Out of Blue 3
なにやら、ぎゃあぎゃあと賑やかな大広間と違い…
まあ、それは俺のせいなんだが…
そこ以外の、その他の場所は随分と静かだった。
そして…彷徨いていた俺の目の前には、遂に…
その大きなお部屋の中には、なんと、お宝部屋も有リましたね。
ニヤリ…そうだよな…
こりゃあ、そもそも人様から無理矢理奪ったもんだからな…
それを俺に奪われたって、そりゃ文句は有るまいよね?では、遠慮無く…
根こそぎ…もうごっそりと、そこにあった金銀財宝を、きれいさっぱり、まるっと頂いたった。
なんか…ありがとうね海賊さん、そしてありがとう【深淵】、持ってて良かった。
幾らくらいの額や価値が有るのかは知らんが、もうこれで当分は、俺達が金に困る事なんて無いよね、マジで…急にホクホクやん?一攫千金?
他にも…武器やら食料やら、なんか売れそうなモンやら、
とにかく頂けるもんは一切合切、きれいに全部頂いたった。
まさかな…
俺の居ないあの部屋で、必死に俺を探しているその間に…
まさかの、この悲劇で有る…
あらまあお気の毒に…
全くもってご愁傷様である。知らんけど…
で、色々漁っていて気が付いたが、
どうやら襲った船の生き残り?
特に、子供を奴隷にしている様だった。
見るからに痩せ細った子供たちを見て、俺は軽くブチ切れてしまった…
海賊とは言え、多少まともなヤツは、シャダのとこに送り込んで、労働力の足しにでもしてやろうとか思っていたが、
そりゃもう辞めだ…
お前等はダメだ、完全に俺を怒らせた。
故に、この島ごと、
悪は根こそぎ綺麗に滅ぼしてやるわ、大掃除だよ。
今ここに、御老公は勿論、助さん格さんも居ないが…
だがしかし…これはもう決定した、したったのだよ。
残念だが、てめえらは完全終了のお知らせだ。
だが…
この子供達をどうやって救出し、解放するべきか、一度帰って相談だする方が良いよな?
お宝も奪われた奴らが、万が一子供に八つ当たりとかしかねないし、
恐らく奴らが会議を終えて出てくるまで、殆ど時間が無いよな、
これは急を要する案件だ。
しかし…子供の数がそこそこ多いなと。
多分二〜三十人は居るぞ?
うちの…強引なメリー号じゃ、とてもこの人数の子供達は乗せ切れんよな、絶対に転覆するか沈むよな…
なら…奴らの大きい船を奪う必要が有るのか?
そして…それを動かせる奴も多分必要だから、適当に何人か生かしてやるか?
いや、ダメだ…
最悪は船ごと、ジョンで牽引すりゃ良いのかな、良いよな?多分…
もう…丸ごとヨミに押し付けりゃ、アイツが勝手に何とかしよるやろ?
知らんけど…
じゃあ、先ずはちびっ子らの安全を確保しとかなきゃな。
いっそトンネルでも掘って、どっかに安地でも作りゃ良いか…それとも…
ん?待てよ、ひーらめいた♪
先に先ず、一仕事だな、ちょっと…いい事思いついたぞ、ウヘヘ…
折角、わざわざ一箇所に集まってくれたんだし、
海賊でいっぱいのお部屋の入り口は、
廊下いっぱいの…硬い大きな岩やら土砂で、
もうがっちりと塞いであげよう、そうしよう。
適当な場所で岩山を探すつもりだったが、
なんと有り難い事に、このアジトが全部岩山だったわ…
じゃ…深淵でサックしと削り取って…
廊下に、隙間も無い程にぴったりのサイズの巨岩を、ビタっと置いてあげた。ビッチビチの、ガッチガチやで?
更に…二つ有った逃走用の隠しトンネルっぽいのは、
ミューの糸で塞いで、更に、そこにも岩と土砂をパンパンに詰めといてさしあげました。
所謂、完全封鎖しといたった。
哀れ海賊さん…ガチのリアルに、正真正銘の袋のネズミ。
で俺は、
そのちょっと手前で【深淵】から出て、子供達の居る場所までゆっくりと、なるべく脅かさないように移動した。
おーい君達、どうもこんにちは。
大きな声じゃ言えないが、この、素敵なおにーさんが、君等を助けに来たったぞ。
俺は笑顔でそう言った。
普段、余程酷い目に遭わされていたんだか、
子供達は、回りをキョロキョロして、ただおどおどするだけだった。
おっと先ずは…
俺が誰であっても、君達の敵じゃ無いよ?って事を、
それを解って貰うトコからだよな。信頼関係の構築だ…大事、大事。
先ずは、奴らから奪った食料から、
水と、すぐに食べられそうな干し肉やパンを出して…
さあ、これ、みんなで食っていいよって、言ってみた。
最初はすっごい警戒してはいたが…
一人が食べだすと、みんな一斉に群がって食べだした。
おいおい、慌てて食うと、喉が詰まるぞ?
大丈夫だから、な、ほら、水もちゃんと呑んで、
ゆっくりと、ゆっくり食いなよ。ハイそこの子、ポケットにパン入れないで、大丈夫だから。
心配は要らんぞ、まだまだ沢山有るからな、
遠慮なんか要らんぞ、だって俺のじゃ無いしな。
「おいコラ、何やってんだ、テメエ…」
ん?
おっと、まだフリーの雑魚が居たようだな。
丁度良い、ちびっ子らの信頼を得る為にも…
お前等…俺の、ヒーロー爆誕の生贄になってくれや。
子供達をいびった仕返しも兼ねて、三人居た雑魚の両膝の皿に、
軽く…?
いや、結構なフルスイングを入れたった。
勿論、動けないように、両足足首をガッチガチに固定してから、な…
足元をすくい上げられて、転びそうな奴らに、
今にも悲鳴を上げそうになったその瞬間、
ミューの魔法で口も身体も、
全ての動きを止めたった。
俺は…
固まったまま声も出せずに、
その場に倒れ落ち、ただ声も出せずに号泣するクソ雑魚の上にどかっと座って、
ちびっ子らに言った。
見たか?ご覧の通り、俺はメッチャつええんだよ。
だからもう、安心して良いぞ。
ここにいるチンピラどもは、もう君達をどうにも出来やしないと、この俺が約束する、
お兄さんとの約束だ!
だからさ…君達の知ってる事を、誰か代表で、お兄さんに教えて欲しいな…
例えば、まだ捕まってる人の話とか、
あとはそう、君達の親御さんの事とか…
凄い勢いで食べてた子供達の手が急に停まった…
うわ…え?やった?
まずいな、やってもーたか?
地雷踏んだか、俺?
嗚咽を漏らし、何人かが泣き始めた。
やはりというか…
食費も嵩んで、裏切る可能性が有る大人は…まあ…そうだよな…
うん、多分そうだろうなーとは、思ったが、
益々もってアイツらは許せんよな。
この俺が手を汚すまでも無い…
もうこのまま放置して、散々、飢えと渇きに苦しんだあとに、
全員惨めに飢え死にさせてやろう、そうしよう…
そう、思っていたが、
それじゃヌルいな、ぬるすぎちゃんだよ。
どっかで…
いや、そういや丁度良いのが居るじゃないか?
あの…邪神ってやつを固めて運んで来て、
ここに放り込んで解放してやろう。
フッフッフッフ…お前等はやり過ぎた…
反省の意味を知り、弱者の怒りを、この痛みを是非とも知って貰おうじゃないかい…と、そう思うわ。
さてと、そうと決まったら、その邪神君を探そうかね…
丁度今、俺はやる気スイッチ入っちまったからな…
邪神かなんか知らんが、お前もキッチリ覚悟しとけや、知らんけど…
そいつって、相当デカいってんなら、直ぐに上から見れば見つかるだろうしな。
邪神よ…その首洗って待っとけや、フッフッフ…すぐ楽にしてやんよ?
そして…楽しい、楽しい海賊の踊り食いパーティーのあとには、
最後に夢見心地のまま…腹一杯のままで、サッサと地獄に送ったるわ。
だってさあ…邪神ってなによ?邪神って…?
ヤバない?
…名前がアカンわ、名前が。
完全に、アウトやん…知らんけど…




