夜明け前1
あれから更に時間が経った。
すっかり暗く…いや結構…もう深夜じゃね?
俺を除く、3人の話し合いは、まだ続いている。
現在の時刻?
俺の時計がこの世界で合ってるのかどうか判らないが、
しかし、俺が信じられる物なんてここにはコレしか無い。
だから信じるぞ、俺のB-ショック!
さあ、電波時計の実力を見せてく……あ、電波、多分無ぇな…
一応?時間は、22時15分だった。
で、
この持て余している謎のボッチタイム?に、
少し頭を整理しよう、そうしよう。そう思った。
俺はカバンから仕事手帳とペンを取り出した。
書くと、色々と気付けるんだよね。
で、
まず〜わ…だ。
オーモーイーダーせー、
そうだ、あれって昼過ぎだったな、
そうだ、腹が減ってたな…
俺は病院の受付を済ませ、(死亡)診断書を預かった。
で、
それから車に戻って、ストレッチャーの用意をして…、
え〜確か、腹減ったけど、暫く飯は無理か〜って、
自販機で水とスポドリを買って…そう、買ったな。
入れた小銭が、何回も返ってきて、ちょとイラッとしたわ…
それから、仏さんを寝台車に積んで、指定された自宅に向かって発進してーの…
で、
仏さんの自宅に着いて、預かった鍵で家に入り、
部屋に布団を敷いて…
ご近所さんと一緒に、仏さんを降ろして…
仕事カバンも運び込んで…
さあ、あとは、じいちゃんの到着を待つだけ…
ん?
そうだ、ここら辺で確か、
アレだ…変な声?
複数の、それも大勢のお教?いや呪文か?が薄っすら聴こえてきて…
で、何か…うわ、キモっ?
って、思って…
えーーっと?…ん?
…ここで、記憶が無い、飛んでるな…
で、
気づいてみたらば色々おかしい、
はてこりゃ、何じゃとて?
え?
…ふと、顔を上げると、
彫りの深い、濃い顔の3人が俺を凝視していた。
…ちょっとビビった。
「あ、話し合い終わった?」
「はい、で…今、神様は何を…」
前のめりで、弟さんが聞いてきた。
いや、色々急すぎて、頭の中が整理出来ないんで、
一旦、頭を整理したくて、文字に書き起こしてみたんだよね。
そう言うと、何故か?
弟さんは不思議そうに「そうで御座いますか…」と言った。
「所で、今日はここで寝るの?」
「申し訳ありません、恐らく一部の軍隊が、どうもこの辺りに戻ってくる可能性が有ります」
おっと、そりゃ大変だが、どうすんの?
大変お疲れの所を申し訳ございませんが、
今少しだけ休憩の後、
出来れば安全な場所にお連れしたいと思います。
アマジャさんは申し訳無さそうに頭を下げた。
「分かりました」
と、だけ答えた。
アマジャさん達は、背負って来た背負子の荷物をバラバラにし、必要な物とそうで無い物とを分け始めた。
そして、
「力が出ます、どうぞお召し上がり下さい」っと、
さっき俺が死体から掻き集めてた様な、黒い丸まった何かを差しだしてきた。
俺が拾ったのより、ちょっとみどりっぽい…
「肉に薬草を混ぜ、固めた物です」そう言われたので、何も考えず、ポンッと口に放りこんだ。
で、噛んだら…
…………ゲロマズだった。
如何にも薬草って苦味と、鳥肉みたいな淡白な味の無い肉が合わさり…
苦い草の味しか、しねえよ…
それでも毒じゃなく、空腹を満たせれば良いかっと…
俺は激渋ワインもどきで、それを喉の奥に流し込んだ。
完全に罰ゲームだよ、トホホ…
アマジャさん達の眉間にも、深いシワが出来、
やはりワインもどきで流し込んでて、ちょっと笑った。
こっちでもマズイもんはマズイって、何か…ホットした。
そして、いよいよ出発するそうだ。
さっきバラした背負子を組み直し、俺の荷物が背負えるように、俺用の背負子を造ってくれた。
大きなスーツケースをずっと引き摺ったり抱えたり、そりゃ大変だったんで、とてもとても、ありがたかった。
それでもまあ、 …重いんだけど。
眠いし、ああ…腹減ったな…
大盛りのチャーハン食いてえな…




