船を探せ4
俺はたった一人で、チンピラのアジトに侵入し、
そしてチンピラの輪の真ん中で、奴らに問うたった。
お前らに与えられた選択肢は二つだ、
服従か死だ、
さあ選べよ…
しーーーーん…
ほお…?
おいおい…無視かよ?
いい度胸してやがんな、おまえ、いのちはだい…ん?あれ?…
んーっと?
あ!…ミュー、すまんが…
その親分っぽいヤツだけ…自由にしてやってくれん?
服従か死かって…俺はもう言いた過ぎて、言いた過ぎて…つい、
先に解除頼むの、すっかり忘れてたわ…いやいや、こりゃ参ったね。
コホン、良いか、ではもう一回最初からだ、
良いか、お前らよく聞け…選択肢は二つだ。
それは服従か死だ、さあ選べ。
も…もし、
…服従を、選んだら、俺達どうなるんだよ?
ふっ…獣人お前、名は?
俺はし…
いやいや、知っているぜ?お前、シャダだろ?
な、何で…?!
おいおい…あんま俺を舐めんなよ?
情報収集なんざ、初歩の初歩、基本中の基本だ、よ〜く覚えとけ。
…で、
船の荷の積み下ろしが仕事のお前らが、
アホのアーマのせいで、すっかり仕事に溢れて…
今じゃ惨めな盗賊まがいってな…
随分とまあ…落ちぶれたもんだよな、え?シャダさんよぉ゙…(イサクから聞いた)
て、テメエに何が判るてんだよっ?
「ゴツン…」ぎゃあああああああ…
おいおい?シャダちゃんよ、テメまるで解って無ぇよな?
お前さあ…吐く言葉は充分選べよ?
じゃなきゃ痛い目みんぞ?…プププ、おっと、もう手遅れなんですけどね?
ちゃんと、違う方の足にしてやった、この俺の優しさに感謝しろよ?
おっと、脱線しちまった…
コホン…で、だよ。
今、俺がやってる屋台を、なんとお前らに売ってやる。
しかもだ…当面、店の商品の材料も、こっちで用意してやる。
そしてだ。
まだまだ時間は掛かるだろうが…
いずれ、ここの船がそれなりに増えりゃ、
今迄の仕事も、またやりゃ良いんだよ、
どうだ?いい話だろ…って、シャダよ?
おい?
いつまで、ゴロゴロ転がってんだよ、テメエは?
こっちの話を、ちゃんと聞いてんのかよ、あ?
なんならもう一発、ぶち込むぞ?
ま、待ってくれ…痛いんだよ、判った、判ったからもう、これはやめてくれって…、これ…痛いんだよ頼むよ、頼みますから…
「お?…判ったか?」
もうな、痛い目見る前に、最初っから素直に、人の話を聞きゃあ良かっただけなんだぜ?
お前の、そういうトコなんだぞ?
コホン、では改めて聞くぞ?
服従か死か、さあどっちだ?
…判ったよ、アンタに服従する、すりゃ良いんだろ?すりゃあよお…
カッチーン、おい?テメエ…服従するなら、心からそう言えや?
何だっその、すりゃ良いんだろ、すりゃあ、ってのわよ?
ブっ飛ばされてえのか?
あ、い、いや、待ってくれ…く、下さい、
すまねえ、た、ただの、ホント、こ、言葉の綾なんだよ…ホント、すまねえ…
ちっ、そうかよ…だが危ないとこだったな、
もう一発行くトコだったぞ?
幸い俺は、とっても優しいからな…お陰でお前、命びろいしたよ。
おう、ところでその他の子分共、お前らも今、選べや。
同じく簡単な話だ。服従か死だ。
しーーーーん…
お?
あっと…いけねえや、
あのお、ミューさん?お願い…取り敢えず、お話だけ出来る感じでお願いしますわ…
では…
ん?おい黙れ、黙れよ、
ゴチャゴチャうるさいヤツは、問答無用でシバいていくぞ?
ちっ、うるせえな…ぎゃあぎゃあ、ぎゃあぎゃあと、
どいつもコイツもよお?…
喰らえ、「ゴンっ」「ガキンっ、」ガン、ガコっ、バキッ…
ぎゃああああああああ
ぐわあああああ
ウギャー
いってえええええええ
ぎゃあああああ…
うわあ…もう阿鼻叫喚…
おい、もう良いだろ?いつまでも、いつまでも、てめえらうるせえんだよ?
いつまで痛がってりゃ気が済むんだよ、テメエらわよ~?
もういい加減黙れよ?
これ以上まだうるせえヤツは、もう一発行くぞ、このヤロー?
うっ…ぐ…
…うう
……あううう…
ちっ…ほら、やりゃ出来んだろうがボケ…
じゃあ全員、服従で良いか、良いんだな?
ホントだな?
良いかお前ら、嘘ついたら、脛打ち百本の刑だかんな…
そこんトコ忘れんなよ?
うん、まあこんな感じかな?
まあ…そうね、
色々有ったけど、どうやら俺は、話し合いの末に…
この街のチンピラの、更生に成功した様だね。
これで、一件落着ってか?
知らんけど…
屋台は金貨1000枚で売ってやった。
勿論、分割払いで。
…利子はトイチな、
うちってさ…闇金【深淵】ファイナンスだからよ~、追い込むぜ?知らんけど…
たった3日で金貨200枚も稼げるんだぜ、だったら超お買得の、安い買い物だろうが?って。
纏めて渡すと多分、速攻腐ってしまうんで、そう…食品を扱う以上、衛生管理は大事だよね。
俺は数日置きに、イカを届けて、
そこで取り敢えず、売上の一割を頂く事にしといた。
そう、世の中は厳しいのだよ?
無料も…ただより高いもんなんかもな、この世には無いんだよ…いや、有るのか?知らんけど…
そして、屋台を使った各種販売を行う商会、まあ…簡単に言えば、テキ屋の会社を、この港街に立ち上げたった。
先ず手始めの、このイカ焼きに始まり、
肉の串焼き、飲み物の販売…やがてはその他色々とね。
商売するなら、まずは立地だぞ、とか、
愛想が大事だからな?お前ら、顔が怖いから、毎日笑う練習をさせろよ、とか、
いや…顔だけ笑っても逆にきしょいよな、お前らの顔って…ダメだな…
余裕が出来たら、可愛い売り子を雇うしかねえな。
思い付くことを片っ端から言っておいた。
やがて天下に轟くその名も、シャダ商会。
そのまんまやけど…
今ここに、極めて良心的な?フランチャイズが、
この異世界にも初めて爆誕したのだった。
さあ、親会社(俺たち)の為に、たあーんと稼いでくれよ?
ついでに、いつかお前らにたかる吸血ダニも、ゾロゾロと出てくるだろうが…
安心しろ。そんなクソみたいなゴミは、
俺が纏めてサクッと駆除しといてやっからよ。
え?…待って、いやいや、違うよ、違う違う…
お、俺はダニじゃなくてね…違うよ?あのー、そのー…
コホン、ま、まあ…
以後、シャダ商会はどんどんと、その商売の規模を大きくして行くらしい。
ヨミの未来視ってやつじゃ、それはほぼ、間違い無いそうだ。
良かったな、チンピラどもよ。
俺も…いつか金に困ったら、お金ちょっと貸して貰おうかな…無利子で…ふと思ったが…
え?ウソ?
それが、ダニの考え方ですか?そうですか…
さあ、ここでのミッションは全てクリアだな…。
皆の元に戻った俺は、出来上がった小型船を【深淵】に収納し、
遂に海に出るぞ。
悩みに悩み…たどり着いた俺達の船の名前は、
俺達と…俺達の夢を載せ、あの偉大なる海路へと誘う…
そんな、夢と希望を込めて、
強引なメリー号 と、したった。
これなら…多分ギリ、いけると思うんだが?
ぇ?まあ…良い、良いよね?大丈夫だよね?知らんけど…
良いか皆よく聞け…
「海賊王に、俺も…なるっ!?」
いや…ならんけど…




