表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/214

呪われし恐怖の海賊船 2

 此度の…海賊の襲撃を受けて以降、俺達は今後の更なる襲撃を見据えて、

 より、幽霊船らしさ?を追求すべく、皆が熱い意見をそれぞれ出し合った。


 俺達の目指す理想の幽霊船…コンセプトはズバリ、戦わずに勝つ!しかも圧勝!それだけ。

 

 その為には、よりお越しになったお客様の恐怖を、トコトンまで煽り倒す、

 そんな素敵な演出が、もっともっと必要なのだと。


 実際問題、お化け屋敷ってやつを、かつて散々経験済みな異世界出身の俺と違って、


 当然、こっちの世界では、誰もがそれは未体験ゾーンなのだった。

 それはつまり…早いもん勝ち、今が旬っ、てやつ?


 一応、死後の世界や、幽霊の様な概念も、ぼんやりとはあるらしい。


 なのでただ、勝手にバケツが転がっただけでも?ここの連中にすれば、それは相当怖いらしい。

 つまり…今がチャンスと言う他、無いんだよな。なんでも、最初にやったヤツが正義なんだよ!知らんけど…



 ただ唯一の懸念は、ゼリー状の海賊を皆纏めて、すっかり成仏させてしまった事で…


 まあ…それについては当然の事なのだが、


 アレほど視覚的に、恐ろしく高い攻撃力を持ったオブジェクトなど、他にはそうそう無いって事だな。


 だが…無いものをねだっていても話は先には進まない。


 幌を張らないで動いてるのも、船乗りが見れば結構怖い、との事で、

 基本的には、海流に乗れない時は、俺が【深淵】で船の後ろを、ちょいちょいっと、適当に押すって事にした。


 そして敢えて、先の襲撃に付けられた鈎爪も残している。寧ろ、お客様はここから上がって来てねって、アピールポイントにしたった。


 這い上がった先には、ゼリー状の何かと、謎の粘着床が待ち構える。


 これも意外と嫌だと思う。


 そこには更に、見えない糸で倒れるバケツや、


 床下の船室内で引っ張る紐でガチャガチャと大きな音を立てる、デッキの上の小物類とか…


 ヨミ達小芝居担当が、上手く隠れたり、緊急時に素早く避難出来るように、忍者屋敷の隠し扉を参考にした、

 床の…と有る一部分を押すとパカッと開き、素早く人が隠れられる仕掛けも、

 俺がイサクに発注し、直ぐ様製作し、そして直ちに船に実装された。


 急に人が現れたり消えたりってさ…うん、安全面も含め、良いよね?


 なので、俺は何度か、シャダのトコに、木材やら釘やらの材料の調達を頼みに行ったり、

 それを回収したりした。


 そう…あと一応?幾つか別のお願いも追加しといた。

 当然、金貨の詰まった袋何個かをシャダに握らせといた。


 金なんざ、腐る程有るからな?


 ニヤリと笑って、たった一言…

 「勿論、判ってるよな君?くれぐれも、宜しく頼むぞ?」って、優しく伝えたった。

 

 シャダは、とっても良いお返事を返してくれた。何故かガタガタ震えていたが?…変なの。




 そして、甲板には敢えて残ってるゼリー状を残りを、そのまま利用する事にした。


 キモいんで絶対触りたくないとか…決してそんな理由では無い、決して…。


 あと、【深淵】の中に有ったキモヘビの胴体と尻尾、これもどっかに置こうかとぼんやりと思ったてはいたが、

 それはヨミに慌てて止められた。どうやら、とんでもない猛毒が付与される呪いが、ヘビの全身から吹き出してるらしい…うあ、危ねえな…うっかり出したら大惨事って…思い切って処分して良かったわ~


 あとは…まあ正統派?王道?

 急に大声だしたり、濡れ雑巾の水滴を上からポタポタ…とか?

 急に足首を掴んだりとか…それは流石に俺の担当だな。


 あと…九郎が謎の悲鳴やら、不気味な音を鳴らしてくれるっていうギミックに、


 追い打ちで更に、俺のブルートゥーススピーカーで、謎の音楽も流す事にした。


 例えば…オジーオズボーンの、ミスタークローリーとか、ブラッドバスインパラダイスとかのイントロ部分?


 黒魔術?的な奴…知らんけど…

 

 いかにもって感じの、恐怖を煽り倒す感じのイントロがさあ、もう堪らんよね?


 他にも、かけたい曲はまだまだ沢山有るよな。


 ヨミの小芝居隊に、一糸乱れぬ揃ったダンスってのも、まあ…有りっちゃあ有りかも?


 絶対的な恐怖の中、生まれて初めて聞くのが、濃いーいヘビーメタルの、ランディ ローズの、ザック ワイルドの、その強烈なギターリフとか…


 怖いわ…もう絶対に怖いわ。

 そもそも絶対に訳判らんやろうしな、こっちじゃイミフ過ぎて、寧ろ相当怖すぎちゃんって感じ?…

 知らんけど…



 …いや、そもそも?


 見えない俺に、後ろから急に声を掛けられたら…それだけでも相当怖いよな?シンプルな方が怖いってか、初見だったら絶対、おしっこちびるよな?


 ならそうだな…エッタさんにも、大きな声で絶叫してもらおうかな。

 そもそも、女声の方が良く通るし、ご来場のお客様に与える心理的プレッシャーも、結構大きそうだしな。クックック…


 いやあ、なんだろう?メッチャ楽しいんですけど?


 あんまりビビんない奴にはさあ、見えない俺が、頭上から獲ってきた獲物の生き血を…


 ポタリ…ポタリと、落としてさしあげようかな?


 うわうわ怖いわ~、絶対怖いやつやん?いやああああ…怖っ、ヤバいわ~

 ホラーのお約束のやつやん?これはマジで怖いわ~



 あと、昼は勿論だが、夜にお越しになったお客様の為に、幾つか専用の恐怖もご用意しないとなとな。


 急に一斉に火がついたり消えたりするろうそくとか…


 辺りが曇りで、月明かりさえ無い真っ暗だと…


 ミューも、ジョンも、九郎も、


 みんな完全に景色に溶け込んじゃうんだよね…


 そう言う特性なんかな?



 いや…怖いわ~、急に目の前に魔獣とか、ガチで怖いわ~…普通、死ぬしな?


 もう完全に、心折れちゃうよな。



 凄えな…完全にやりたい放題なんですけど?ワクワクが止まらねえ…




 えーっと…

 ダメだ、俺も皆も、超ノリノリなんだが?

 くっそ楽し過ぎるんだが?




 最初のお客様には、相当サービスしちゃいそうだわ、マジで。


 サービスって大事だよね。初回ログインボーナスてんこ盛りって…フッフッフッフ…最高かよ?





 あーあ、早くお客様来ないかな〜。


 ん?ちょっと待て…


 違う違う…おい、良いか?俺の事は総監督って呼べ!


 知らんけど…

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ