カクラ 2
朝、目が覚めた。
しかし私はすぐには起きない。
なぜなら今日は、一日休む日だから。
くうーっ。1日中寝てても良いなんて幸せー!
なんて、言ってられないか。
今は夏。ベッドが恋しい季節ではないのだ。
それにベッド、寝汗でぐしょぐしょだし。ちょっと。
流石に起きなきゃいけないわね。
私が起きると、モエルとシャインも起きた。
「おはよう、モエル、シャイン」
「にゃあ」
(おはよう、二リハ)
「きゅう」
(おはようです、二リハ)
そして、カルファはというと。
「すう、すう」
まだ寝ている。
けどまあ、寝込みの私を襲わなかったのは感心だ。
いや、全然警戒はしてなかったけど。今までだって、寝込みを襲うチャンスくらいあったし。
それじゃあ起こさないように、一回外に出ますか。
朝ごはんができるのを持っている間、少し剣を振って、その後散歩。
この村も結構大きいけど、やっぱり村だ。人はまばら。
でも、それがかえって気分良い。町とは違う空気というものを感じられて、私は結構この景色が好きだ。
もともと村育ちということもあるかもしれない。いや、私の村はもっと小さかったけど。
あ、おじいさんが畑で草取りしてる。平和ねえ。
少しうろうろしてから、宿屋に戻る。すると、丁度朝ごはんができていた。
「にゃー!」
(魚マジ美味い!)
「きゅー?」
(そんなに美味しいんですか?)
「シャインも気になる?」
「きゅー」
(先輩があまりにも美味しそうにしているから、ちょっと)
「じゃあ、お昼はシャインもお魚にしてもらおっか」
「きゅー」
(ありがとうございます、二リハ)
和やかな食卓も終わり、一応部屋に戻る。
すると、カルファはまだ寝ていた。
「やっぱりおつかれだから、もうちょっと、ね」
私はそっと、また部屋を後にした。
気晴らしに冒険者ギルドに行ってみる。
休むのはたぶんこの一日だけだろうから、依頼は受けないけど。あ、でも、グルリネ方向の護衛依頼とかあれば、ついでに引き受けられるかも。
でも、ここは村だ。依頼の数は町よりはるかに少ない。働いている冒険者も少ないだろう。だから、全然混雑していない。
受付嬢も、常にニコニコしているおば、お姉さんが一人だけだ。私は手を振られながら、どんな依頼があるか見回した。
あ、これは?
1ランク。川まで護衛。100シクル。
川か。
川、良いわね。
ちょうど、私も行きたかったところだ。
「おば、お姉さん。この依頼を受けます」
「はいよ。今日はあんたが引き受けてくれるんだね。ありがとさん!」
「今日は?」
「川に用があるのは、はっきりいって毎日だからね。この夏場は特にさ。よく村の冒険者が受けてくれるんだけどね。でも報酬は安いだろ。今日は依頼が余る日だったのさ。でも、ちょうどよくあんたが来てくれたね」
「そうだったんですか。こちらとしても、ちょうどよかったです」
これで川に行きやすくなった。今日は水浴びで夏の暑さを撃退だ。
「はい、依頼を受理したよ。依頼人は村長の息子さん。村長の言えはわかるかい?」
「すみません。教えてください」
「はいよ。あと、あんたランクはいくつ?」
「4です」
「それだけあれば十分だ。一応ギルドカード確認させてね」
「はい」
私は依頼を引き受けて、ギルドを後にした。
村長の家に行く前に。
カルファを誘っておいた方が良いだろう。
宿屋に戻ってみると、カルファは丁度朝ごはんを食べていた。
「カルファ、おはよう」
「あ、二リハさん。おはようございます」
「にゃー!」
(魚の臭いがするー!)
「ダメよ、モエル。ストップ」
「にゃー」
(ちぇー)
「きゅー」
(この様子だと野菜もダメそうですね)
うん。ダメ。
「カルファ。私これから川に行くんだけど、当然カルファも行くわよね」
だって暑いし。川絶対気持ち良いし。
「ああ、そうですか。実を言うと、俺、川って初めて見るんですよね」
「あら、じゃあせっかくじゃない」
「そうですね。行ってみます」
こうして私達は、川へ行くことにした。
まずは皆で村長の家に行く。
「俺が依頼人のスクエアです。よろしく」
「二リハです。こっちの子達も戦えます。けど、彼、カルファはただの付き添いです」
「なるほど。では、少しお待ち下さい。今、川へ行く人を集めます」
「え?」
「皆、川へはいろいろ用があるので。いつも決まって大勢で行くんですよ」
「なるほど」
「出発は午後近くになると思いますが、それまでお待ち下さい」
「あ、はい」
「よければ客間でおくつろぎください」
「はい」
私達は、村長宅でのんびりした。
「ちょっと予定と違いましたね」
「そうですね」
「あの、よろしければボードゲームもありますよ。遊ばれますか?」
「あ、私こういうのやったことなくて」
「ああ、俺はわかりますよ。教えます」
「ありがとう、カルファ」
その後、私はカルファにボードゲームで惨敗してから、集まった大勢の村人をつれて川へ向かった。




