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イハサク 1

 レストラン、ミトスでモエルとシャインに一番高いお肉と野菜をあげた。

 お肉もそうだけど、野菜も結構高かった。そんなに良いのだろうか。これ。

「がつがつ」

(美味っ。これ美味いっ)

「もぐもぐ」

(とっても美味しいですうー)

「モエル、シャイン、そんなに良い?」

「にゃー」

(二リハも食べろっ)

「きゅー」

(そうですよ。とっても美味しいですよっ)

「そう言ってくれるのはありがたいけど、もう自分のは頼んじゃったのよねえ」

 普通のパスタをフォークでつつく。私もモエルとシャインと同じものを頼めば良かったかな?

 でも、値段を見ると気が引けるのよね。それに、このパスタだって黒パンの何倍もの値段だ。

 今までちょっと節約しすぎだったかしら。自分に対して。

 でも、魔法の盾を買うのにお金を貯めないといけないのよね。

 魔法の盾。やっぱりあれば便利そうだし。護衛依頼の時に幸運の風の魔法使いに攻撃された時、モエルがいてくれなかったら間違いなくやられてたし。

 対人戦かあ。いや、もっぱら私の専門はモンスターだけど。

 そういえば、ファイアグラスにまた火魔法を使われるのも危険よね。夏を過ぎたらいなくなると思うけど、やっぱり魔法への対策がしっかりできているのと出来ていないのとでは大分違うでしょう。

 考えれば考える程欲しいかも。魔法の盾。

「7万5千シクルかあ。どっかに落ちてないかなあ」

 まあ、明日もらえる予定の桃色札報酬を期待しよう。

「このパスタも美味しいし、まあこれもご褒美といえばご褒美よね」

「もぐもぐ」

(美味い、肉おかわり!)

「きゅー!」

(ボクもおかわりですー!)

「ダメよ、食べ過ぎは。たぶん。次もまた食べに来ましょう。それまで我慢ね」

「にゃー!」

(いや、まだ食える!)

「きゅー!」

(ボクももっと欲しいです!)

「ダメ。今日の分はこれまで」

「きゅー」

(ちぇー)

「にゃー!」

(二リハ、これ食べたら俺、もっと強くなれる!)

「きゅー?」

(え、そうなんですか?)

「モエル、そんなこと言ってもダメよ」

「にゃーにゃーにゃー!」

(食べたい食べたい、食べたいー!)

「もう、モエルったら」

 思わず仕方ないって言いそうになる。

 でも、ここで折れたら甘い。ごねられてもほだされてはいけないのだ。きっと。

 お母さん役って難しい。

「そうだ。今から戻れば宿のご飯も間に合うかも。モエル、シャイン、宿のご飯なら、またすぐ食べれるわよ」

「きゅー!」

(え、そうなんですか!)

「にゃー!」

(嫌、さっきの肉が良い!)

「ここで駄々をこねてもお肉は食べれないけど、今すぐ戻ればまたお肉が食べれるわよ」

「にゃー」

(ううー)

「きゅー」

(先輩、戻りましょうよー)

「にゃあ」

(仕方ない、早く次の肉を食いに行こう。二リハ、シャイン)

「あ、ちょっとまって。私が残りを食べてから)

「にゃーにゃー!」

(二リハ、早く!)

「きゅーきゅー!」

(二リハ、早くしてください!)

「ごめん。本当に待って。ふたりとも。そんなに急がせないで)

 いかん。墓穴を掘ってしまった感がある。

 私は急いで残りのパスタを食べた。


 翌日。ギルドに行って桃色札を渡すと、3500シクルもらえた。

 多いといえば多いけど、それほどでもない気がする。

 まあ、黄色札の報酬も合わせると5千シクルくらいもらえているから、割の良かった仕事ではあったと思う。

 危険度はかなり高かったと思うけども。仲間に恵まれない可能性も考えると、次の集団依頼は引き受けない方が良いのだろうか?

 まあ、頼もしい仲間がいれば、逆に楽な依頼にはなるのだけど。こればっかりは運かな。

 気を取り直して私は、4ランクの依頼を受けた。

 ターゲットはイハサク。討伐証明部位はイハサクの核。体の中心にあるらしい。

 一応図書室に行って資料のイラストは見たけど、なんか、見た限り野菜なのよね。

 この町の北側によくいるらしい。運が良ければすぐに会えるそうだ。早速出発する。

「モエル、シャイン。行くわよ」

「にゃー!」

(帰ったら今日もあの美味い肉な!)

「きゅー!」

(それは良いですね!)

「考えとく」

 あれ高いのよねえ。このまま連続で食べさせるのは、ちょっと気が進まない。今の目標は貯金なのよ。ふたりともかわいいんだけど、ごめんね。

「モエル、シャイン。贅沢病にはならないでね」

「にゃー!」

(大丈夫、俺強いから、病気にはならない!)

「きゅー!」

(ボクも気をつけます!)

「これは心の病気だから誰でも注意が必要なのよ」

 とにかく、今日も稼ごう。そして4ランクモンスターとの戦いに慣れよう。


 町の外に出ると、ちょくちょくファイアグラスと遭遇した。

「にゃー!」

(二リハ、またいた!)

「きゅー!」

(あっちです!)

「わかったわ!」

 幸いモエルとシャインがすぐに見つけてくれるため、不意打ちは受けていない。

 けれどファイアグラスは無音で火魔法を使ってくる。防御力は低いが、かなり厄介な相手だった。

 一度盾で火魔法を防いでみたが、盾が小さすぎたせいか、防御しきれなかった。顔や体に火がかかる。

 防具はなんともなかったが、顔にかかるのがまずかった。急いでシャインに回復してもらう。

 やはり、今の私に魔法を防ぐ手立てはない。他の火魔法は、全てなんとか回避した。

 加えて、モエルの火魔法が効かないのもまずかった。

 最初の時もそうだったけど、モエルの火魔法は、ファイアグラスには効かなかった。モエルもファイアグラスの火魔法は効かないが、モエルは火魔法しか有効な攻撃手段がないので、相性が悪い。

 言わずもがな、シャインも攻撃手段がない。よってファイアグラスを倒す役目は私。火魔法を避けながら近づいて攻撃するのはかなり神経を使う。攻撃さえ当たれば倒せるのだけど、そこまでが大変だった。

 ファイアグラスを避けて進む気持ち、わかる気がする。

 せめて討伐証明部位だけはしっかり取っておこう。私はイハサクを見つける前に大分疲れながらも、依頼成功のためにあるき続けた。






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