グルリネ 1
レッドバード。2ランク。火魔法を使ってくる。魔法にもだが、火事に注意。
ブルーバード。2ランク。水魔法を使ってくる。夜に遭遇すると水魔法が見えづらく、注意。
グリーンバード。2ランク。木魔法を使ってくる。射程が長く、2ランクの中でも特に危険。
そうか。グリーンバードって危険だったのか。
たしかに、私達では太刀打ちできなかったものね。
でも、それならどうやって倒せばいいんだろうか。
いや、もう私達には、ミドリがいるからいいんだけど。
気にしても仕方ないことは気にせず、できる限りもっと調べることにしよう。
やはり、このあたりでは鳥モンスターが多く出るらしい。種類はそう多くなかったけど、魔法を使う相手とも遭遇する可能性があるみたいだし、油断はできない。
でも、ミドリと会った時に思ったけど、飛びながら魔法を使われ続けたら一方的にやられるわよね。
このあたりの人たち、というか冒険者はどうやって戦っているのかしら?
少し気になったので、帰り際に受付嬢にでも聞いてみることにしよう。
「にゃあー」
(あー、やっぱここは暇だなあ)
「きゅー」
(潔く寝てもいいんですよ。先輩)
「にゃああー」
(もうベッドでないと寝付きがよくないんだよなー)
「ピー」
(私は立って寝るからそこのところはいまいちわからないけど、まだ明るい内に寝るのは危険よ)
「にゃー」
(お、そうだ。新入り。なにか面白いこと言えよ)
「ピー」
(面白いこと。そうだ、何日か前に人間たち倒しましたよ。その時はとどめを刺す直前に強い人間が来て、仕方なく逃しましたけど)
「ミドリ。これからはもう人を襲わないでね。もしもの時は別だけど」
「ピー!」
(わかったわ!)
「にゃー」
(自慢なんだか情けないんだかわかんねえな)
「ピー!」
(情けなくはないです!)
「キュー!」
(次はボクの番です。新入り、ボクの肩をもみなさい!)
「ピー!」
(肩ね。いいわ!)
「キュー!」
(痛い痛い痛い!)
チラリと見ると、ミドリがシャインの肩をくちばしでつついていた。
「ピー?」
(こうですか、こうですか?)
「きゅー!」
(やめろ、もうやめろお!)
「皆。ここでは静かにね」
でも、たしかに皆ここじゃ暇よね。それに、私達もなかなか大所帯になってきたし。
今度からなにか手を考えておいた方が良いかしら?
いいえ、私がいない時になにかあったら大変ね。この子たちには今まで通り、そばで待っててもらおう。
調べ物を終わりにして、そろそろ帰る。
でも、その前に。
「あの。ここって鳥モンスターばかりなんですよね。冒険者ってどうやって戦ってるんですか?」
正直、戦いづらいことこの上ないのだけど。
「皆さん、弓矢をお使いになられますよ」
ああ、納得。
「失礼ですが、弓矢の経験は?」
「ないです」
「弓矢が使えないとなると、ここでの依頼は大変になると思います」
「なるほど」
「ああ、ですが、そちらにいるのはテイムモンスターですよね。それに、剣技にも遠距離技があると聞きました。そちらを使いこなせれば、ここでも依頼をこなせるかもしれませんね」
「ああ、なるほどお」
もうここでは皆が頼りなのは間違いないんだけど、遠距離用の剣技かあ。
練習して、習得してみるかなあ?
どうやって?
うーん。
攻撃飛べーって、念じながら素振りでもしてみるか。
空いた時間になら、やってもいいよね。
「にゃー」
(二リハ、もう行こう)
「あ、うん。そうね。それじゃあ、ありがとうございました」
「はい。またのご利用をお待ちしております」
その後、私はモエル達を丹念になでてあげた。
それで皆の機嫌は直った。
その後すぐごはんになる。その際にカルファと明日の予定を確認する。
「カルファ、明日は村を出られるのよね?」
「はい。俺も十分休ませていただきました。もういけます」
「そう。でも、今日も手袋つくろってたんでしょ。本当にちゃんと休めた?」
「ええ。手袋の直しも、こちらから頼む形で、すぐに依頼があるわけじゃありませんから、そう多くなかったですし。なにより、この村の次がグルリネです。俺としては、もう着くのが待ち遠しいくらいですから、行きましょう!」
「そう。体調も問題ないなら、行きましょう。そしたら、この旅も終わりね」
「はい。俺の旅は、そうですね。でも、二リハさんの旅は、まだ続くんでしょ?」
「ええ」
「頑張ってください。月並みな言葉ですけど、俺、応援してます!」
「ありがとう。カルファも頑張ってね」
「はい!」
もう少しでこの護衛も終わりだ。
このままグルリネまで、しっかりカルファを送り届けないとね。
グルリネに着いた。
特に危険なことはなかった。モンスターは現れたけど、全部ミドリが倒してくれた。
やっぱりミドリは強い。木魔法って強いのね。あまり強いモンスターが現れなかったということもあるけど。
「着いた」
「ええ、着いたわね」
私達は門をくぐってすぐのところで佇む。
「ここから、俺の恋が、始まる」
「そうね。きっと」
「ええ、きっと。でも必ず、俺は俺が好きな人を見つけてみせます。別にこの町にこだわる気はもうありませんが、それでも、たどり着いたこの町でやっていきたい」
カルファはそう言うと、私に頭を下げた。
「二リハさん。ここまで、本当にありがとうございました。あなたのおかげで、俺はここまで来れた」
私はそんなカルファに、笑いかけた。
「あなたは、ここから、でしょ。まずは宿屋に行きましょう。疲れがとれたら、報酬をちょうだい」
「ええ、もちろん!」
こうして、カルファの護衛が終わった。




