夜明け前2
これから、カーナンへと、向かいたいと思います、そう、告げられた。
俺には当然、土地勘もアテも無い。地名なんて聞いてもサッパリ分からん。
で、
「お願いします」とだけ、返事した。
ホームセンター、それは、コー…いや、何でも無い…
弟さんと親戚さんは、一緒には行かないらしい。
何でも、それぞれ別の仲間と合流してから、こちらの班に合流するそうだ。
「それではどうか、お気をつけ下さいませ」っと、すごく丁寧にお見送りを受けた。
「そちらもご無事で」
そう言って、俺は大きく手を振って、神殿を後にした。
暫く歩いて気がついた。
空腹感が消えて、しかもカフェインでも摂ったような覚醒感まである…
え?さっきのアレ…実は、違法薬物なのでは?
…まあ、ここで警官に職質される心配は無いだろうけど、
たださあ、あんまり食いすぎてシャブ中毒って、
…マジで洒落にならんや?
例え、すごく飢えてても、
…量いくのは辞めとこう、まあ…そもそもマズイし。
そ言えば、俺が回収したヤツも同じなのかな?後で聞こう。
待てよ…そういや多分、自分のカバン漁ったら、何か食えるもの有るはずだ。落ち着いたら後で探そう。
やがて、空が白み始めた。俺達が行く先は、緩やかな下りが多く、大軍が移動したであろう行軍の跡は、踏み締められていて、割と歩き易かった。
時刻(仮)は、間もなく朝5時になる。
都合、昨日の朝から24時間営業の、まるでコンビニ状態なんだが…
寝てないし、
疲れて無いとは、とても言えない状況の筈なのに、
…何だろう、割と全然元気だ。
ああ、そっか、
緊張しているから…
気が張っているから…
アドレナリンが出まくってるから…
俺、若いからな…とか?
…いや、自分に嘘はつけない…
そうだと思いたい、思いたいが、違うな、
きっと、あの黒丸脱法ドラッグのせいだよな…ヤバくない?
更に暫く歩いて、やがて行軍のルート跡を大きく外れ、
やがて河にぶち当たった。
幅は10メートル弱、深さはは4〜50センチ位かな。底は見えているので、歩いて渡れそうだ。
例の激渋ワインの袋型水筒を取り出し、アマジャさんは水を汲み始めた。
俺が、コレ飲めますか?っと聞くより先に、
アマジャさんは水を手ですくって、美味そうに飲んでいた。
で、
こっちを見る熱い視線が、
お前も飲めよっ…美味いぞ?
て、感じだな…
一瞬、死体が流れて来そうな嫌なビジョンが頭に浮かんだ。
血とかゴミ。あと色々浮いてないかマジで心配。あと、腹壊さないかな〜めっちゃ心配…
だがもう、
あの熱い視線に、屈した。
飲んだった。
何なら顔を水面に突っ込んで、ガブガブ飲んだった。美味かった。
サムズアップ!&スマイルだ。
…神様ありがとうって言いたい位だったが、
あ、いけね、俺が…神様だったな。




