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深淵を覗く時5

 引き続き、俺は【深淵】内部に居た。勿論、実験を継続する。

 

 内部は、特に意識しなければ、無音。


 ただ、外のすぐ横?

 壁際?

 境界線付近、に来ると、ぼんやりとだが、意識しなくても聞こえる。


 試しに、外にいる2人に、手を振って見たら、向こうも振ってくれた。

 やっぱり見えてるんだ。

 目を閉じて、今度は、より深い場所って、イメージしてみた。


 目を開ける…やっぱ真っ暗闇だった。何一つ見え…

 あ、またしても?いや、

 

 魂の光がこっちに集まってくる。

 俺を貫通して、そして消えた…


 その際に、色んな感情が流れ込んできた…


 ただ…その量が余りにも膨大で、全てを理解するのは不可能に思えた…


 多分、これ…


 その、魂の記憶だ。


 まるで、倍速再生のようで、理解するより早く、消えてしまう。


 でも、ほんの僅か、ほんの幾つかの場面や感情は、強く俺の心に引っ掛かった。


 俺の身体?

 いや、もうここでは身体って言う概念も、無いっぽい…

 

 そもそも?


 また、球になってるよね俺?…



 なんかゾワッとして、周りの闇と同化したような感触が、有った…?



 え?、

 一体化したら、ヤバくね?


 危険を感じ、俺は即、亀裂のすぐ横をイメージして、移動を試みた…

 

 お、…良かった、移動できた。


 よし、無事な内に一回ここから出よう。


 ヒビ割れに手を掛け、


 「よっこらしょーへい」っと、闇から出つつ、

 「誰やねん、それっ」と、一人でボケツッコミ…


 これもじいちゃんの口癖に俺が突っ込むと言う、お馴染みのコンボだったんだけど…な…

 ちょっと寂しい。

 



 「ご無事ですか?」

 「お身体に何か異変は?」

 すぐさま三人が集まってきて、俺をペタペタと触ってる…


 あ、もう、もう良いですか?無事なんで、はい、


 いや、近いです、皆、ちょ、ちょっと離れて…


 ああ、こんな時…ATフィールド展開しねえかな?



 えーっと…報告です。


 先ずカエル、

 これは直ぐに、光の泡となって消滅しました。恐らく、ご臨終ですね…

 



 で、

 えーーっと、ポケットをまさぐって、


 こっち、花はこうなってます…んと、無事っぽい?

 …ちょっと、置いとく。



 で、干し肉、これ。

 これも変化無い…気がする。一口齧りました、しょっぱいです。



 あ?エッタさん、

 …何故今、俺にお湯を掛けようとしてる?


 だから、熱いでしょ?、火傷するでしょ?ボケなの?…欲しがってる?ねえ?すごい欲しがるよね?


 どうした、どうした?


 そう言うの、今、良いから、マジで…。



 で、アマジャさん、

 外から、どう見えました、俺?


 「はい、ある瞬間、薄っすらとお姿が顕現されまして…」


 が、我等の【目】でも、内部迄は殆ど見えませんでした。ただ…神様のお姿が薄っすらと浮かんでおりまして…


 「お手を振られていました、そう見えましたね」


 「私とエッタ殿は、お姿は見えませんでしたが、

 私は強く、神の気配を感知致しました」



 湯気や煙が、深淵に吸い込まれたり、押し流されると言った事も、有りませんでしたよ。


 え?

 …エッタさんマジですか?マジ、実験だったの?



 身体に結んだ紐も全て、無事の…様ですね、


 ちょっと、引っ張ってみたい気もしてたんですが…


 ミゲヤさんが言って…親戚さんが笑ってた。



 深淵帰りの花は、今一度、ここに植えて様子をみましょうか。




 あと、

 これは…言うかどうか迷ったが、俺が見た世界の事を、言ってみた。


 多分、アマジャさん達が観てる、特異点?


 間違ってたら、ごめんなさい…でも、


 あれ、多分ですが、


 死んだ者の魂が【深淵】に入る為の、穴?入り口だと、思います。


 あれ、実は大っきいのも、小さいのも色々あって、

 お二人が見えてるのは、多分、ちょっと大きいやつ。


 その近くで死んだ者の数に応じて、発生するみたい…


 あと、中には消えずにずっと存在、

 空きっぱなしでいるとこも、有るみたいですね…


 きっと、【死】に関連する場所、例えば教会や寺院とか、或いは墓所?みたいな場所だと思います…


 あと、俺の近くに特異点多いのは…何となく、自分にも、見えてはいるんだけど…

 それが何でか、その理由は、ちょっとよく判りません。




 【深淵】の中に入っていると、そこに入ってくる、


 …魂が見えて、


 それが…俺の身体を通り抜けるんですが、


 その時に、


 その、想いや…意思?


 記憶みたいなものを、ほぼ強制的に、色々感じてしまいまして…


 多分、魂がこことは別の世界に向かう為に…


 今の肉体、古い、或いは傷付いた体を捨てて、

 

 魂…いや生命が、

 次に生まれ変わる為の…

 

 準備とか…をしてる?



 多分…【深淵】って、

 そんな場所なんじゃ無いかなーっと…


 えーつまり、


 上手く言えませんが、全ての【死】に、【深淵】が深く関係してて、


 破壊神は…


 その全てのそれ、魂を、観てる…


 監視している…


 そんな感じだと、そう思いました。



 そして…



 多分、前任の破壊神が、今もその役目を担ってて、


 多分、俺はそれとは違う…

 【破壊神】たる資格や、能力も無いので、


 現管理者?の…


 現状、その次の、交代要員、替わりの存在では無い…と思います。


 もしくは…


 圧倒的に、今、俺には何かが足りてない状態…



 そもそも?、その前任の破壊神が、何故か何処にも居ません…


 そんな強い存在が、簡単に誰かにやられちゃった…とか、

 無いでしょ…多分。



 何故、その痕跡も気配さえも無いのか…



 勿論?


 【深淵】の中に、


 

 どうか、探さないで下さい。

 


 とか?そう書かれた、そんな置き手紙も、無いですしねえ…



 そもそも神って不滅、死なないんでしょ?


 なのに…居ない?何故?



 破壊神の本体?

 或いは、残滓?


 それを探すのが、実はとても重要だと…


 そんな感じがしてますね、今。




 アマジャさんが言う。


 「神様が言われた内容の幾つか、

 …特異点に関することや、魂について…

 そして、【深淵】と【死】の関係性、それらに心当たりが御座いました」

 

 そして…恐らくですが、そのお身体…お力の源…


 千年前に、静かにお眠りになった神様は、やがて大きな黒い石となられたのですが、


 その石…それが、現在も見つかっておりません、


 それはつまり、管理しておりました、全て我が国の、我が国の民、全ての責任で御座います…


 それが…、それが恐らく足りない何か…では無いのか…と、そう愚行致します。


 であれば、


 やはり、我等【アザーエル】の全てを持って、


 全力を持って、石を探さなければ…


 「改めて、我等はその務めを、神との誓約を果たすべく、神の力を、黒い岩を、全力で探し、お渡し…お返し致したいと思います…」



 そこに何時ものちょっと軽い感じはもう、何処にもなく、





 三人は改めて、

 俺の前に深く、跪いていた。




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