遭遇3
突然倒れた犬の獣人、そいつケイヤって名前で、
そして大きな猿の獣人がギーロ…で、
一番後ろの…一切こっちに近づいて来ないもう一匹の犬系、アーと言うそうだ…
ん?
いや、だから、何で?皆一斉にこっち見んのよ!?
違う、違ーいーまーす、
いや、俺何にもして無いからね…
いい?俺、何んにもして無いからね…
マ、ジ、で、な、に、も、やって、無い、からね!
…とっても大切だったので、強く、3回言っといた。
いや、だから皆のその目…
だーかーらー、皆でー、一緒に、のんびり茶ゃー、しばいて…いや飲んでましたやんかいさー?
で、
どーすんのよ?倒れた人…って思っていると、一番後ろの犬の獣人、アーが言った…
「だから言ったんだよ、絶対ダメだ、絶対関わっちゃダメなやつなんだよ、アレは本当にダメなのに、何で、ギーロは分からないんだよ…」激昂しながら叫ぶアーに、困った様子のギーロ…
アーがさっと、倒れたケイヤを抱え、走って此処から離れていった。
えーーーっと?だから俺にどーせーと?
ギーロも、
「よく分からないが、あれは優しい性格で、あんなに怒ったのを見たのは、これが初めてだった」と。
だから?お前達はサッサと此処から出て行けと、そう言われた。
「もう、夜だからな。朝になったらすぐに出ていくよ」親戚さんが答えたが、ギーロは言う…
「ダメだ…今すぐだ、出て行け」と。
アマジャさんがゆっくり立ち上がる。
「おい、いい加減にしろよお前達? 勝手に怯えて、勝手に文句を言って来て、挙句、今から出ていけだと?」
静かーに、キレるって、多分一番怖いやつやん?
アマジャさんは何も言ってないけど…
「だが、断る」
バーーーンっていう効果音付きの吹き出し?
が、俺の頭には浮かんだ…
ギーロ、軽くビビってるのが判る位、小刻みに震え、キョドってるな…
で、そんな時、
さっき出ていったアーが、複数の仲間を引き連れ戻って来た。
その手は武器が握らていた。
アマジャさんも親戚さんも、それぞれ武器を手に取った…
どうやら臨戦態勢の様だ。
「どうぞ、少しお下がり頂き、少しだけお待ち下さい、この程度、我ら二人で速やかに処理致しますので…」
え?
この人数差で余裕ですか?マジですか?
おお、2人の纏う空気が、明らかに変わったぞ…
親戚さんの抜いた剣を見て、ギーロが急に叫んだ…
「ま、待てクレ、ソレ知ってる、剣、知ってるー、印剣…お前ラ、もシや、アザエールなノか?」
ま、待ってクレ…悪かっタ、おレラは、【口】のアジェン様のパーゲンタだ…だから…
「おい、アジェンだと?やつはとっくに死んだぞ?」
アマジャさんが返す。
「ああ、知ってる、俺らわ一緒に、そこにいたカラな、」
「じゃあ、そいつの人相や知ってる事を言ってみろ…」親戚さんが聞く。
ああ、イイ、ゾ、アジェの旦那は、普段優しいがスぐ怒り…それで、いつも口髭を触ってたぞ…クセダな…こーやって(モノマネ)、
あと…は…酒が全然呑メナか、た…、それでいつも茶をノんデタ…それであの…
「あ、いや、もう良いわ、判った、判った…」
「神様、どうやらコイツら、本当に、あー、なんて言うか、まあ、身内…みたいなモンですね、はい」
頭をかきながら、親戚さんが説明してくれた。
商会の外部の協力者で、
どっかの勢力に潜り込んでたり、近くで仕事を手伝ってる、言ってみればスパイやヘルパー…それがパゲンタ、って言うんだと。
意味はちょっとした知り合い、らしい…って、そのまんまやがな…
アマジャさんが獣人らに言う、
「ならば良く聞け、ここにおわすお方こそが、我等が探し求めし、深き闇、深淵の主様である、良いか、二度と忘れるな、そして皆、直ちに平伏せよ!」
取り囲んでいた獣人達は、一瞬固まったあと、すぐさま皆、地面に平伏した。
獣人達が怯えたのは、俺から…いや俺の居る付近一帯に死の気配を、強く強く感じるからだと、
また利口な獣人は、それをほんの僅かでも感じたなら即、全力で逃げるのだそうだ、獣の本能的に…。
ほぼ同じ感覚を、実はアマジャさんもミゲヤさんも感じたそうだ。
アマジャさんがそう教えてくれた…
くれたが…
え?
正直、バチクソ、ショックなんですけど?
心に…結構な…大ダメージ食らった感じ…なんですが…
えー?何ですか?俺から?
死の気配がプンプン?って…
臭うの?ねえ、それは臭いの?ねえ…?
いやもう…そんなんこの先絶対、孤独やん?モテ無いやつに決定してますやん?…キッついわ…
え?マジもんの死神なん?俺…
え?何です?
…親戚さん?
ああ!はい、ああ、獣人の皆さん、ね…
はいはい…了解。
「 獣人の皆よ、面を上げよっ… 」
皆がゆっくりと顔を上げる。
特に犬の獣人達が、一斉に俺を見つめる…あの目…
今…関係ない話だが、ウチは、ずっと犬、猫、鳥にトカゲ…飼ってたんだよ。
あの犬の目…判るんだよな〜
…何となくだけど、
めっちゃ怖かったんだな…雷が鳴ったりしたら、うちの柴犬ジョンが、すげえ怯えて、あんな目でプルプルしてたな…
そう、柴家の犬は敢えて柴犬ですけど…何か?
いや、違う、てか俺って…怖いん?怖いの?
…俺こんなに…愛らしいのに?…いや、知らんけど…
いや、メッチャ凹むわー
とか、
思ってた瞬間?
あ…?
俺が脳で認識する、理解する速度よりも…
もう、圧倒的に早く、まさしくそれは一瞬で…
アマジャさんも親戚さんも反応出来ない速さで…
平伏する獣人の最後方から、
黒い…何か?が、すっ飛んできてて…?
後で判明するが…
ヒョウの獣人が超高速で踏み込んできて、
両手の剣を、俺の首目掛け、一気に振り抜いた…らしい…
マジ?




