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逃避行5

 久々の、

 ちょっとマトモな食いもんは、

 …身体にも、心にも染みた…染み渡った。


 生き返るわ〜。

 

 で、

 腹が満たされたなら、一気に来るよね、睡魔…


 時刻は21時ちょっと…



 急に三人が跪き、

 そしてアマジャさんが言った。


 「神様に於かれましては、

 起きては早々、キメラと闘い、

 更には移動の連続、

 禄にお眠りになれず、大変、申し訳無く…

 しかも、

 あの様な天上の馳走を我らにお与え下さり、感謝の念が絶えません…」


 「お、おう…」


 今宵、我ら三名が見張ります。どうか、ゆっくりと安心してお休み頂けましたらと…。



 ……え?良いんですか?


 あ、頭上げて、上げて、もう…


 で、良いんですか?

 良いですね?

 ホントに寝るよ?

 歯、磨くよ?

 そしたらもう、即だよ?


 良いのんね?



 じゃ、もう遠慮なく。

 …秒で寝た。






 夜更けの静寂の中…ミゲヤが問う。


 「アマジャよ、あれは一体何だろうか?

 あの様な美味は、生まれて初めて口にしたが…」


 「ああ、私も初めてだ、旨かったな。

 …まだ口の中に余韻があるぞ…」



 「なあ、神様は何時もあんなの召し上がっているのかな、あれ食ったら、もう無理だ…、

 神様に出す料理なんて、私如きには二度と出来そうに無いぞ、

 どうする、一体どうすればいいんだ?もう自分の不甲斐なさを…」


 …落ち着けエギラ、あれは、誰であれ、絶対無理だろう…

 軽く、ただ何かを混ぜただけに見えたが、


 驚く程の美味だった…

 もう神の御業としか…


 仕方がない、不敬だと思うが、

 神様がお目覚めになったら、一度ご相談させて頂こう。


 神様は他にも不思議な魔道具で、甘い茶の様な物も振舞って下さった。

 それもまた、絶品だった。


 残念だが、我らは戦うこと以外は、余り得意とは言えん様だ。



 ところでミゲヤ、

 …それより、我等の神様は、お前らの【目】にはどう見えるんだ?

 …私には闇は見えんが、持ってる魔道具でさえ、ずっと様子がおかしい。


 多分、普通に接して下さっているのも、我等に気を使って下さっているんだろし、本当のところは…




 …そうだな、もう、ずっと落ち着かない…


 ずっと多くの刃物の切っ先が、この肌に触れてる感じだな…


 あと、昼頃にな、随分離れた場所に居たんだよ、でもな、そんな遠くに居ても、その存在がはっきりと判ったんだ。


 本当に異質…いや、


 もう、圧倒的な畏怖だ…


 身体中がずっとヒリ付いている。

 …アマジャはどうだ?



 ああ、判る、畏怖だ。


 深淵とは、本当によく言ったものだと思う。

 あれだけ騒いでいた特異点でさえ、

 最早そこらの小石の様だ。


 圧倒的に深く、暗い闇だ…。

 一言で言えば、とても怖い…


 この世の全てを壊す等…

 

 そんなものは、お伽噺に尾ひれが着いただけだ…、そう思っていた自分が、

 どれだけ浅はかだったのかと、恥じるばかりだ。


 だが、千年もの永き眠りからお目覚めになったばかり…

 まだご無理はさせられん。




 …確かに、千年後の寝起きって考えりゃ…、


 そりゃ、勝手が違うよな、自由に動けんのも、判る気がするわ…


 千年か…



 いやエギラよ、今の言葉、流石に不敬だぞ、


 …だが、


 お前なら、案外寝れそうだぞ…寝るの好きだろ?


 おい待て待て、ミゲヤ、

 そんなもん、千年どころか、10日も寝てたらそりゃ、


 そいつはもう、とっくに死んでるって…

 

 皆が笑った。



 ミゲヤよ、私はダメだ、身体中が緊張して、

 暫くはとても眠れそうにない。


 そうか、実は私も同じだ。



 まあ、私もアマジャも起きているから、

 ミゲヤ、お前だけでも寝てろ。


 大変だな、【目】持ちは。

 じゃ、遠慮無くそうさせてもらうよ。

 寝れそうなら起こしてくれよ、代わるからな。


 


 静かに、夜は更けていった。


 

 


 



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