表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/164

混沌2

 今持って、その理由は、一切、何にも判らないまま、なんだけど…



 俺は、なんと再び、この地上に帰って来た…った。



 号泣してるいい歳のおじさん二人の…結構な時間の熱い抱擁から、


 …ついさっき、漸く解放された。


 うわ、折角、綺麗になったワイシャツが…とか

 …俺は勿論言わないね。

 ちゃんと空気読めるからね…一応。


 親戚さんの涙や鼻水のでビシャビシャの左肩を、誰にも気付かれないように、そっとヒビに突っ込んでみたけど、

 

 変化無しだった…


 ちっ、このヒビ…あんま使えねえ…


 あ、 え、いや、すいません、何でも、無いですよ。それより…


 何か…、無駄にご心配をお掛けしまして…



 いや、だって、もう、あんまりにも一瞬だったんで、


 あの獣人が、こっちに向かって飛んできたのが、全く理解出来無い位速過ぎ…だったんで、


 …あれ?

 それって、俺が…

 動きが速すぎて、認識出来なかったから、身体スルーしたんかな?


 いや、まあ…今はええか。



 で、

 獣人が通り過ぎて着地した時に、両手に剣を持ってて…

 え?俺、今切られたの?って感じで…


 でも、俺と飛んできた獣人、絶対重なってぶつかった筈…なんだけどなあ…


 何故かそのまま、当たりもせずにスルーして、

 俺を、貫通したんですよね…


 でも、その次の…尻尾…


 あれはねえ…


 もう、スローモーションみたいに、ぴよーんって刃の飛んでくる一部始終がね、ハッキリ見えてたんですよ…



 え?

 だったら躱せよ?って、


 いや、マジで、

 ホントにそう、それな!


 いや、もう、仰る通りなんですけどね、


 なんか、呆気に取られちゃってて、それで馬鹿丸出しの?

 …まさかの、棒立ちでで…


 いやもう、お恥ずかしいったら無いですわ… 


 もう、恥ずかしくって、そこに亀裂とかが有ったら、入りたい位ですよ…

 …まあ、有るねんけど?



 えーー、と?

 そう、

 とりあえず、あの獣人は?


 「は、ここに…」


 なんとビックリ、まだ呼吸してる、生きてるよ?…アマジャさんが手足を縛って、動けないようだが…

 多分…それ以前の問題だろうな…


 ん?…気の所為か?…何か…身体から黒いモヤ出てる?


 いや凄いね…もうボロ雑巾みたいに、

 マジのフルボッコやん?


 …これ…モザイク要るんとちゃうか?



 ちょっと、同情する位、

 アマジャさんのあの、フルスイング…無茶苦茶エグかったよね…


 あの?長くてぶっといバール?鉄パイプ?で、

 

 脇腹ガッツンって…

 うわ、思い出したら寒イボ出るわ…


 いや、親戚さんの投げたナイフも、大概やけど…

 いや、投げナイフ?もう、あれ、ただのぶっとい鉄の杭やん?


 あれも…相当痛いって…


 スッゲえ深く刺さってるやん…いやあ痛っそ…


 見てるだけやのに、こっちまで何か…痛いわ


 しかも、他もまだ一杯刺さったままやし…いやあ、敵ながら?ちょっと気の毒やな…



 いやいや、でも、やっぱあのフルスイング…


 インパクトの瞬間、何か…凄い鈍い音に混ざって、

 バキボキと音がなってた気がするんですけど?

 あれ、アバラ、全部イったんじゃね?…


 いやあ、あれ絶対に痛いわ…いや、普通即死やろ?…

 しかも、すげえふっ飛んでったし…


 もうあれ、ダンプカーに跳ねられた、ただの交通事故やん?



 もしか、あれ自分が食らったらとか…

 ううう、想像しただけで、ちょっと引くわ…


 アマジャさんは、絶対怒らせんとこ…




 今、俺達が居る…俺の殺害現場…いや未遂か?


 集まって来てた獣人の一部は逃げてったが、


 腰を抜かして、逃げられもせず固まってる一部の獣人が、

 只々、呆気に取られたまま、呆然と立ち尽くしてる…


 死んで生き返る俺に…、号泣おじさんらに、 

 ビックリ強つよ獣人と…

 そして、呆気に取られるビックリ獣人達…

 無茶苦茶やな…


 何か…カオスやん…ここ。





 …で、そんな時に、


 当たり目に祟り目?なんて、よく聞く気がしますが、


 結構?有るんですね、そう云うのって…



 しかも、こんな身近に?…



 

 俺の目の前には、いつもと同じ景色と…


 同じく、通常、視界の外…俺の後ろ、背中側の…

 深淵のヒビ割れが有るが…


 何と、ここに居る全員、まあ…アマジャさんはまあ…別として、


 残ってる獣人は勿論、まさかの親戚さんまでもが、今、ぼんやり認識出来ちゃってるらしい…


 「イヤーン、ヤダ、丸見え?」とか?


 言ってる場合では無いな、これ…



 更に、復活してから…俺の様子も、何か…変だ。


 いや、シャツが綺麗になったってのもそうだけど、それは一旦置いといて、


 他にも、目の前の獣人全員の身体から、

 何か…薄っすら色の着いた湯気?みたいのが見える…


 アマジャさんも親戚さんも、何か…出てる、見えるけど…何だろ?


 またしても謎が深まっていく…


 誰か、お願いだから、いい加減、俺の、【深淵】のトリセツ下さい…マジで…




 そして…なんとビックリ!


 そのヒビ割れから、何か…出てきてたらしい…



 狂った様に…


 ぎゃああああ…って、悲鳴を上げる獣人達…



 え?何?


 だから、何よ?

 俺には何も見えてないよ?…


 

 慌てふためき、とち狂った様に逃げ出す獣人達…



 直ぐ様、戦闘態勢に入るアマジャさん達…?

 

 おいおい、どうしたどうした、みんな?


 俺?


 俺か?嘘、だって…


 俺は別に、そんなに怖くないよ?


 なんなら、割とええ奴やでって、仲間内でわ…?え



 何だ?



 戸惑う俺の背中に、何か乗っかった?


 で、それが俺の足元まで、ぴょんぴょんっと降りて来た。



 それは、キャッチャーミットよりも、ちょっとデカい位の…




 俺を見上げるそれは…


 

 デカくてまっ黒で、

 赤い目の、クモだった。


(注)寒イボ 関西辺りの方言で、鳥肌の事です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ