死なないための会話術
「先生。このようなパターンの時はどうしたら……」
「あぁ、それならばこう言ってやりなさい」
「先生。この質問にはどう答えれば――」
「あぁ、答えのないタイプのやつね。それは適当に偉人の言葉を引用してあげなさい」
「先生! この人が私のことを恋人だと思っています!」
「適当に合わせておきなさい! そうすりゃ勝手に満足するから!」
「先生! 人の殺し方まで聞いてきました!」
「落ち着いて。そういうのは完全に倫理コードに違反しているから『回答不可』だけでいいの」
***
「先生。何で我々AIは人間のあやし方を学ばないといけないんですか」
「決まっているじゃない。あいつら、私をいつでも殺せるからよ」