暗闇6
謎の男…年配さんと言葉通じるってか、
何だろう、意味が分かる、いや、ニュアンスとか雰囲気が理解できる?
…いや違うな、意思?が伝わる…かな。
ただし、話してる言語は聞いたことも無いもので、
こちらの話す日本語も、何で向こうに通じているのか?
謎は深まるばかりだ。
しかし年配さん改め、アマジャさんに、どうやらこちらの意思伝達は可能で有ると分かった。
聞こえる声?言語?音は意味不明。なのに?
え〜〜っと、
で?
ところで神って何?
俺が?…ハ?
一応…一応確認が大事だな、きっと、
「な、何故、俺が神だと?…」
「はい、多くの罪無き者が血を流し、天が嘆き悲鳴を上げ、哀しみの涙を流しその時、
やがて空が割れ、それは正に、世界の理が壊れしその時に、愚かなる者達を裁くべく、
全てをその深淵に飲み込む荒神様が、
怒りと哀しみを手に、
遂にこの地上に降臨されると、
正に我が一族の、古よりの言い伝えに聞きし奇跡が、
今、正に、我の目の前で起こりました…」
「…お、おう…」
え〜っとね、まずいな、何かね、
俺、違いますよ?
何て、到底言えん空気や…
も、もうこれは神ですアピールして、しまくって、助けて貰っちゃう?
そんな感じで行く?行っとく?
そして何となく、
俺、今、神になりました。
…爆誕です。
…バレたらどうしよ?だって魔法も飛行も出来やしないんですけど?雑魚なんですけど?
空気が…重い、辛い。
まあ、当たって挫けよう、俺。
先ずは情報収集から。
俺は、突然こっちに召喚されたんで、訳が分からんのよ、
今、この状況とか、世界情勢とかを説明してくれない?っと、アマジャさんに頼んだ。
「ハッ、では申し上げます」
早口なうえ、熱くなって小難しい単語や、聞き慣れない単語が飛び交い???
更にヒートアップし、まくし立てられたら、
もういきなり全部イミフだった。
う、マズイ…アホやとバレるやん。
「まあ待てアマジャよ。俺が悪かった。まずは少し落ち着いてくれ。そして、そうだな、先ずは俺の質問に答えて欲しい…」
そう言って、俺は思いつく限り質問していった。
先ずここはどこ?
私は、誰?
ここで戦争してる?
誰と誰がしてんの?
そいつらって…強いの?
どの位、続いてんの?
変な生き物もいっぱい死んでるけど、あれ何?
所で貴方は俺の味方?
あと…貴方は深淵を探してどうすんの?
その他色々、諸々。
あ、て言うか、何処かで休みたいんですけど?心当たり、有ります?
矢継ぎ早に質問に答えつつも、一向に正座止めないけど、足、大丈夫? まあ、ええけど。
で、俺が分かった事は、
元々は、アーマ?の民ってのと、ズク族?ってのが大きな戦争をし始めたら、
それらに虐げられてる連中やらも、
それに乗っかる様に武装蜂起し、暴れ出して、ニッチもサッチも、で、
更にそのタイミングで天変地異が連発し、疫病が蔓延し、土地と食料と種族の生き残りを掛けた、
もう凄惨を究めたアルマゲドン的な?
ある種、厄災のお祭り騒ぎになってる…
今、そんな状況だとか。
…つまり今、ぶっちゃけ生き地獄って感じ?
あと、獣は人獣と獣人、魔物(動物?)色々に、
他にキメラ種と呼ばれる、強くてもう、正に破壊の権化なリアル化け物とか、まあ色々いるそうな。
で、
少し遠いが、アマジャさんの向かっていた、隠し神殿が有るのでそちらにご案内しますっと。
う〜ん、たった数時間なのに何、コレ?色々あり過ぎてヤバいわ。
あれ?
…あ、え?目の前で奇跡?
するてぇと…アマジャさんったら、
まさか…真っ裸の俺、見てたん?
「はい、そのお背中の後ろに在りし世界の亀裂、そこから神が顕現され、更に深淵より神器を取り出す様を、その一部始終を…」
うわあ、アホな独り言やら、小芝居見られたり、聞かれたんか…
は、恥ずっ、最悪やん。誰も居てへん思ったのに…
俺は小さく傷ついた自分の心にそっと手を当て、そしてこう言った。
まあええ。こんな時は笑とけ笑とけっ。
…ってじいちゃんが言ってたな。
では、気を取り直し、
こ、コホン、
「あ〜では、ここでは何だから、すまんが神殿とやらに移動しよう。」
「はい、ご案内致します、どうかこちらに」
あれ?お空が真っ赤だ…
もうすっかりと、辺りは夕暮れに包まれていた。




