ましい。
そしてエッタさん…
当然、速攻ビビって、また気を失うかも…っと思っていたらば、なんと!
ヘビを克服した今、もはやクモ位、別に全然平気ですよ、大丈夫ですって事らしい…のだが、
まじかよ?エッタさんのクセに、ホントかよっ?
聞けばヘビは、怖いから美味いへ、
恐怖の対象から、豪華な食材にと、まさかの華麗なるジョブチェンジしたらしい…
ただ、実際、攻撃性も敵意も全くなく、エッタさんの色んな質問にちゃんと答えてくれる、
魔物のクセに?妙に律儀なミューを、
…何となく、気に入り、どうにか受け入れてくれたらしい。
まあ…良かった。
でもさ…
あなたは、私を食べますか?とか…
私は全然美味しくないですよとか…
もし、お腹が減ったら絶対あの人から…って、
おい、一体誰を売ったんだよ、アンタ?
まさか…俺か?俺なのか?
…ってか、止めとけ!食わんわ!
で…
獣人の謝罪を兼ねた、安地の提供?
つまり、休憩出来る、彼らのアジトヘご案内…って事で、
我等はそちらへと、移動中です。
その安地は、彼らの親分だった、アマジャさんの元同僚の、
個人的…いや、もう故人か…いやまあ、隠れ家の一つだったらしい。
浅いけれど、割と流れの速い、狭い小川を渡った先に、巧妙に隠された、隠れ家が有った。
折角キレイになってたんで、靴も靴下も脱いで、ズボンの裾を捲って渡った。 え?いいや、全然セコく無いですけど?普通なんですけど?
木と木が重なって見えない場所に、実は隠れたハシゴが掛かってて、
木の上に有る…その木の葉っぱの茂み…の、中身が、壁も天井も有る、割と普通の部屋っぽい?隠れ部屋になってた。
漆黒の闇の主様、並ビに、【アザーエル】ノ方たちに対し、トんだ非礼を…
改めての謝罪と、何と食事と酒が用意された。
…良いんですか?ホントに?
しかし…
いや、折角のご厚意…なのだが…
うわ…?なんだろ…これ?
見た目が斬新?いや、謎過ぎる…、危険な匂いが…
これはマズいな…これでは、この食材の予想が出来ない、こ、怖すぎちゃん…
しかも…そうか…やっぱそうなるか?
やっぱなあ…最初は俺からなのかー、
そっか、ソーなのか…イヤあ、マジか〜…
うわあ…しかも、みんなこっちガン見してんし…
よし、ここは…
親戚さんに、おい君、まずは毒味を頼む…とか、
言いたい、言いたいのに…
ちっ、一切こっち見ねえとか…わざとか?
ええい、食ったるわ。食えば良いんだろ、食えば…
パク…んぐ…んぐ…?何だ?なんか…この味、食った事ある気がする…
「こ、これ…何ですか?」
お願いだから、変な虫じゃない様にと、
強く祈りつつ…恐る恐る聞いてみた。
「はい…ヘビの子供で御座います」調理担当?の獣人さんが答えた。
お?!
…なんてこった…
その答えをきっかけに、皆が一斉に…まるで堰を切ったように食べ始め…やがった。
チクショー、ハメられたー!グヌヌ…
…コイツなら死なんし、なんなら生き返るだろうってか?きぃーーーーっ
まあ、ええわ。食えるのが判り、ちょっと安心したし。
そして酒は…やっぱり?あの雑味たっぷりのワイン…風の、あれだった。しかも、前のよりかなり酸っぱい…
注がれた、たっぷりのおかわりは、そっと…エッタさんの横に置いた。
ココで暫し休んだ後、いよいよ、目的地の…
放棄された遺跡に向かう事となる。
しかも?
何故だか、ここの獣人が、そこ迄、最短で案内してくれると言う。
じゃ、遠慮無く、ちょっと休憩だな。




