表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/226

旅の仲間 3

「それでテイムの札だけど、更に買っとく?」

「あ、いいえ。もういいです」

 もうモエルは仲間になったし、それに何回も大金を出すわけにはいかない。

「そう。なんかあなたはもっと何か拾ってきそうなものだけどねえ」

「そんなことないですよ」

「まあ、いいや。これで用は終わりだね」

「はい」

「そのカジーニャ、いや、モエル、仲間だっていう印に何かつけてあげな。首輪とかいるんじゃない?」

「はい。そうします。ありがとうございました」

「にゃあ」

「行こう、モエル」

「にゃー」

(うん)

 モエルは私の腕の中からとびおりて、自分で歩き出した。本当にもう大丈夫のようだ。

 魔法ギルドを出て、フエバリスさんの言う通り、モエルに何か買ってあげよう。

 道具屋に行けばいいのかな?

 ひとまず道具屋を見る。

「いらっしゃい」

「あの、この子に何かつけてあげたいんですけど」

「にゃあ」

「そいつは、カジーニャか?」

「はい。私の仲間、テイムモンスターです」

「ほ、なんだ。それなら良かった。くれぐれも火事は起こさないでくれ」

「はい」

「つまり目印か。スカーフならあるけど、見る?」

 私は数枚のスカーフを見比べた後、モエルに訊いた。

「モエル、どれがいい?」

「にゃー」

(これ)

 モエルが選んだ赤いスカーフを買って、モエルの首にまく。

「にゃー」

(なんか首が変)

「慣れてちょうだい。とってもかっこいいわよ、モエル」

「にゃー」

(そう?)

 ほめられてちょっと嬉しそうだ。

 後は、モエルのごはんを買わないと。

「モエルは何が食べたい?」

(肉)

「お肉かあ」

 丁度、串焼きの屋台が見つかった。

「おじさん、2本、いえ、3本ください」

「まいどあり」

「にゃー」

(美味しそう)

「待って。ジュアラと一緒に食べたいの。先におうち帰ろう?」

「にゃー」

(わかった)

 歩いていると、モエルは人の目をひいた。

 やっぱり、モエルはモンスターだから、皆気になるのかな?

 でも、モエルはもう私の仲間だから。何かあった時は、私がモエルを守ろう。


 すっかり暗くなってから借り長屋に戻ると、ジュアラはもう帰っていた。

「ただいま、ジュアラ」

「おかえり、二リハ。って、猫?」

「にゃー」

(お前、誰?)

「ジュアラ。この子はモエル。私の仲間、テイムモンスターなの。モエル。この子はジュアラ。私の親友よ」

「にゃー?」

(親友?)

「とても大切な仲間ってこと」

「ね、ねえ。二リハって、モンスターをテイムなんてできたの?」

「ううん。魔法使いギルドの人にマジックアイテムを作ってもらったの。それで仲間にできた」

「へええー。良かった、ね?」

「ええ。そうね。モエルは命の恩人なんだから」

「へえ。凄いね! じゃあ、私も、二リハのこと、ありがとう!」

「にゃあ?」

(恩人って、何?)

「あなたが私を助けてくれたから、今、こうして仲良くなれてるってこと」

「にゃー」

(よく、わかんない)

「そっか。でも、私はよくわかってるから、これからいっぱい大事にするね。モエル」

 ひとまずまずモエルに、串焼きを一本あげる。

「はい」

「にゃー!」

(お腹すいた!)

 そしてジュアラにも渡して、三人で食べた。

 そしたら私はジュアラに今日のことを語って、それから寝る。

 私とジュアラはモエルを挟んで、2人で抱いて寝た。

「柔らかくて、温かいね。モエル」

「本当。それに、おとなしい」

「にゃあ」

(あんまり触らないで)

「ごめん。やさしく、そっとね」

「おやすみ。2人共」

「うん。おやすみ」


 朝。起きたら、すぐに冒険者ギルドに行った。

 今日は、ジュージに稽古を頼みたかったのだ。

 私はまだ弱い。昨日の蛇との戦いで、それを悟った。今はジュージに鍛えてもらって、安全に強くなるのが良いだろう。

 程なくして、ジュージがギルドに来た。

「おはよう、ジュージ!」

「おお、二リハ。おはよう」

「にゃー!」

「お、お前は、カジーニャ?」

「モエルよ。私の仲間なの」

 今モエルは、私の腕の中にいる。朝のギルドは人でこんでいるから、仕方なくだ。

 いや、モエルを抱くのも、気持ち良いから良いんだけど。

「ふうん。まさかモンスターテイマーになるとはなあ」

「ええ。それでジュージ、今日から、連続で稽古をつけてほしいんだけど」

「ああ。ダメだ。間が悪かったな」

「え?」

 ちょ、ちょっと想定外。いきなり予定が狂った。

「ちょうど昨晩、でかい情報が出てな。森の中にダンジョンが出来たらしい」

「ダンジョン?」

「モンスターの巣窟だよ。中には宝だって眠ってる。何より生まれたばかりのダンジョンだから、入れば実入りがありそうでな。もう適当なやつらに声をかけて、今日から行くことになってる。だから、もう稽古なんてつけてられねえのさ」

「そう。それは残念だわ」

「それと、二リハも気をつけろ。どうやら今、ダンジョンからモンスターがあふれているところらしい。前までの森なら奥に行かなければ安全だったが、今は全体がそれなりに危険だって話だ」

「ああ。なら昨日の蛇も、ひょっとしたらダンジョンのモンスターかもしれないわね」

「蛇?」

「薄茶色の蛇よ。剣がほとんど効かなくて、おまけに動きが素早かった。大きさも、普通のよりは大きかった」

「薄茶色の蛇か。たぶんサンドスネークだな。2ランクのモンスターだ。よく生き残れたな」

「この子のおかげ。あと、剣の技も使えるようになった」

「にゃあ」

「そうか。じゃあもう、稽古なんていらねえんじゃねえか? そのまま適当に依頼受けて成長すればいいと思うぜ」

「そうかしら」

「ああ。そうだとも。今気をつけることといえば、森のモンスターくらいだ。草原なら手頃なモンスターがいるだろう」

「なるほど。わかったわ。じゃあ、草原の依頼を見てみる」

「そうしな。じゃあな。二リハ。あとにゃんこ」

 そう言ってジュージは、掲示板を見に行った。じゃあなって言った割には、距離が近い。

「じゃあ、私は。昨日の採取アイテムを依頼でさばこうかな」

「にゃー」

 ひとまず、薬草採取の依頼書を見てみよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ