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移りゆく季節の中で 

 ある日また、ふと思った。

 …色々考えるられるだけの時間が増えたって事なんだが…

 

 俺がこっちの世界に来てから、気づけば結構な時間が経っていたなと…


 そう言やさ、どうも最近…以前よりも朝晩が涼しくなってきたのを強く感じる、今日この頃である。

 海の上…ってのも、大分有るんだろうけどさ。


 ここいらって比較的温暖だと、勝手に思ってましたが、

 この様子だと、そのうち雪とか降るんだろうか?ちょっと気になったんで、何故かシレンさんと、謎のダンスの練習中の親戚さんに、ちょっと聞いてみた。


 「そうですね、冬はありますね。ちゃんと雪も降りますよ?」


 じゃあ、俺達も冬支度が必要ですよね?…ってか、真冬でも俺達はこのまま海の上ですかね?


 「うーん…正直、そこまで考えて無かったって気がしますな…そうですね…今は大勢の子供も居ますからね…」



 急遽、大人達で緊急会議が開催された。


 先ずは航海長ヨミくん。取り敢えず君の意見を聞こうか?


 「そうだね…まだまだ遠いからねカーナンって、そして…寒いし冬の海は比較的荒れるんだよね…」

 

 じゃあ、マーヤル師匠?

 「はい、勿論…帰路は急ぎたいところでは有りますが…冬、しかも海となると…我々大人でも厳しいですからねえ…ここの幼子らには、それは酷だと…大変厳しいのでは無いかと…」


 …なる程。


 ではアマジャさん…

 「つまり…我々はどこかで越冬すると…そうなりますでしょうか?」


 ですよ…ねえ?


 「では…ヨミ殿ならば、何処かそれが出来そうな場所をご存知か?」親戚さんが問いかける。


 「うん…いくつかは…行けそうな場所に心当たりは有るんだけど…」


 「うーん…結局は二択だろうね。先ずは無人島なんかを探して、そこに拠点を据えるか…何処かの街に冬の間停泊するか?ただねえ…そもそも、その資金だって必要ですよ?」

 そう言ってヨミが、チラッと俺を見る。


 一応…あらゆる選択肢に対応出来る資金として、

 俺は、うちの【深淵】銀行から金貨の詰まったパンパンの大きな樽を一個出したった。

 勿論、これは例の海賊からパクったやつだ。


 これで良いかね?っと…ドンっと置いたった。


 皆、目を丸くして驚いている。


 えーっと…これはですね…例の…溶けて全滅した海賊の…


 まあ…俺が?この、葬儀のプロが、


 彼等をあの世にちゃんと送ってやった、その正式な葬儀代金、対価として…

 正式に受け取ったモノなのですよ(勝手に)。なんせ、俺はこの道の、正真正銘のプロですからね。

 しかもさ、副社長と言う名の社長だからね?…いや、これは嘘っぽいけどマジなんだよ…


 え?…ほら、名刺だって、うちの社印の押された領収書だって有るよ?ホントだよ?



 …必死で言い訳した。しまくった。必死のパッチ…


 だが…皆の目が遠い…

 


 無断で勝手に、根こそぎパクったんじゃ無いんですよ?(大嘘)


 正当な対価ですから!(本人の勝手な言い分)


 

 「へえ〜、まあ…とにかくこれはすごいね。これだけあればさ、冬支度どころか、小さい町なら丸ごと買えちゃうよ?」


 え?…マジかよ?大きな声では言えんが、まだまだいっぱい有るんですけど?


 え?…あの海賊らって、相当荒稼ぎしてやがったのか?

 うわ…折角の金づる?全滅…させちゃったけど…



「じゃあ、主は宿泊って感じかい?」


 え?…いやさあ、そもそもそんな都合のいいトコって、有るんかよ?

 しかも、この船冬の間、この船をあんまり大勢の人目にさらすのもなあ…


 「そうですよ、この船でのお仕事は、大事なんですっ、みんないっぱい練習してるんですからね?」

 …エッタさんが妙に力説する。なんか変なスイッチが入ってしまった様だなと…


 え?ビックリ…ちびっ子も含め、みんなそっち側ですか?


 「ハハハ…そうだね、うちの小芝居班だけ、まだ大きな成果が無いままだったよ?確かに、それで人目に晒すなんて、論外だね、絶対ダメだ…」


 え?…なんだよ?結局お前もそっちかよ…



 うーんと…じゃあ、適当な無人島でも探しますか?ってかさあ、どっか知ってる良さげないいトコ、教えろや?


 「うむ…そうだね…幾つか心辺りは有るけどさ、それは随分昔の記憶だからね。今、実際行ってみないと、なんとも言えんね?」


 なる程。そっかじゃあ…本格的な冬になる前に、

 ぼちぼち、越冬準備作戦、明日から早速始めますかね?



 そういや、こっちに防寒グッズとかって…どれだけ有るんだろうか?

 



 もしか…毛皮と焚き火だけ…だったらヤバくね?


 ここいらが冬でも、少なくとも俺が温かい地方へ行って獲物を確保すれば、食料はどうにかなりそうだが、



 気温にもよるだろうけど…

 子供達の健康、百歩譲って、しもやけ程度ならともかく…低体温症とか、

 最悪…凍傷とか、そこまで行くとちょっと怖いよな。


 そもそも、ここには医者も居ねえんだし、せいぜい薬草位でまともな薬だって無いんだよな…



 万が一、そんな事になったら、ちょっと大問題なんだが?



 うーん…キモヘビ倒したりする方が、そっち系は楽勝なんだが、


 お爺やんの緩い回復補助と、エッタさんの薬学だけじゃあ、

 流石にこれから先、ちょっと心配は尽きないよな…


 どっかで…医者か回復専門の魔術師とか、誘拐…いや、違う違うっ、か、かか、勧誘しなきゃな…アハハ…



 うーん、こりゃ当分、悩みは尽きんな。


 ただ冬を越えるだけなのにな…



 そうか…現代日本って、こっちと比べりゃ相当に恵まれてるんだな…



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