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舟を探せ1

 食料イカ問題?は、取り敢えず一旦保留だ。


 困っちゃいるが…


 それは、食うものが無いからではなく、それこそ、

 イカが有り余っているじゃあなイカ…って話だからな。知らんけど…



 故に、今は一旦放置だ…



 ここには、そもそも船を探しに来たんだったしな。


 親戚さんらが、手分けして船を探し回って居るが…


 どうも、風向きは宜しくないなって感じだな。


 大方の予想通り、使える船の大半は、既にアーマに接収され、

 残った船も、皆で取り合いになってるって事だった。


 ところでアマジャさん…今、いくら位、お金有るんですか?


 あの辺に転がってる、あの廃船って、買えたりしませんかね?



 今、ミューと大悪党から打診されたんですが、


 多少の…いやどんな穴でも、ミューが塞いでくれるみたいで…


 あと…船はジョンが引っ張ってくれるんで、


 もうぶっちゃけ…


 船には、幌も要らないんですよね…実は。


 しかも…自称?海の神だとか言ってる奴がいて、

 そいつが言うには、波や潮の流れが分かる上に、ある程度なら、それを操れるそうなのですよ。知らんけど…



 序に…俺達がどれだけ頑張っても、多分食い切れ無い大量のイカも、


 食料に困ってるっぽいここで売れば、

 きっと良い値が付くんじゃ無いですかね?小銭稼ぎに丁度いいし、船代の足しにもなるんでは?


 むしろ、イカが減ったらこっちも相当助かるし…



 つまり…


 海に浮かべる船…なんなら器さえありゃ…


 こっちはなんとか、いや、ぶっちゃけどうにでもなるよって、


 ついでに、イカも売りたい。


 まあ…そういう話なのですよ。どうでしょうか?


 アマジャさんは、急ぎ親戚さんらを呼び戻し、緊急会議を始めた。


 概ね、了承されたが、唯一、問題が有るのだとか。


 舟は全て、海に出る権利を国から買うそうで、

 …海の使用権?


 丘で転がってる舟は、既にその権利を持ってないそうで、


 少なくとも、権利を持つ修理中の船を手に入れる必要が有るんだって事だった。



 なんでも、その権利がない船は、沖に居るこの国の船に敵認定されて、最悪攻撃されるそうだ。



 そこで、取り敢えず…


 まあまあの程度で ギリ、廃船一歩手前で、

 仮に穴の一つや二つ位は、この際、もう無いものとして、


 マストが折れてるくらいは、別に気にしないよねって事で、そんな船を、


 三人は再び港中を周り探して貰った。



 で…一応?


 条件が付くが、

 一応は…見つかったと。


 その提示された条件は三つ。

 一、いい値段で買うこと

 二、船の持ち主も、一緒にここから連れ出す事


 三、持ち主の身の安全と、食事とか、自身の待遇を、

 最低限俺達と同様の扱いを要求するってこと


 …だそうな。


 アマジャさんが俺に、意見を聞くが、俺の答えはもう決まっていた。


 だって…ドワーフやん?アレ…

 誰がどう見たってさ。


 そうか…自称、神に、神獣、魔獣…

 それから獣人ときて、

 遂に?ドワーフ、来たーーー!!


 あとはエルフを見つけりゃ、それで異世界セット、フルコンプだな…知らんけど…



 で、俺の近くを偶然?歩いていた、とある…自称神だとかほざく、ちょっと怪しい男性…の話によると、



 ヒルメが魔力?で生み出しそうとした神族のうち、


 大成功、90点以上が巨人の神族で、

 それにちょっと足りなかった70点が小人の神族、


 その、小人の神族に、これまたちょっと足りなかったのがドワーフ65点前後で、


 …そこから下、その間は、殆ど生まれ無くって…


 それにも遥かに足りなかったクセに生まれちゃった残念賞?が、


 なんとゴブリン等の低級魔獣、20点以下なのだそうだ。


 あ…点数は、俺の勝手なイメージです。



 つまり…結局はヒルメって奴が、


 この世界の、諸悪の根源って話でもう間違い無いって、そういう事だよね?ヨミ君?



 え…あ、うーん…まあ、どうだろう?そう…言う考え方も有るかな?いや、何でそうなるんだ…


 一応…全てって…いや…


 勿論、悪事だけじゃ無いよ、

 良いところだってそれなりに、沢山有るんだからね?


 いや…別に…もうヒルメを庇う必要も、今は別に無いんだけどさ…


 君の…態度や言い方が何か、ちょっと気に障るんだよね、ちょっと、ね…



 まあまあ…ヨミ君、あんま細かい事を気にすんなよ、君、神だろ神?


 な?そんなじゃあさ、きっと信徒にも笑われっぞ?知らんけど…


 ポンっと肩を叩き、ニヤリと笑ったった。


 グヌヌヌ…ヨミは眉間にシワを作り、唸ってた。





 そんなこんなで、


 俺達は船と、その持ち主、ドワーフのイサクと御対面した。


 おお?確かに、どう見てもドワーフっぽいな。



 おい…そこの若いアンタが、コイツらの雇い主だってな。


 良いか…わしはここを捨て、違う場所に行きたいのだ。

 だから…今後の生活の為にも、あんたらが払えるだけ、頂けるだけを頂きたい。



 話し合いの結果、アマジャさんが提示したのは、うちの予算上限の金貨50枚だった…


 壊れた船に払うには、多過ぎる位の額だそうだが、

 なんとドワーフは、もっと出せって、そう言い張る。


 そこに割って入ったのは、

 自称、海の神だった…


 ヨミは何人かの名前を順番に挙げていき…


 そのうち、ドワーフのおっさんの知り合いにヒットした途端、


 そこから一気に捲って、なんと話をひっくり返してしまった…


 詳しく聞いてみたが、どうやらこのドワーフの親の世代辺りの、多分大恩人…を、数人見繕って…


 おい、ドワーフ?お前さんの両親が世話になったこの我に…

 よくも、そんな真似が出来るよね?って…



 まさか…

 神が一般ピーポーを恫喝を始めやがった…

 こりゃ酷い…もはや神もクソも無い…


 コイツ…やっぱ大悪党だわ。


 でも…結果、金貨25枚っでって落ち着いた様だ。


 …もしや、これって詐欺師の手口なのでは?



 まあ…上手く話が纏ったので、今日の所は許すね…

 まあ…今日だけは、ね。


 あと…ここいら付近には、やはり、アーマのせいで、食料は少ないそうなので、




 いーこと考えたった。



 ドワーフのイサクの協力の元、


 即席の屋台と鉄板の上で、

 祭り屋台のイカ焼き…をイメージして、


 早速、販売を開始したった。



 皆、金は有るが、そもそも買う品が無いので困ってるって、

 そう聞いたんでね。


 そのまま、切っただけのイカを売るつもりだったが、イカを食わないらしいここいらで、売れるのか?って、問題が有ったが、


 一応、イカは食う習慣が無いそうなので、架空の魚の名前を、テケトーにでっち上げて、


 何処かの国の名物だとか、そう言い張って、


 塩味の焼きイカを、バンバン売りまくった。


 焼ける香ばしい醤油の香りは、あっという間に客を呼ぶ。


 そうだ、醤油の匂いは撒き餌だ。実際の商品には使わない。


 醤油は貴重だからな…



 いい値段を付けた割に、イカは飛ぶように売れた。

 ビビる程に売れまくった。


 しかも、あっという間に、これは美味いと、

 狭い港街中に、その口コミが広がった。



 バズった…


 イカ焼きはここで、一種の流行の最前線となったのだ。


 「え?アンタまだ、あれ食べてないの?」…的な?



 想像以上にウハウハだった。


 なにせ、こっちはイカも無料、海水を煮詰めて造った塩も無料…


 これこそ俺の…史上最強の錬金術師?の、

 まさに本領発揮やな…知らんけど…。



 ミューが、船の大きな穴や破損箇所を、

 糸と魔力と端材で、手際よく埋めている間の、三日間程で、

 …あ、アーデさんが助手として、お手伝いしつつ、監視もされてる。



 ついで、同じく余ってるイカとヘビ、胃の中から出たイノシシや牛等、


 それらも相当な高値で売れまくった。入れ食いだな、

 そりゃもう、怖いくらいに儲かるんですけど。



 親戚さんの商売が上手いのと、シレンさんが、客を乗せたり、誘導するのが見事だった。


 流石の、情報操作のプロの手口だった。


 一日に、何度もやって来たリピーターも出来て、

 巨大イカの足がなんと三本と、本体も五分の一くらいが一気消費された。


 これは嬉しい誤算で有る。


 何故か、僅か三日の商売で、金貨200枚弱の売上だった。




 ドワーフのおっさんが…何だか、凄く複雑な目で見てくるので、


 俺は気前良く、売上の半分をくれてやった。


 

 ドワーフは、何故か急に真面目な顔で?


 俺に忠誠を誓うから、一生ついていきたいとか、

 全く訳の判らない事を言い始めたので、


 そういうの…今、面倒くさいんで大丈夫ですわ、って、

 軽くお断りしといた。


 あと、美味そうにイカを食ってた、足止め中の多くの商売人とも、良い繋がりが出来て、


 なんと、イカと交換で硬いパンと、少量だが小麦粉を入手した。これはデカいし、熱いぜ、


 同時に、原料の小麦の存在と仕入れルートも確認出来た。

 コイツは素晴らしい。もう、これは勝ったよな、俺達。知らんけど…


 シレンさんに、可能な限り詳しく、場所?産地の確認をお願いした。

 地名とか聞いても、俺、さっぱりだしね。



 これは、幸先が良いね。






 …そう、


 そう思っていた時期が、俺にも有りましたね…


 当然ですが、


 ここは異世界…しかも、戦時中だった。


 金も食料も持ってる、群れから離れたひ弱そうな一人の若造を、


 黙って放っておいてはくれない、

 そんな…世知辛い世の中だったなと…




 大勢の強面に囲まれ…


 ふと、もの思いにふける、

 そんな夕暮れの路地裏でした。


 

 

 


 

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