Out of Blue 4
色々有ったが、俺が与えた食事を食べてか…
少しだが、子供達は落ち着きと元気を取り戻しつつ有った。
なので俺はミューを見張りで残して…って、
いや、そりゃ最初はまあ…当然大騒ぎだったが、それはもう必死で説明して、
ようやくミューも安全なんだと子供達にも理解してもらって、
いや、実は一番大変だったわ、海賊よりもこの説明が…
俺は【深淵】に戻り、今度は上空から、先ず島の周囲を索敵した。
デッケえヘビさん、出ておいでー♪
うーん、なんだよ何処にもいねえな。さっきのヘビと言い、この辺りって、ヘビの一大生産地なのかな?
そう言えば辺りは、すっかり薄暗くなって来たな。
これは…いかんぞ!?
寄り道などせずササッとお家に帰らんと、
またアマジャさんに叱られてしまう…これはヤベエ…
…いや待て、子供かよ俺は?でもなあ…アマジャさん怖えんだよな…
で…おや?
さっき、キモいヘビをシバいたったあの島に、
小さい船が付けられて、そこに誰かが上陸していた。
ん?
アイツも海賊の仲間か?
…なら、当然生かしちゃおけねえな…って、
俺は直ぐ様、島に移動した。
【深淵】越しに見たそいつは、全身に鱗のある…トカゲと人間の混ざった様な獣人?だった。
地面にぶち撒かれた、キモいヘビの血の跡を触っているぞ?
うえ、コイツ、キモいな…ばっちいぞ、おい。
そして…そいつは複雑な表情でポツリと言った。
「まさかとは思うが…本当にアレが…誰かに倒されたとでも言うのか?」…っと。
んーと、そうか…
つまりコイツは、あのキモヘビの関係者なのかな?
すると【深淵】の中で、
今迄一言も話さなかったカラスが急に俺に言っってきた。
あれは…セーオリッツと云う名の、
ある種の…神族の一種みたいな者だ。
ん?なんか…若干、会話が流暢になって無いか?
うむ…ここでゆっくり休めたので、そして…再び深淵の力を身体に注げたのでな…
ほう、そりゃ良かったな、
で…
そのセーオなんちゃらってーのは、俺達の…敵なのか?
うむ…なんとも言えん…
本来奴は…アーマともズク族とも、どちらともと敵対していた筈なのだが…
どうも、今は違う様だな。
我も、つい最近まで囚われの身であった故、詳しくは…
だよな、まあ…
なら、簡単だ。直接話をすりゃ良いよな?
俺は、無敵のお触り出来ませんよモードで、
急に奴の前に出たった。じゃじゃーんっと。
当然、奴の驚き様ったら無かったな、
俺も思わず笑ってしまうくらいに…
セーオなんちゃらは、腰の剣を構えて言った。
「だ、誰だ貴様、一体いつからそこに居たのだっ…」
フッ…お前が地面触ってニヤついてる時から横に居たぜ?
「な…何だと?貴様は一体何者か?」
おいおい…人様から名を聞くんならよ…
まずは、テメエが先に名乗るのが礼儀ってもんだろうがよ?
…?
一体何を…言っているのだ貴様は、
何故…王で有る我が、貴様より先にな…
ちっ、礼儀も知らん田舎者かよ、もう良いわ、
なら、これでも喰らえ、「罰!」
ガコっ!
当然…痛い痛い皮膚の内側バージョンを、
その硬そうなスネの内側に、バチコンっと、金属バットでお見舞いしてやった、
トカゲマンは驚き、一気に後ろに飛び下がって、そりゃ凄え顔で…
必死にその痛みに耐えていた。
ほお…やるな。
それに耐えたのか、お前なかなか大したもんだな。
だが、こいつならどうだ?
今度は深淵で、奴の足首を固め、更に両足を無理矢理そろえて、
その両膝をフルスイングしたった。
さすがに、トカゲマンは悲鳴を上げ、地面に転がった。
フッ…こいつは結構効いた様だな。
そりゃそうだ、俺なら死んでも食らいたくねえわ…
じゃあ、次をいっとくぜ?…「おい、ま、待て待て…待ってくれ…」
ん?どうしたどうした、勝負はこれからだぞ?
「待て…貴様は一体何者だ、今のは一体、何だ?」
おいおい、何度も言わせんな、先ずはテメエがって…言ったろうが、おい?聞いて無かったんか?
「クっ…、我が名はセーオリッツ、偉大なる海神族の王で有るぞ…」
は?ぷぷぷ…偉大だと?笑わせる、
…無様に転げ回る、お前がか?
おいおい、片腹痛いとは、まさにこの事だな。
…っと?
船で待機していた護衛かなんかが、凄え勢いでこっちに来ているな…
…んーっと?
ここ迄挑発しといて、今更なんだが…
怒髪天を衝くって顔のセーオリッツを見て、
ようやく俺は…急にふと、我に返った…
ヨミが言ってた、ヨミに親を殺された奴で…
ヨミの会いたくない人ランキング一位…
俺は…インディージョーンズ的な凄腕冒険家の様な気分のままで…
やがてはゲームの中の、あの某…伝説の主人公になすっかりなりきった挙句、
そして…ちびっ子らの事でつい、勝手にブチ切れてたせいで…
どうも完全に、調子に乗りまくってた様だわ…
さっきのアホなイタズラも、上手いこと行き過ぎてたしな、あれも助長してるよな…
どうも、自身の感情がおかしな事になってた様だわ…
そもそもだ…怖いのはコイツじゃあねえ…そりゃ絶対にアマジャさんだろと…
多分…コイツは良いとこのお坊ちゃんって感じで、
流石の俺でも、あんまり負ける気がしないね?知らんけど…
そうだった、そうだった…
アマジャさんにも、はっきり言われていたんだったわ…
(自分自身に)気を付けろと…
そうだよな…
本来は直接対峙などせず、隠れてもっと情報収集するべきだよな、当然…
しかもだ…
調子ぶっこいて、こっちからちょっかい掛けるとか、もう完全にアホやん?
そうだよ、
さっきの海賊とか、キモいヘビとかとの関係性とか、ちゃんと調べるべきだったんだよ…
しかも、これで完全に敵対したよな、と…
ちょっと落ち着いた今なら、はっきりと言える…
これはあれだな…どうやらこれって、完全に怒られ案件だ…
なーにー?
やっちまったな?俺…と。
ヤベ…怖いわ。




