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深淵を覗く時1

 暗闇のヒビ割れ、

 その暗黒の穴から、


 入れた時と同様に、「せーのーで…」

 で、首を引っこ抜いた。


 長時間、腰を曲げて首を突っ込んでるのは、かなり辛かったので、


 縦のヒビ割れを、意識で誘導し、俺が真っ直ぐ立った時の、丁度首の高さに横向けにしてみた。


 で、

 掛け声と共に、サッとしゃがんで、穴から出た。


 うむ、異常は感じないな…


 急ぎ、手で触っただけだが、

 よし、目も、鼻も、耳も有るな、


 髪の毛も有る、な…


 そして…うん、ナニもOKだった。



 それと、酸素が有るとか無いとか、そこはよく判らなかったが、穴の中でも呼吸の心配は、基本…無かったな。


 あと多分アレだな、多分だけど…


 俺の意識、考えが全てに作用してる…。


 縁が固まったり?、触感が無くなったりも、


 …俺がそう、思ったからかな…?


 メッチャ硬いっ…て念じて、


 明日もう一回、岩にぶつけてみようか。


 いや、

 その前に、一回、身体全部入れて見ないとな…


 どうなるのか?

 何も無いのかな?


 頭突っ込んだだけでも、

 こっちが透けて見えたり、

 魂が流れてくの、見えたしな…


 何か変わるかな?…


 

 イヤでも、しかし…

 これでもし、俺の顔が急にイケメンになってたらもう、


 それだけで、

 深淵サイコー、なんだけどなー、ふふ、



 …とか言ってたら、





 そのすぐ後ろで、


 親戚さんが大きく目を見開き、驚愕の表情で固まっていた。


 その手に持っていた、捕まえてきたであろう晩飯?バタバタ暴れてる…


 抱えた大きなトカゲに、腕やら足やらを、ガシガシ噛まれながら…


 そして、

 反対の手の中の 鳥にも逃げられながら…


 …?ん


 あ、

 親戚さんはそうか、

 見えないんだ、これ…

 成る程、そうか、そうか。ははーん、

 

 俺の頭だけが、

 首から上が見え無いと…


 …この世から頭だけ消えてたから…か、プっ、


 俺、首ちょんぱ?…


 イヤ、超ウケるんですけど〜、って、




 いや?


 そりゃ、確かに、親戚さん目線は怖いよな。


 まあまあ、ホラーやん、それ。



 俺はちょっと歩いて、親戚さんの目の前で、手をブンブン振った。


 おーい親戚さーん、起きて、帰ってきて〜、


 親戚さんが、急に我に返ってワーキャー騒いでた。


 え、俺?


 …いや、大丈夫、大丈夫、何も問題無いですよ、何も、


 え?


 え?首が無いの?

 誰の? え、俺の?


 よく見て、有るから、ほら、ね、もう…


 やだなー、気の所為ですよ、気の所為。

 見間違いですよ。


 それより、

 ガッツリ噛まれて、ダラダラ血出てますよ、腕から?


 親戚さんは気を取り戻しつつ、

 …あ?!え


 あ、痛ぇ…コイツ…このっ あ、鳥?しまった逃げられた…クソ、


 ええい、コイツっ、大人しくしやがれっ、



 次の瞬間、持ってたトカゲを、サッと取り出した紐みたいな暗器で、速攻絞めてた。



 トカゲさん、ご臨終、合掌…



 こりゃ、

 アマジャさんとミゲヤさんはもっと…どうかな?


 …ヤバいかな。

 

 いや、【目】を通して見たら、どうなんだろ?

 何か、発見有るかな?



 まあ、これ以上は今、大騒ぎになりそうなので、今日の実験はここ迄だな。



 あ…っと、



 

 もう一人、目撃者がいたようだ。


 ち、…始末するか…



 スタスタ…



 エッタさん、

 エッタさんや…


 おーーい、しっか…


 …イカンな、


 コッチも大口開けて白目で固まっとるな…



 相当ビックリし過ぎて、声も出なかったか…



 よし!


 口ん中、飴ちゃん入れトコ。

 ほい、ぽんっと…


 今回の飴ちゃんは、意表を着いて、おとこ梅だな…メッチャ酸っぱいぞ。



 これで、多分すぐ再起動するやろ、

 知らんけど…




 さーて、今日の晩飯、何かな〜。



 ひ、ゃああああー



 お、再起動したか?



 ゲホゲホゲホゲホ…





 ふふふ、


 遠くで、むせてゲホゲホ咳き込んでるエッタさん…

 

 気の毒なのに…


 ちょっと、面白かった。ごめんちゃい。


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